第106回おうちでレガシー　カバレージ　Round3　けんだま（エスパー石鍛冶） VS しみ（アルーレン）

2024年4月27日 19:19

歴史が長いフォーマットであるレガシーでは、往々にして、一つのデッキを掘り下げるタイプのプレイヤーが多い。メタゲームの風向きが変われど、真摯にデッキに向き合い続けるその姿勢に惹かれるプレイヤーも多いのではないだろうか。

今回全勝卓についた「けんだま」「しみ」。彼らはそれぞれ、ひとつのデッキを愛し、磨き上げてきたプレイヤーたちである。

けんだまが愛するデッキは「エスパー石鍛冶」。《石鍛冶の神秘家》を軸としたコントロールデッキであり、青白カラーをベースとしながら、更に黒を足すことで《思考囲い》などの妨害手段が足されている。まさに「理論上、なんにでも対応可能なデッキ」である。

これに対するしみは「アルーレン」に磨きをかけるプレイヤーである。《魔の魅惑》を軸としたコンボデッキであり、3マナ以下のクリーチャーをうまく使用しながら優位に立ち回ることが出来るデッキである。

レガシーの求道者たちの戦い、果たしてどういう展開を見せてくれるのか。その一部始終を見ていこう。

■Round 1

うまくコンボまで持っていきたいしみに対し、けんだまは《思考囲い》で出鼻をくじく。出鼻をくじかれたしみは土地やマナクリーチャーを並べつつ、《ニッサの誓い》で手札を整えていく。

一方、ここでマウントを取っていきたいけんだまは、《石鍛冶の神秘家》を展開。早期にゲームを決めるべく、ライブラリーから《カルドラの完成体》をサーチする。しみの《緑の太陽の頂点》は《意志の力》でしのぎつつ、けんだまは《石鍛冶の神秘家》から《カルドラの完成体》を展開。一気にライフを削りにかかる。

ゲーム序盤からかなり追い込まれるしみ。彼はここで再度《緑の太陽の頂点》をプレイ。ライブラリーから《雑集家、ラグレーラ》をサーチし、細菌トークンを追放する。

が、けんだまはひるむことなく更に《石鍛冶の神秘家》を展開。手札に《謎めいた外套》を加える。アンブロッカブルかつ護法を持つクリーチャー。地味ながらかなりいやらしいカードを前に、しみは顔をしかめる。

しみは《護衛募集員》をプレイ。《正直者のラトスタイン》をサーチし、続くターンでプレイ。ゲーム冒頭で落とされた《護衛募集員》を手札に戻そうとする。

しかし、ここで《石鍛冶の神秘家》から飛び出てきたのは《獅子の諸飾》。そのまま対象となった《護衛募集員》が追放され、しみはこれ以上の身動きが取れなくなる。

しみの展開する《悪魔の職工》は《オークの弓使い》でさばき、盤面の優位を確認したけんだまは再びライフを削りだす。しみが最後のあがきといわんばかりに手札に加えた《空を放浪するもの、ヨーリオン》は《思考囲い》でさばかれる。結局しみはここから有効打が打てず、けんだまに押し切られることとなった。

けんだま１－しみ０

2ゲーム目、しみは《ニッサの誓い》で手札を整え、《潜入者、悟》を展開する。対するけんだまは《石鍛冶の神秘家》を展開。1ゲーム目同様に《カルドラの完成体》をサーチするが、これは《石鍛冶の神秘家》を《剣を鍬に》で処理され、対応される。

しかし、けんだまはひるまず《獅子の諸飾》をプレイ。しみの《魔の魅惑》を《意志の力》でしのぎつつ、更に《謎めいた外套》をプレイ。しみのライフに対し、大きな圧力をかけていく。

しみは《雑集家、ラグレーラ》をプレイし、《獅子の諸飾》を追放していく。ここに対してけんだまは《瞬唱の魔道士》をプレイし、ゲーム序盤に撃った《渦まく知識》をフラッシュバック。手札を整えていく。

《カラカス》で《雑集家、ラグレーラ》を戻そうとしたしみの動きを《剣を鍬に》で咎めつつ、しみの展開する《悪魔の職工》を《虹色の終焉》で処理。

しみもあきらめず、《オークの弓使い》で《瞬唱の魔道士》を処理。更に《辺境地の罠外し》を展開。そのまま《獅子の諸飾》を処理していく。更にしみは《飢餓の潮流、グリスト》も展開し、盤面の優位性を奪おうとする。

永遠に続く盤面のシーソーゲーム。が、けんだまの目がここで怪しく光る。彼はいたずらにゲームを長引かせていたわけではない。明確な目標を持って、しっかりとリソースを確保する動きを取っていたのである。

けんだまは土地を7枚確保すると、一気に7マナを捻出。そして、ゲーム冒頭で手札に加えていた《カルドラの完成体》をプレイ。一気にしみのライフを削り取りにかかる。

しみは頭を抱える。確かに盤面の優位はギリギリ保てているものの、片やアンブロッカブルクリーチャー、片やトランプルを持った5/5と、目の前に並べた小粒なクリーチャーでひっくり返すことが出来るものではないのだ。

それを悟ったか、しみはここで投了。けんだまに右手を差し出した。

けんだま２ーしみ０

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