第84回おうちでレガシー カバレージ Round1 スン(ディミーアテンポ) VS えむたろう(青単テンポ)
レガシーにおいてはクロックパーミッションが成立しやすい。理由は諸説あるが、一番の理由は《意志の力》と《目くらまし》という呪文の存在だろう。
「盤面に展開したクリーチャーを打ち消しでバックアップする」という動きが基本のクロックパーミッションにおいて、マナがかからない打ち消しはそれだけで重宝される。今日まで多様なクロックパーミッションが成立したが、上記2種類の打消しが採用されていないものは、筆者の知る限りでは見かけることはない。
ということは、こうも言い換えられるわけである。
「《意志の力》《目くらまし》とクリーチャーがいればデッキが成立する。」
多少暴論に聞こえるかもしれないが、今回「えむたろう」が持ち込んだ「青単テンポ」からは、そんな声が聞こえてきそうだ。隙なく展開可能な《瞬唱の魔導士》や、フィニッシャー格の《濁浪の執政》《船を滅ぼすもの》といったクリーチャーを、先ほど挙げた打ち消しで守り切る。きわめてシンプルな構造を有したデッキである。
これに対するは「スン」の「ディミーアテンポ」。こちらも基本構造は一緒なのだが、色を足したことにより、《オークの弓使い》や《悲嘆》+《再活性》パッケージといった強力な戦術が併用できるという強みを持つ、現レガシー環境の雄である。
クロックパーミッション同士の戦い。この行方はいかに。
■Game 1
互いにテンポデッキとはいえ、まずは双方の出方をうかがうところからゲームがスタートする。えむたろうは静かに《島》をセットしつつ、スンは《思案》《渦巻く知識》で手札を整えていく。
大きな動きもなく緊張が高まっていく中、まずスンが《サウロンの交換条件》を想起コストに《悲嘆》をプレイ。公開された手札は《思考掃き》《留意》《目くらまし》《瞬唱の魔導士》《汚染された三角州》と《濁浪の執政》2枚。スンはその中から《瞬唱の魔導士》をディスカードさせていく。
対するえむたろうは《留意》をプレイ。そこに対応してスンの手札から飛び出る《オークの弓使い》。さらに対応してえむたろうは《思考掃き》をプレイ。
盤面に軍団トークンの生成を許すものの、えむたろうは一気に墓地を肥やしていく。そしてたっぷりとたまった墓地から飛び出てくるのは《濁浪の執政》。フルパワー8/8の状態で展開し、一気にスンに圧力をかけていく。
対するスンも《濁浪の執政》をプレイするが、えむたろうは《些細な盗み》でこれを処理。早速ライフを詰めにかかる。えむたろうが2体目の《濁浪の執政》をプレイするにあたり、スンは盤面をたたんだ。
スン0ーえむたろう1
■Game 2
スンは《不毛の大地》をセット。そこから《カザド=ドゥームのトロール》をサイクリング。土地を探してこようとする。
が、えむたろうはこれに対し、待っていましたと言わんばかりに《もみ消し》。スンの初動を大きくくじき、さらにえむたろうは《不毛の大地》でスンの《不毛の大地》も吹き飛ばしていく。
気が遠くなるスン。しかし、ここは気合いで《Underground Sea》のドローに成功。想起コストで《悲嘆》を唱え、えむたろうの手札を確認する。
公開された手札は《船乗りを滅ぼすもの》《もみ消し》《目くらまし》《緻密》《島》2枚。スンは《船乗りを滅ぼすもの》を捨てさせると、これに対し《再活性》をプレイ。盤面に一気に巨大な生物をたたきつけ、ゲームを終わらせにかかる。
窮地に立たされるえむたろう。だが、こちらも墓地を差し出して8/8の《濁浪の執政》をプレイ。盤面の主導権を握りにかかる。
スンは少し悩むが、《船乗りを滅ぼすもの》を走らせる。当然えむたろうは《濁浪の執政》でブロック。一方的に打ち取っていく。
当然それはスンも織り込み済み。スンはさらに《オークの弓使い》をプレイ。1点のダメージを《濁浪の執政》にねじ込み、打ち取っていこうとする。
が、対応してえむたろうがプレイしたカードを前に、スンは「しまった」と声を上げる。えむたろうは想起コストで、先ほど手札から公開していた《緻密》をプレイ。対象は当然《オークの弓使い》。
手元のクリーチャーを失い。相手の巨大なクリーチャーを討ち損じたスン。さらに《再活性》でのライフロスもあり、ここから逆転することはできなかった。
スン0ーえむたろう2
■Game 3
■デッキリスト
■対戦動画
よかったらサポートして頂けると幸いです。MTGアリーナの活動などに充てたいと思います。