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【詩】ラブ・マイナス・23

空は重黒く垂れ下がっていた。
風は艶めかしく吹いていた。
雨は後ろめたく降っていた。
街は空鉄砲に撃たれていた。
若者は自由に明け暮れていた。
大人は孤独を売り物にしていた。
年寄りは赤信号で疾走していた。
旅人は山頂の先を見つめていた。
会社員は職安に群がっていた。
組合員は職場を放棄していた。
大学はアルバイトで溢れていた。
予備校は遅刻者で溢れていた。
ネズミ花火が宇宙を占めていた。
線香花火は四次元を探していた。
チンチン電車は遮断機を下ろしていた。
ぼくはキャンディーズを聴いていた。

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