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リフトアップ美容液「V フレーム セラム」リリースまでの1年4ヶ月(その3)

ーー     最終回となる今回は、プロジェクトを終えた皆さんの感想を聞かせてください。

新名 第1回でもお話ししましたが、弊社では1年以上にわたるロングスパンのプロジェクトはあまり前例がありませんでした。なかでも今回のEmirise様のプロジェクトはブランディングからのスタートで、弊社としてもチャレンジングな部分もありましたが、振り返ると「お客様の気持ちになって考える」ということを常に最優先していたように思います。

ーーもともとマスクマンは制作会社としてスタートしていますから、具体的な制作物のデザインが専門分野ですよね。でも今回はブランディングからの案件ということで、いろんなトライアルがあったことは前の2回のお話でよく伝わりました。

新名 そうですね。自分たちにとってもいろいろ勉強をさせていただく機会になりました。
最終的にはお客様にも喜んでいただけて光栄です。このお仕事で得た知見を、今後の仕事にも活かしていきたいと思います。

菊池 おっしゃる通り私たちは制作会社なので、これまでは「こういうものをデザインしてください」という具体的なオーダーを受けて制作をするケースが多かったのですが、最近は企画段階から参加させていただくプロジェクトが徐々に増えています。
今回は初めて企業様のブランディングから関わらせていただき、それをやり遂げたことで大きな自信を持つことができました。
また、ひとつのプロジェクトに対して、少人数のチームで深く関わらせていただく今回のようなプロジェクトは、いろいろな分野で経験を積んだスタッフが集まるマスクマンの強みを活かせる機会になると感じました。

森岡 スタートアップ企業様が新商品を発売する場合、ブランディングに潤沢な予算と時間をかけることは困難なケースが多いかと思います。
また、これは美容系の商品でよくあることですが、必ずしもきちんとブランディングされた商品がヒットするわけではないという現実もあります。
既製品のコンセプトとよく似た商品でも、著名なインフルエンサーがSNSで推薦していて、既製品よりも安価であればヒットすることも少なくない。
そういったなかでEmirise様が長期的な視点を持ってブランディングに取り組んでくださったことは、私たちとしてもありがたかったですね。

左から森岡、新名、菊池

ーー先ほど菊池さんから「マスクマンの強み」というお話がありましたが、マスクマンは「3つの強み」として「培われた信頼と実績」「徹底したリサーチ力」「ざっくりのご依頼でもOK」を掲げていますね。Emirise様のプロジェクトもこの3つの強みを活かして取り組まれたのでしょうか。

森岡 そうですね。「ざっくりのご依頼」と聞くと、語感的に「ゴールが曖昧なご依頼」と解釈されてしまうかもしれませんが、Emirise様の場合はお客様自身が明確な美意識や価値観、判断基準をお持ちで、何より「V フレーム セラム」という商品をどういう人に届けるべきかをはっきり見据えていらっしゃいました。ですから、ゴールが曖昧なご依頼に対して試行錯誤を繰り返したという感じではなかったです。
お客様の想いをつぶさにヒアリングして、具体的なカタチに落とし込むお手伝いをさせていただいた、と言うのが正確だと思います。
プロジェクトの最初から最後まで、とても丁寧に弊社の提案と向き合っていただきました。

ーーこのプロジェクトでは、ブランドネームの考案からWebサイトの実装まで、すべての工程においてたくさんの提案をされていますね。

菊池 ひと言でデザインと言っても中身はさまざまで、グラフィックデザイナー、Webデザイナー、プロダクトデザイナーなどのカテゴリーに分かれています。弊社でもそういうチーム体制を組むことは可能ですが、Emirise様のプロジェクトでは対象となる商品に対して共感の持てる少人数のチーム体制にしたことが結果的に良かったと思います。
森岡がお客様にヒアリングして策定したブランド方針と開発方針をひとつの軸として、それに対して私や新名が肉づけをするという体制を最初から最後まで徹底することができました。

新名 さっき森岡がお話ししたように、Emirise様は「V フレーム セラム」という商品をどういう人に届けるべきかを明確に意識されていました。
美容液としての品質に対するこだわりがとても強く、私たちも何度か試しに使用させていただきました。その一方で、具体的なクリエイティブや制作 についてはこちらにお任せいただけるところが多くて、複数のデザイン案からお客様がどの案を選ぶかで方向性を絞っていきました。
正直なところ、ボツ案の数もとても多いです(笑)。でも、今回のプロジェクトではお客様の好みを知る過程が必要だったんですね。

森岡 もちろん、パートナーさんとの連携の強さも成果物に大きく影響していると思います。
たとえばボトルキャップのブロンズ色は、ボトルメーカーさんからもご提案をいただきました。私たちが「こんな感じで」とお願いしたモックに対して、ご担当の方が「ご要望のモックができあがったのですが、想定されていた色味とイメージが違うかもしれません。それだったらこっちの方が良くないですか?」と代案を出してくださったんです。
ただ依頼どおりのものを用意するだけでなく、ブランドのコンセプトや世界観を理解してくださっているからこそのご提案に熱量が感じられて、とても嬉しかったです。
最終的に、メーカーさんにご提案いただいた色味が採用されましたし、そういった連携を密にとることができたのも、このプロジェクトがうまくいった要因だと思っています。

完成した実際の製品

ーー今後も「マスクマンらしさ」を活かしながら、ブランディング開発などにも積極的に関わっていくということですね。では最後に、プロジェクトを終えてのご感想をひと言ずつお願いします。

森岡 たぶん、「センスがいいビジュアル」をつくるだけなら、優れたデザインプロダクションはたくさんあると思います。
ただ、今回のEmirise様のように「ECサイトで、何日のうちに何千個売る」といった商業的な命題がある場合、デジタルデバイスでの見映えやクリエイティブの先鋭性ばかりを追求してもその命題に応えることはできません。誰が手に取る商品なのか、どんなふうに使われる商品なのかをお客様と同じレベルで理解する必要があります。
今回は、それがしっかり実践できたかなと思っています。このような機会をいただき、Emirise様にはとても感謝しています。

菊池      ブランディングから関わらせていただく案件の場合、時間はいくらあっても足りないものだと感じました。
初めての経験だったこともあり、「こういうご提案もできたんじゃないか」「こういう方向性もアリだったんじゃないか」と思うこともあります。でも、限られた期間のなかで最善は尽くせたのではないかと。
お客様によっては、まったくゴールの見えない状態でご相談いただくパターンも今後あると思います。どんなご相談にも柔軟にお応えし、お客様の想いを言語化、視覚化できるよう、私たちも勉強していきたいです。

新名 今回のプロジェクトに関わることができて良かったなと思うのは、『EMIRISE』というブランドネームに込められた前向きな気持ちを、お客様と私たち全員で終始共有することができたことです。
お客様がたびたび弊社のオフィスに足を運んでくださったので、ボトルのモックや外箱のサンプルを見ながらしっかり意見交換ができた。ときには雑談や育児の話で盛り上がることもあり、それがお客様の美意識や価値観を共有する機会にもなりました。
今後も自分たちにできることの幅を広げて、「マスクマンの強み」を多くのお客様に実感していただけるような仕事をしていきたいと思います。

MASKMAN inc. は、本質を突き詰め、課題に徹底的に向き合い解決するデジタルクリエイティブプロダクションです。クライアントもユーザーも、そしてクリエイターも、関わるすべての人がハッピーになれるような「心が動く、デジタルクリエイティブ」を制作しています。

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