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第82回おうちでレガシー カバレージ Round1 ガイ(多色コントロール) VS スン(Doomsday)

フィーチャーテーブルに着いた「スン」は頭を抱えていた。

彼が使用するデッキは「Doomsday」。その名の通り、《最後の審判》を軸とし、ライブラリーを5枚まで減らして《タッサの神託者》で勝つコンボデッキである。

こう書くとイージーウィンが可能なデッキに聞こえるが、様々な妨害手段が飛び交うレガシーにおいては、相手の出方を伺いつつ、《最後の審判》を撃つタイミング、そして《最後の審判》で何を積み込むか、常に考えなくてはならないのである。

そして、スンの頭を抱える原因は、その出方を伺うべき相手にあった。

その相手の名は「ガイ」。今まで数多くのデッキを片手に本イベントへ参加したプレイヤーだが、持ち込んだデッキのほぼ全てがオリジナルのもの。何をしてくるかわからないプレイヤーなのだ。

「何をしてくるかが分からない」。最もやりづらい相手を前に、スンはゲームを制することが出来るのか。そしてガイの持ち込んだデッキの全容は。

■Game 1

ガイが《Underground Sea》を置く傍ら、スンは《親身の教示者》で《最後の審判》をサーチ。一気に勝負を決めにかかる。

この動きを見て、ガイは《ロリアンの発見》をサイクリング。《Tundra》をサーチしてそのまま設置していく。

何をされるかわからないスンは、先ほどサーチした《最後の審判》をプレイ。これに対しガイはノーアクション。ひとまずスンはコンボの1段階目はクリアしたことに安堵するが、ここからが一番難しい所。確実に勝利をつかむため、念入りにライブラリーを積み込んでいく。

続くターン。スンは《考慮》をプレイしライブラリーを2枚に。その上で《魂の洞窟》をセット。マーフォークを指定し、打ち消されない状態で《タッサの神託者》を盤面へ。

ガイはこれに対し《力線の束縛》で応戦。ひとまず第一波はしのいでいく。だが、続くターンでスンは2枚目の《タッサの神託者》をプレイ。これにはさすがにガイも打つ手がなかったか、盤面を畳む。

ひとまず1ゲーム目を制したスン。しかし、いまだ頭の中には疑問が渦まく。一体相手のデッキは何なのだろうか。

ガイ0ースン1

■Game 2

続くゲーム。ガイは《平地》を展開。そして今回の彼のデッキのテーマを盤面へ叩きつける。

彼が展開したアーティファクトは《両替機》。捨てたカードを追放し、追放したカードを墓地に戻すことで、宝物の生成や、ならず者トークンを生成し、アドバンテージにつなげるカードである。

今回のガイのテーマはズバリ、「カードを捨てつつ《両替機》で遊ぼう」である。

早期に《両替機》を展開し、《群れの渡り》《ロリアンの発見》といったカードの起動型能力や、《鏡割りの寓話》といったルーティング能力で手札を整えつつ、捨てたカードを《両替機》で再活用する。

更に、捨てた《群れの渡り》や《ロリアンの発見》は《ミジックスの熟達》で再利用。ここまで書くと、もはや「勿体ない」の精神すら感じてくる、徹底したリサイクル精神に基づくデッキと言えよう。

スンは渋い表情をする。というのも、スンの干渉手段は基本的に手札破壊。相手のカードを捨てても《両替機》で再利用されるのがオチである。

果たしてスンは《強迫》をプレイ。公開された手札のうち、《意志の力》を捨てさせるが、これは《両替機》により2/2のならず者トークンへと変換される。

更にガイは《群れの渡り》の能力を起動。手札から捨てつつ、土地をサーチしていく。そして、捨てた《群れの渡り》は《両替機》でトークンに。一気にスンに対する圧力を高めてくる。

が、スンはここから食い下がる。土地を並べ、彼が唱えたカードは《黙示録、シェオルドレッド》。トークンを食い止めつつ、自分のライフを回復し、相手に圧力を強いる強力なクリーチャーである。

ガイは1体目を《力線の束縛》で対処するが、スンは更に2枚目の《黙示録、シェオルドレッド》を展開。着地してしまうと大幅なライフロスにつながる事を予期してか、ガイは対応して《渦まく知識》をプレイしていく。


「2マナ立てた相手に、不用意に《渦まく知識》を撃つな。」

昨今のレガシーにてよく言われる警句である。レガシーを象徴する《渦まく知識》というカードだが、こと最近のレガシーにおいては、これを撃つタイミングは非常に考えなくてはならない。最近のレガシーを遊んだことがあるプレイヤーなら、誰もが理解していることである。

当然、ガイもレガシーを好んでプレイするプレイヤーである。この警句は身に染みて分かっていたはずだし、身を持って体感したこともあるに違いない。

唯一ガイに落ち度があるとすれば、警戒するべきカードがDoomsdayに採用されているわけがないと思い込んでいた、その一言に尽きるだろう。


ガイは2マナ払うと、手札から《オークの弓使い》をプレイ。盤面に出たときと、ガイの《渦まく知識》に呼応する形で、4点分のダメージと4/4の軍団トークンが盤面に生成される。

スンは迷わず4点分のダメージをガイのトークンへ割り振り、盤面の優位性を一気にひっくり返す。

まさかの展開にガイは対応が出来ず、そのまま投了。イベントにサプライズを持ち込むプレイヤーが、逆にサプライズにしてやられる形となった。

ガイ0ースン2

■Game 3

■デッキリスト

■対戦動画


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