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甲骨文字を掘る!

23年11月、数年ぶりに東京外国語大学の学祭にお邪魔してきました。
模擬店の料理やビールにももちろん興味津々なのですが、今回の目玉は甲骨文字を彫る体験、です。

「解読! アジアの古代文字(2023)」

11月6日から、外語祭最終日の26日までAA研で開催されていた展示です。
この展示はリベンジ的意味合いがありまして、コロナ禍のために規模を縮小して開催せざるを得なかった2021年の展示会を、2年越しで当初の構想通りに実施できた、とのことです。

お馴染みのエジプトの文字のほか、彜文字、ピュー文字、西夏文字etc.の資料が展示されていました。パンフをもらってきたので、後日ゆっくり解説が読めます(無料の展示会のときって、残念ながらパンフレットが用意されていなくて、自らの短期記憶を頼りにするしかないこと、ありますよね)。

「甲骨文字を掘ってみよう!」

その会期中の23日(祝)に催されたイベントです。甲骨文字を彫るなんて、ワクワクしませんか?

講師は、西夏語・西夏文字で有名なあの荒川慎太郎先生です。
参加者は目測ですが20人ほどでしょうか。お子さんの姿も見受けられました。
配布されたレジュメに手順と注意事項があり、荒川先生から口頭での注意、実演があってから挑戦となりました。

文字を刻むのは、牛の肩の骨です。画像検索していただきたいんですけども、概略二等辺三角形をした、長い辺が30センチ、といったところでしょうか。目測なのであれですが、それくらいの大きさのインパクトだった、ということです。

ここにまず、見本から選んだ、掘りたい文字の下書きをします。鉛筆です。
斜めの線がある文字は難しいよ、とのことなので、なるべく縦横の線だけでできた文字を選びたい。私は雨という字を選びました。

そしてそこに、カッター、デザインナイフ、歯科用探針(?)でガイドラインとなる線を入れていきます。

次に、このガイドラインを彫刻ノミやスパッチュラ(?)で深く、太くしていきます。骨の表面が油分を含んでいるためにツルツルしていて、滑らないよう注意が必要です。

刻んだ線に、極細のマジックで色をつけていきます。
教科書なんかで見る甲骨文字の写真が、かなりはっきりと見えるのは、考えてみれば当然なんですが、あれは顔料が入っているためで、刻みだけではないのですね。

最後に、ヤスリで鉛筆の線やはみ出したインクを削り取ります。

完成!

上側が先生のお手本。下側が参加者の刻んだ文字。
「雨」

事前に、骨は硬いので大人でも1文字を彫るのに時間がかかると聞いていたため、なんとなく彫刻刀を使って掘るイメージを持っていました。先生方が用意していた見本は、一画がかなり太めに刻んであったため、かなり時間がかかったものと思います。

おしまい。


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