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キラキラの粒子が語りかけてきたこと

小雨が降り出すお天気の中
低山ハイキングへ。

本当は晴れの日がいいのだろうけど。
そんな時もあるのだ。

ハイキングを始めるときは
いつもちょっぴり緊張する。

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でも、その緊張感と
新しい景色を長めながら歩くのが
楽しい…。わくわくってこういう感じだ。

目的地までの道のりは
なかなかハードで
わーい☆ここ写真を撮りたいなあー!と思いつつ
いやいや
ただでさえペースが遅いからね、
午後はもっと天気が崩れそうだし急がねば!と
どんどん登る。

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やっと平地に出たところで
濡れて滑りやすい木道を歩いていった先に
ひっそりと現れた湖畔は
そこだけほんのり暖かく

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紅葉の赤や黄色に
緑やいろんな色がまじった木々に囲まれた
ほんの一瞬だけど貸し切りの、秘密の場所だった。
(シーズンでお天気の日には結構撮影家で混み合うらしいですけれど)

風が吹くと湖上を霧がふわーっと神秘的に流れ

今にも女神が現れて
「金のパンツ、銀のパンツ,どちらがいいかお選びなさい」といいそうな雰囲気。

そのセイクレットな感じに
思わず
湖の精霊さまに
「モンベルの冬用のパンツが欲しいです」とお願いする筈が

「コロナで恐れをまとった地上のみんなを癒やしてください」と
一瞬お祈りしてしまい

冬用のパンツは宙ぶらりんになってしまったのだった…。


その夜、

夜中の2時過ぎに目がさめてしまったわたしは
スマホをいじったらまた目が冴えてしまう…と
ただ何もせず
ぼうっとその日見た山の中の景色をひとつひとつ思い出していた。

大きな岩を伸びて包み込むダケカンバの根っこ
虫食いの穴がたくさんある赤く紅葉した大きな葉っぱから透けて見える
向こうにある緑の景色
ぐるぐるねじ曲がりながら空に伸びていく木肌についた綺麗な雫
雨に濡れて光る白いきのこ
妖精が住んでるようなかわいい穴
前を行く同行者の背中をふんわり横切る小さな小さなカゲロウ
そして
足元に敷き詰められた落ち葉におちる雨音の響き。

そうするうちに
半分起きてるような寝ているような氣持ちの中で
まあるい水色か銀色に光る
やわらかそうなつぶつぶの群れが
形を流れるように変えながら光り始めたのだ。

それをみつめているのは
なんだかとっても幸せで楽しくて懐かしくて…
ずっとそうしていたい幸せな氣持ちで胸の中がいっぱいになった。

そのつぶつぶたちが

言葉ではないのではっきりと説明できないのだけれど

みんなもともとは
こんな小さな光る粒子でね

どの体をえらぶのか
どの時代をえらぶのかさえも
自由なんだよと

そんな意味の事を
楽しそうに伝えてくるのだ。

時間も空間も
みなあなたの
自由。

「へえ-,あんな母親を選び、
たいして美人でもないこの顔で生まれてくるなんて
わたしも物好きだな」
そうぼんやり思うとなんだか可笑しくて
そのまま
楽しい、やわらかな感じに浸っていた。

しばらくすると
つぶつぶはいなくなって

目をつぶって横になっていると
外の木の葉にあたる雨の音が
心地良く心地良く体の周りを包む時間が過ぎていった。

雨音ってこんなに氣持ちがよかったんだっけ…。

+++

ようやく眠れたと思った明け方
今度は
相方のたてる
馬のいななきのようないびきの音で起こされた。
いったいどういう呼吸をすればそういうサウンドになるのだろうか?
このひと
来世はその自由さをもって
馬星人にでもなるのだろうか。

つづく。

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