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早帰り

昨夜は仕事を三十分早く終え、
急いで家に帰ってきたのだが、
野暮用で時間を費やしてしまい、
結局風呂に入る時間はいつもと同じで、
まったく新鮮味のない夜を送った。

しかし考えてみれば、
たかだか三十分早く帰ったくらいで、
どんなすばらしい世界が待っているというのだ。
所詮はいつもの生活の上に、
ちょっと時間が乗っかっただけの話で、
別にその時間に特別な楽しみが
用意されているわけではないのだ。

昨夜みたいに、
時間にふられて損した気分になるくらいなら、
ありもしない「特別な時間」なんか期待せずに、
その生活の中に楽しみを見いだすほうが、
よっぽどいい。

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