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第87回おうちでレガシー カバレージ Round2 今岡(セファリッド・ブレックファースト) VS えむたろう(ボロスアグロ)

どのように攻めるのか。そして相手の出方にどう対処するのか。常に選択を繰り返す中で、ちょっとした選択が勝敗を決する。レガシーに限らず、MTG、ひいては対戦ゲームの醍醐味ともいえる所である。

その選択の醍醐味が現れている試合を見ていこう。プレイヤーは「今岡」と「えむたろう」。どちらも非常に熟達したレガシープレイヤーである。

今岡がチョイスしたデッキは「セファリッド・ブレックファースト」。《セファリッドの幻術師》を軸として自身のライブラリーを全て墓地に送り、《タッサの神託者》の能力により特殊勝利を目指すコンボデッキである。

対するえむたろうが持ち込んだデッキは「ボロスアグロ」。最近はやりの《進め、エオルの家の子よ!》をより攻撃的に用いるため、非常に前のめりなデッキを構築し、今岡に挑む。

熟練者同士のレガシー。果たしてプレイを通してどのような「選択」があったのか。それを見ていこう。

■Game 1

今岡が展開する《コーの遊牧民》を見て、即座にセファリッド・ブレックファーストと判断したえむたろう。ここは《虹色の終焉》で除去し、安全を取っていく。

本来ならここでギアを上げて攻めに行きたいところだろうが、相手のクリーチャーを除去するべく、えむたろうはどっしり構えつつ、今岡の出方を伺う。

今岡は除去を警戒してか、こちらも土地を並べてターンを渡す。これを見たえむたろうは「相手はまだコンボが揃っていない。従って攻めるのなら今。」と判断。《進め、エオルの家の子よ!》をX=1でプレイし、今岡へコンバット。統治者を得てアドバンテージの差を更に広げていく。

苦い顔をしつつ、今岡は《セファリッドの幻術師》を展開するが、これは《稲妻》で処理される。続けて《通り抜け》のウィザード・サイクリングから追加の《セファリッドの幻術師》をサーチ。その上で《ウルザの物語》をセットし、コンボへの布石を立てていく。

が、えむたろうの勢いは止まらない。《僧院の速槍》を追加し、今岡のライフを更に削りつつ、《舞台照らし》をプレイ。《稲妻》と《石鍛冶の神秘家》を追放しながら、グイグイ圧力をかけていく。

たまりかねた今岡は、本来コンボパーツとして運用するはずの《タッサの神託者》をプレイ。相手の攻勢をなんとか防ごうとする。しかし、エンドステップにプレイされた《稲妻》と、続くターンで手札から唱えられた《稲妻》を前には無力であった。

今岡0ーえむたろう1

■Game 2

「相手はセファリッド・ブレックファーストである。従って、コンボ対策である《外科的摘出》などをサイドボードから採用する。」

そう考えたであろうえむたろうの考えを嘲笑うかのような展開で、2ゲーム目の幕が上がる。

今岡が真っ先に展開したクリーチャーは《ナルコメーバ》。目を白黒させるえむたろうに対し、今岡は更に追加の《ナルコメーバ》を展開。さらに《コーの遊牧民》も展開し、アグロデッキであるえむたろうに対しライフレースを挑みに行く。

えむたろうは除去を中心にキープしていたか、この動きについていくことが出来ない。仕方なく《稲妻》をプレイ。その上で《舞台照らし》をプレイして対応を探しに行く。めくれたカードは《僧院の速槍》と…対策カードである《外科的摘出》。

ひとまず続くターンで《僧院の速槍》でコンバットし、追加の《舞台照らし》をプレイする。めくれた《砕骨の巨人》を《踏みつけ》としてプレイし、今岡の《ナルコメーバ》を除去。その上で、こう考える。

「コンボデッキであるセファリッド・ブレックファーストがライフレースを仕掛けてくることは通常考えられない。従って、この状況はセファリッド・ブレックファースト側が苦しい状況。相手のコンボルートを絶ち、盤面を制圧できれば、コチラが勝てるに違いない。」

えむたろうは墓地に落ちた《ナルコメーバ》を対象とし、《外科的摘出》をプレイ。今岡のコンボを潰そうとするが、公開された手札を目の前に、えむたろうの顔が大きくゆがむ。

今岡の手札は《沈黙》《通り抜け》《剣を鍬に》《セファリッドの幻術師》。既にコンボパーツは手札にそろっており、続くターンでいつでも動き出せる万全の体勢である。

そう、今岡が序盤に《ナルコメーバ》を並べていたのはえむたろうを攻め立てるわけではない。《セファリッドの幻術師》によりライブラリーを空にしたのち、《戦慄の復活》を唱えるためのフラッシュバックコストを確保するためだったのである。

予想を大きく外したえむたろう。2ゲーム目は今岡に白星を譲る形となった。

今岡1ーえむたろう1

■Game 3

最終ゲーム。今岡は1ゲーム目と同様に土地を展開するだけでゆっくりとした立ち上がり。これを見たえむたろうは、さっそく攻勢に移る。《踏みつけ》を今岡のエンドステップにプレイすると、続くターンで思い切って《砕骨の巨人》を盤面に差し向けていく。

かなり強気な選択だが、一理あるともいえる。なぜなら同様の動きを見せた1ゲーム目では結局コンボは達成されること無く、えむたろうが終始主導権を握ってプレイすることが出来たためである。

しかし、1ゲーム目と同じ展開だからと言って、1ゲーム目と同様の手札を抱えているかというと…そうとは限らない。むしろ、無抵抗を装い、大振りになった相手の隙にカウンターパンチを見舞う戦法だってあり得るはずである。

そして、今岡が3ゲーム目に取った戦法は、まさにその戦法だったのである。

今岡はフルタップとなったえむたろうの土地を見て、静かに微笑むと、手札から一気に《セファリッドの幻術師》《コーの遊牧民》をプレイ。コンボを達成し、一気に勝利の階段を駆け上がっていく。

茫然自失となったえむたろうの手から手札がこぼれる。公開された手札は《稲妻》《剣を鍬に》《紅蓮破》。どれも今岡のコンボを止めることが出来るカードである。

勝者今岡。プレイの読みあいを制し、見事勝利を勝ち取る形となった。

今岡2ーえむたろう1

■デッキリスト

■対戦動画


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