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ガバ部40ドル統率者通信 ①名誉ある者、ガイージー

1.はじめに

さて、前々から告知した通り、今回から新連載「ガバ部40ドル統率者通信」を始めていこうと思う。

どういう連載かというと、筆者が所属しているコミュニティ「ガバ部」に所属する統率者ジャンキー…もとい統率者を愛してやまぬメンバーが作った40ドル統率者デッキを紹介していく連載である。

「40ドル統率者」って何?と思う人がいるかもしれないので、解説記事を別に書いた。以下のリンクを参照してほしい。

で、今回紹介するデッキだが…正直、どのデッキを紹介するか非常に悩んだ。なんせメンバーが組んできたデッキがどれも個性的で強烈な魅力を放っているからだ。

あれこれ悩んだ結果、非常にオーソドックスで初心者とも遊びやすい、かつ、我々のコミュニティにこの「40ドル統率者」という新たな風を吹き込んだデッキが連載一発目を飾るにふさわしいと判断した。

それではご紹介させていただこう。こちらが、本連載第一号を飾る「名誉」に輝いたデッキである。

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名誉ある者、ガイージー》(画像クリックで能力の詳細が出ます)

デッキリストは下のリンクから参照願いたい(MTGGoldfishのページへ飛びます)

さてこのデッキ紹介、筆者が試しに回してみた感想を書いてもいいのだが、せっかくなので作って愛用している本人に話を伺うのが一番わかりやすいだろう。

そういうわけで、このデッキを組んだ「がんきゅー」氏にインタビューをしようと思う。氏は普段から統率者をこよなく愛しており、ガチガチにお堅いデッキから緩めのデッキまで幅広く使いこなす、まさに弊コミュニティにおける統率者マイスターと言っても過言ではないだろう。この40ドル統率者をコミュニティにもたらしたのも氏の功績によるところが大きい。

それでは、さっそくインタビュー開始だ!

2.なぜこの統率者を選んだんですか?

まずは、全くの未知からデッキを組むよりかは、元々私が持っている統率者から40ドル以内で組めるものを選んだ方がいいなと思い、私の持っている統率者と自分が「固有技」と呼んでいるモノの価格をチェックしました。

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「固有技」は例を挙げるなら、《悟った達人、ナーセット》デッキで用いられる《長期計画》など、その統率者でしか見ないようなマイナーカード、その統率者にとっての《太陽の指輪》とも言えるような必需品たるカードです。

そんな中で自分の持っている統率者の中から、今回の構築に使えそうな候補を以下のように絞りました。

①《巡礼者、アシュリング》と《魔導士封じの鎧

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巡礼者、アシュリング》が2.5ドル、《魔導士封じの鎧》が1ドルくらいで価格としてはまずまずの印象です。

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元々、この統率者のデッキ構成としては巡礼者、アシュリング》と《》99枚が有名で、安く組むにはもってこいの統率者なのです。
ですが、常に全除去が構えられている状況を作り出すため、「統率者を始めたばかりの人に対して用いる」という40ドル統率者の理念と矛盾すると感じ、保留しました。

②《触れられざるもの、フェイジ》と《終わりなき囁き

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触れられざるもの、フェイジ》が4ドル、《終わりなき囁き》が2ドルと思ってる以上に値段は高い組み合わせです。しかし、いつでも唱えられる統率者にはある程度値段を割いてもいいと思い、少し掘り下げて検討しました。

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ただしこの統率者、他にも《倦怠の宝珠》や《統率の灯台》といった介護が必要な困った統率者なのです。
高い上にサーチもしづらい40ドルEDHでは何もせずに終わる可能性が高く、相手を楽しませることが出来ないだろうと判断し、結局却下しました。

③《名誉ある者、ガイージー》と《決闘者の遺産

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値段については申し分ないので割愛しますが、正直「40ドルという縛りの中で3色統率者は運用できるのか?」という不安はありました。しかし、この統率者は以下のような特徴を持っています。

・ゲーム進行をある程度加速し、ゲームにメリハリを持たせられる。
・見た目とは裏腹に、「計略、結託、政治」といった統率者ならではの要素を楽しめる。

特に、カードパワーが落ち、展開が停滞していたずらに時間を消費しかねない40ドル統率者では、ゲームにメリハリを持たせられる《名誉ある者、ガイージー》は魅力的な統率者です。

以上のことを踏まえ、今回は上記3種類の中から《名誉ある者、ガイージー》を選択しました。

3.構築で注意した点はありますか?

最初は40ドル以内に収めようということで、内容やバランスに気をつける事も出来ませんでした。

しかし、デッキが大体組み上がってきたところで「いかにして毎ゲーム、5マナの統率者を安定して出せるか」といったことを意識するようになりました。

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解決策としては、緑に寄せてマナクリーチャーを増量したことや、息切れ防止のために緑のドローソースを採用したことが挙げられます。

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ちなみに、緑のドローソースといえば、定番ともいえる《調和》の次にこの《リシュカーの巧技》が思い浮かびます。しかしこの《リシュカーの巧技》、日本ではトリム平均100円くらいで買えますが、海外では5ドルくらいします。当然不採用ですね。

なんでやお前EDH大国がこのやろう(※原文ママ)

4.このデッキの魅力を教えてください。

まず大前提として、統率者というゲームにおいては、何も出来なかったり、ゲームの決め手に欠ける状況というものは、相手にとっても自分にとっても楽しいものとは言えません。

今回選んだ統率者《名誉ある者、ガイージー》は、そのような状況を打破できる統率者だと私は思っています。

まず、キャストする際に用いた他のマナクリーチャーも攻め手として用いることが出来るため、相手に強いプレッシャーをかけることが出来ます。
また、対戦相手のクリーチャーの打点も向上させるため、ゲーム全体の緊張感を一気に押し上げることが出来ます。
上で挙げた、「誰も何もできず、決め手を欠いている」という状況を、これ1枚で打破できるのです。

そして、このデッキを使う上で、ぜひ覚えていただきたい「魔法の言葉」があります。

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「私以外を攻撃すれば+2/+0修正入りますよ」

口からこの言葉を唱えるだけで、多くの対戦相手は自分以外の対戦相手を叩き始めます。さながら自分を攻撃クリーチャーから守る《亡霊の牢獄》のような働きをしてくれるのです。

オマケに、対戦相手同士で叩きあいが発生することで、対戦相手の間でヘイトが高まりあい、勝手に消耗していきます。この様をただただ静観し、最後の最後で消耗しきった相手を倒せばあなたの勝利です。

総じて、ナヤカラーというアグロが得意な色の組み合わせからは想像もできない、知略的な展開を可能としてくれるデッキです。上で触れた「計略、結託、政治」という、統率者ならではの醍醐味を味わえるデッキではないでしょうか。

5.おわりに

氏はまた、このデッキについてこう熱く語る。

僕はガイージーをEDHというパーティゲーム的な要素を楽しめる最高の統率者であると思っています。昨今の統率者ではゲームの終わらせ方はほとんど無限コンボによる勝利ですが、このガイージーは統率ダメージを狙うでもなく少し特殊なパターンでの勝ち方を見せてくれます。

初心者に使うデッキという当初の目的としてマッチしているし、初心者が使うデッキとしても実態は「パワーあげて殴る」というシンプルな中身なので非常に使いやすいデッキです。

がんきゅー氏の熱い語りからは、彼がどれだけこのデッキを、《名誉ある者、ガイージー》を、そして統率者というゲームを愛しているかが伝わってくる。

ぜひ皆様も、このデッキを使い、統率者戦の醍醐味である「計略、結託、政治」を存分に味わっていただけられればと思う。

それでは皆様、よい統率者ライフを!

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