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第85回おうちでレガシー カバレージ Round3 ぴかいち(赤単ペインター) VS 黒単ストーム(Sator)

レガシーという環境は、デッキの質が変わりづらい。あたりまえと言えば当たり前で、そもそもレガシーではMTGにおけるほぼ全てのカードが使えるため、その中から高水準のカードを寄せ集めてデッキが構成されることが多く、多くのカードが淘汰されるからである。

が、昨今は様々な強力なカードが投入されるに至り、レガシーのデッキもアップデートが進んでいる。それはそれでいいことなのだが、そこからあぶれたデッキは環境についていけず、消えていくというのもまた、事実である。

レガシーを代表するデッキ、「ストーム」も、その一種である。妨害のされづらさ、そして多角的な戦略が組めることから一定の人気を得たこのデッキだが、今や高速化したレガシー環境ではデッキの力が及ばず、あまりぱっとしない立ち位置に収まっているという印象である。

…が、最近になって、このイメージが払拭されつつある。これを証明するべく、「黒単ストーム」を持ち込んだのが「Sator」。今回全勝へ歩を進めていることから、その力は本物であるに違いない。

このデッキに対するは「ぴかいち」の「赤単ペインター」。こちらは《絵描きの召使い》+《丸砥石》のコンボを内包したアーティファクトデッキであり、ストームと異なり、時代の恩恵を一身に受けるデッキである。

果たして時代の潮流にストームは乗ることが出来るのか。そして、今になってストームが注目されるようになった、その理由とは。

■Game 1

先手を取ったSator。まず《古えの墳墓》と《ライオンの瞳のダイヤモンド》を展開。更に《納墓》を2枚刻印して《金属モックス》を2枚展開すると、そのまま《ライオンの瞳のダイヤモンド》を起動する。

捨てられた手札は《永劫のこだま》。そのまま青3マナで唱え、手札をリフレッシュするSator。そして《金属モックス》から《暗黒の儀式》を唱え、《古えの墳墓》から無色マナを出すと、ストームがこの秋獲得した新兵器を唱える。

その新兵器の名は…《鏡に願いを》。4マナ以下の呪文をライブラリーからサーチでき、かつアーティファクトを生贄に捧げることで、サーチした呪文をノーコストで唱えることが可能なソーサリーである。

Satorはマナを出した《金属モックス》を生贄に捧げ、ライブラリーから4マナ以下の呪文である《ガイアの意志》をサーチ。そのままコストを支払わずプレイする。

一気に墓地というリソースを獲得したSator。手札から《水蓮の花びら》を2枚唱えると、墓地から《金属モックス》を再プレイ。《悲嘆》を刻印し、墓地から《暗黒の儀式》→《鏡に願いを》をプレイする。

次にSatorが探してくるカードは《苦悶の触手》。そのままSatorはぴかいちに対しプレイ。致死量のストームを持った触手がぴかいちのライフを吸いつくす。

1ターンキル。ぴかいちに何もさせることなく、まずSatorが1本目を取っていく。

ぴかいち0ーSator1

■Game 2

続く2ゲーム目、ぴかいちはまず《ゴブリンの技師》を展開。相手のストームを封じるべく《虚空の鏡》を墓地へ送り込む。

対するSatorは《ウルザの物語》を展開しつつ、《水蓮の花びら》《ライオンの瞳のダイヤモンド》《金属モックス》と展開。そのまま《死体発掘》を刻印した《金属モックス》から《暗黒の儀式》をプレイし、まず《オークの弓使い》を盤面に送り込む。

そして余った1マナで《納墓》をプレイ。墓地に埋めるのは《永劫のこだま》。Satorは《ライオンの瞳のダイヤモンド》からマナを供給し、墓地に送った《永劫のこだま》をフラッシュバックコストでプレイ。手札を補充しつつ、ぴかいちの盤面を焼き払いつつダメージを与え、かつ動員トークンを8/8まで太らせていく。

これは流石に勝負ありか。しかし、Satorは手札を再補充したにも関わらず、手が進まない。そのままターンをぴかいちに戻す。ぴかいちはこれを好機と踏んだか、《絵描きの召使い》を展開。青を指定し、あらゆるカードを青に染め上げ、そのままターンをSatorに返す。

Satorは軍団トークンでコンバット。ぴかいちのライフを削る。そしてその上で、《ライオンの瞳のダイヤモンド》を起動し《永劫のこだま》をプレイ。盤面の《オークの弓使い》により一気に勝負を仕掛けようとする。

が、ここでぴかいちは乾坤一擲の《紅蓮破》。Satorの手札を失わせ、かつリソース手段を吹き飛ばすという事に成功する。

そのままの勢いで、ぴかいちは《ブレイヤの見習い》を展開。飛行機械トークンを生成しつつ、更に《墓掘りの檻》も展開し、しっかりSatorのコンボに目を光らせていく。

そして、続けざまに展開したのは《鏡割りの寓話》。これを見たSatorの目が曇る。そう、これが第三章を迎えて《キキジキの鏡像》になったが最後、盤面に残った《ブレイヤの見習い》のコピーが生成され、盤面が完全に制圧されてしまうためである。

果敢に残ったトークンでコンバットしていくSatorだが、この攻撃は全てぴかいちの盤面に生成されたゴブリントークンが吸収する。盤面がひっくり返せないことを悟ったか、Satorは盤面を畳んだ。

ぴかいち1ーSator1

■Game 3

最終ゲーム。Satorはマリガンチェックをするも、ダブルマリガンを強いられる。ストームは普通手札を一気に使うデッキであるため、マリガンはかなり苦戦を強いられることが多いというのが今までの定説である。

しかし、マリガンチェックを終えたSatorは、不敵な笑みを浮かべると、ゲームを開始する。Satorは《水蓮の花びら》を2枚展開。更に《金属モックス》を何も刻印せずに展開すると、そのまま《水蓮の花びら》から《暗黒の儀式》を展開。

そして残った最後の手札、《鏡に願いを》を展開。《金属モックス》を生贄に、サーチした《ガイアの意志》をプレイしていく。墓地から《水蓮の花びら》2枚と《金属モックス》を展開し、《水蓮の花びら》から《暗黒の儀式》を唱えると、再度《鏡に願いを》をプレイする。

サーチしたのは《苦悶の触手》。そのままプレイし、ストーム9。丁度20点分のライフを吸い取り試合終了。

「ダブルマリガンしても1ターンで勝負がつく。」次世代のストームの可能性を見せつけ、Satorが全勝に輝いた。

ぴかいち1ーSator2

■デッキリスト

■対戦動画


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