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アイドルの「死」

こんにちは、ましろです。
アイドルを卒業してからおよそ1年経ちました。
以前のnoteでアイドルでない自分は死んでいるよなもの、と表現した記憶がありますが、まさに死に近い1年間でした。大学に通い、実験実習研究に追われ、オーディションを受け続ける日々でした。自分が何者でもない、何者とも認められない苦しさに追い詰められ、どうにかなりそうでした。またステージに立ちたい。お客さんに会いたい。そう強く思っていたものの、それが叶わないもどかしい気持ちでいっぱいでした。

今まで何個オーディションを受けたんだろう。数え切れないほどオーディションを受けました。大手から小規模まで、自分の目に留まったオーディションには片っ端から応募していました。「現役東大生、前世あり」の経歴は書類上はかなり有利だったらしく、書類審査はほぼ通過し、対面の審査に進むことができました。毎回聞かれる「なぜうちを選んだんですか?」という質問。なぜ、もなにも、そのグループで活動できれば今まで見てきたよりもっと素敵な景色が見れると思ったから、何より、アイドルになりたいから。そう答えるほかありません。「東大生なのにアイドルなんてしていいの?」「東大生ってアイドルとしてはマイナスイメージなんだよね」「その歳だとあと○年しか活動できないよね」といったことを言われた時は、心にチクッと刺さるものがあった。努力して東大に入ったこと、色んな経験をして歳をとったことが悪いこととして評価されていると感じ悲しかったです。オーディションをたくさん受けた分、たくさん落ちました。理由は聞かせてくれない、不合格の連絡もないようなところがほとんどです。その度にあぁ、私にはアイドルの適性がないんだ、と落ち込んでいました。合格をいただいたところも複数ありましたが、人を人として扱わない運営さんの態度や向上心が見られないメンバー、不当な契約書などを見て、全て辞退してしまいました。

地下アイドルはまともなところを探す方が難しい、と聞いたことがありますが、あながち間違いではない気がします。アイドルを駒のように思っている人が多かった印象です。仕事としてのアイドル活動を求める割に、生活の保証はなにひとつありません。仕方のない事ですが、本気でアイドル活動をしたい人がたくさんいる中で、その気持ちを逆手にとって好き勝手操ってお金を稼ぐというのは健康的な体制とは言えないと思います。(もちろんまともなところもたくさんありますが。)

そんな中、ここでなら頑張れそうだ、と思った事務所さん/グループがありました。アイドルプロデュースでもしっかりと実績があり、メディア露出にも強みがある。企画書をもらい、デビュー日も決まり、メンバーも決まり、デモ曲を聴かせてもらっていました。高い目標を掲げ、新しくアイドルが始められることに期待しかありませんでした。しかし、皆さんご存知かもしれませんが、このプロジェクトは突然白紙になりました。担当者の方と連絡をとっていたのですが、最近連絡がないな、何か問題があったのかな、と心配になり連絡したところ、プロジェクトは全て白紙だと告げられました。事務所所属に関しても白紙だと言われました。

私は企業からの内定を辞退してアイドルをするつもりでした。そのことをSNSに書くと、たちまち拡散され、ネットニュースにもなりました。拡散されるにつれ、私自身を誹謗中傷するようなコメントも目に入るようになりました。「東大新卒カードを捨てて地下アイドルなんて、こいつバカすぎるだろ」「リスクも想定できずに判断するなんて軽率、自分で決めたくせに泣き言いうな」どれも当時の私には突き刺さりました。そんなにアイドルになることは愚かなことなのでしょうか。アイドルになるために人生を捧げようと思うことはバカなのでしょうか。その想いがが無下にされたことを悲しいと思うのはそんなに悪いことですか?今ならいくらでも反論できそうです。

そんなことがありつつ迎えた春。私はまだ「死」の状態です。毎日漠然とした不安に襲われています。でもアイドルへの希望は捨てられないのです。他のアイドルさんを見ると、「私ならもっとこうするのに」「この曲で歌って踊れるなんて幸せそうだな」と憧れと共に嫉妬の感情も抱くようになりました。大好きなアイドルを、見ることが辛いのです。なんで私はこの場所にいないんだろう、という思いでいっぱいになります。人生何を間違えたんだろう。やりたいと思うことがあるのに、なぜこんなに苦しいんだろう。今でも苦しい日々です。

長々書き連ねましたが、私はどれだけ他人に否定されようと自分の生き方を変える気がありません。「死」を「生」に変えることは思ったより難しいですが、人より深い闇を見た分、強い光を発せるようになったと信じています。だからこそ、ステージで輝きたいです。私は諦めません。きっと応援してくださる皆さんにいい報告をします。自分が選んだ道を正解にする人生にします。

最後まで読んでいただいてありがとございます。
一回どん底まで落ちた私は最強です。最強のアイドルに、きっとなってみせます。待っててね。

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