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【第10回】数詞【クリミア・タタール語】

※表記上の注意
母音調和による音の交替は大文字を用いて表します。
U=i / ı / ü / u、I=i / ı

数詞はクリミア・タタール語でsayıと言います。物事の数量を表す基数詞はmiktar sayısı、物事の順番を表す助数詞はsıra sayısıと言います。

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0はアラビア語の借用語です。1~10、20~50、100、1000はオリジナルの形です。60、70は元は6と7であっただろう形(altı→alt, yedi→yet)に接尾辞がついています。8と9はsekizとdokuzにon(10)がついて(音は変わっていますが)sekiz on→seksen、doquz on→doqsanとなっています。100万と10億は印欧語(スラブ語?)からの借用でしょう。

【会話表現】
Çare yoq.「どうしようもない。」
Alla ramet eylesin.「お悔やみ申し上げます。」(亡くなったとき)
Emir alla, başıñız sağ olsun. 「お悔やみ申し上げます。」(亡くなった後)
İnşallah, er şey yahşı olur.「きっと、すべて上手くいく。」


【学習の感想】
数詞はトルコ語に近いようです。ノガイ語ではbir, eki, üş, dört, bes, altı, eti, segiz, togız, on…(トルコ語のアルファベットによる転写)となります。üş(3)でşが出てきたり、bes(5)でsが出てくるところ、togız(9)でtが出てくるところがオグズ語群とは違うという感じです。ゼロはクリミア・タタール語ではアラビア語起源のsıfır系か印欧語のnul系が予想されますが、アラビア語起源の数字を用いているところをみると、ゼロの概念を取り入れたときにはクリミア・タタール人はアラブ文化圏にいたのかなどと想像させます。もちろん後から借用して変わっている可能性も高いですが。