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アメリカでの黒人差別、日本人も話すべきこと。


日本に住むアジア人がなぜ、別の国で起きている人種差別に声を上げるべきか、そしてなぜこれからも話していくことが大切か。個人的な意見を述べていきます。

アメリカでは #BlackLivesMatter というハッシュタグと共に、今までの黒人差別や警察などから受けている不平等な扱いに終止符を打つため、各地でデモ、SNS上では声を上げる動きが出ています。

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その中で、「アジア人だから他の人種の見方をするのはちょっと。。失礼に当たらないか心配」「アメリカで起こってることでしょ?あんまり関係ないよね」「しょうがなかったんじゃない?今それどころじゃないよコロナで」と思う方も少なくはないのでしょうか。

ですが、3つ、考えて欲しいことがあります。

1つ目。アジア人として生まれた以上、他の人種の立場に立つことは、絶対に、できません。私には、他の人種が受けている差別を、彼らの目線で代弁することはできないし、してはいけないことだと思っています。しかし、人間としての基本的人権は、アジア人にも、黒人にも、何人にもあるべきなのです。そして、わたしは人間です。

ジョギングに行くだけで強盗と間違えられ、撃たれ、殺される。家にいるだけで、殺される。「あたりまえ」であるはずの権利に、怯えながら生きる、又は“不運な時に不運な場所”に居合わせてしまって命を落とさないよう、トレーニングをしている家庭もあります。

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自分のコミュニティ内では差別が見えないかもしれません。でも、声にして戦わないと、差別している側に加勢してしまうことになるのです。見逃し、許すと何もよくならない。「私は差別には反対だ」としっかり声を上げる事は、ずっと大事です。

また、コロナウイルスパンデミックの初期には、海外に住まれる方は少なからずアジア人への周囲の目、攻撃に恐怖を覚えたのではないでしょうか。その時に、「アジア人なだけで理不尽な」と思ったのであれば、「黒人なだけで理不尽な」と思わない理由はなんでしょうか。

今回の件でも、実際に殺されたGeorge Floydの首に乗っかっていた警察官以外に、周りでそれを見て止めなかった警察官3人がいました。その中の一人はアジア人です。彼の行動が、アジア人コミュニティにおいても許される事ではないことを、私たちアジア人が証明していく必要があると思っています。

2: アメリカで起こっている事なので関係ない、なんてことはないはずです。日本の中にも黒人に限らず人種差別や性差別はありふれているのではないでしょうか。見えてないだけじゃないでしょうか。見たくないと思ってるだけじゃないでしょうか。アジア人でもNワードを使う人を見かけたことがあります。

「そういう話はちょっと。。」は言い訳ではないでしょうか?そういう話をして自分が差別者であることがバレるのが怖い、もしくは、めんどくさい事に巻き込まれたくない、と思ってないでしょうか。でも声にしないと伝わらないし聞いてもらえないんです。「目を背けたくなること」を最も話すべきは今です。じゃないと私たちは良くも悪くも変われないと思います。

3つ目、しょうがないで片付けられるには、跡がつかない数のアフリカ系アメリカ人が、無実のまま殺され、その警察官は罪に問われないまま、職を続けています。コロナの問題の方が大変とか、差別の問題の方が大変とかいう話ではなく、どちらも、そしてその他の問題も1つづつ戦っていくべきだと思います。

また、アメリカ国内では、「労働者階級」と呼ばれる、比較的貧しい家庭が集まる層があります。この大半が、アフリカ系アメリカ人や、メキシコ人など、「有色人種」と呼ばれる人たちですが

彼らのコロナウイルス死者数は、白人層に比べて遥かに上回っており、警察官からだけでなくあらゆるところから社会的打撃を受け続けてきました。

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もちろん、警察官全員が、人種差別をしているわけではありません。ただ、過去に何度も『白人警察官が無罪(もしくは死刑に値しない罪に問われる)の黒人を殺す』事件が起こり、その白人警察は罪に問われないまま、というシステムがある。それに立ち向かわずに、同じ職に就く人の問題を、自分の問題ではないと背を向けるのは、その不平等なシステムを続ける力に加勢しています。外側からも、内側からも、「違うものには違う」と言えないと、状況は変わらないままじゃないでしょうか。

最後に、日本は平和で差別なんてないと思っている方へ。本当にそうでしょうか。胸張って外国人や異性の方にそう言えるでしょうか。日本は素晴らしいところもいっぱいありますが、まだ98%が「日本人」の国です。まだ「多様性」が一部でしか深く浸透していない国です。

私も海外で暮らし始めて気づかされることがたくさんありました。まだまだ学ばないといけないことたくさんあります。聞くこと全てが正しいとは思っちゃいけないし、かと言って全てを疑ってかかるのも疲れるものです。

でも、差別が勝つ世界に住むのは嫌です。だから戦います。アジア人でも、正しいと思う人権は声を上げて守りたいと思っています。みなさんも、他人事だと思わずに考えていってもらえればなと思います。

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