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何故かサポーターが追い込まれる夫のダイエット

夫のダイエットは停滞しているので、少し時を戻してダイエットアプリを使い始めた頃の話をする。

夫がスマホに入れたのは、かの有名な『あすけん』というアプリだ。
私は使ったことがないのだが、健康管理といえばコレ!というぐらい評価が高いらしい。

別の記事で書いたが、家事も運動に含まれるため夫は積極的に家事をしてくれるし、晩に作る予定の献立を入力して、摂取カロリーを超えていれば副菜などを調整できるので、妻としてはなかなか助かっていた。

しかし、のめり込むと細かいところまで突き詰めたくなってしまう私の性分が災いする。

食べたものの入力は、一般的な家庭で作る一皿の他、主要なコンビニで売られているもの、スーパーで売られている冷凍食品などを選択できる上、自分で材料の分量をカスタマイズできる機能も備わっている。
せっかくなので正確にと思い、私は何かを作る時に材料を全て量るようになった。
朝のトーストは、まず食パンを量り、マーガリンを塗った後の食パンを量り、マーガリンの量を算出。
我が家の定番であるバナナヨーグルトも、器をキッチンスケールに乗せてバナナ・ヨーグルト・蜂蜜を入れながら増えた重さを全てメモしていくのだ。

仕事でなくこんなことをやっている自分に、我ながら狂気を感じる。

夫は私の書いたメモを見ながら入力していく。

ある日、アプリの画面を見せてもらった。
食事毎に摂取したものの栄養素が棒グラフで表示されており、脂質と塩分がいつも過剰だと夫は言った。
私はビタミンAが不足気味なのに気づき、それから毎食この画面を見せてもらうように。

野菜を増やしてもビタミンAは不足。
なんだろう?βカロテンが豊富な野菜を取り入れればいいのかな?
考えて考えて、ビタミンAが摂れる食品を調べたり、食品の栄養素がわかるアプリを探しては「使いにくい」とアンインストール、そんなことを毎日やっていた。

食事の用意をしながら量をはかり、栄養バランスに頭を悩ませる。
きちんとやろうとすると、素人には難しいものである。
ダイエットにおける『専門家の指導』の重要性を思い知った。

当の夫本人は私の苦労など知ったこっちゃない。
「バランスは別にいいよ。摂取カロリーさえ限度を超えなければOK」
などと言うのだ。

負けず嫌いな私は、脂質と塩分を上昇させているウィンナーを買うのをやめて、ニンジンやブロッコリーを多用した。

数週間後、いつものように夫にグラム数を書いたメモを渡すと、
「もう細かくカスタマイズできる機能は使えない。アレは本来有料サービス内の機能で、最初だけお試しで使えてた」
と言われた。
私は目が点。
夫は有料サービスに移行する気はないようで、私の勝手な戦いは突然終わりを迎えたのだった。

栄養素のグラフは食事毎ではなく、一日分まとめての表示となった。
一旦はそれでもいいかなと思ったが、私は見るのをやめた。
我に返ってみると、私が奮闘していた分がそのまま減量に繋がったかといえば、そうではなかったのだ。
無意味とまではいかなくとも、ひとり相撲であったことは確かだ。

夫自身は栄養素などほとんど気にしていなかったし、「今日の摂取カロリーは範囲内だった」というのが全て。
今日はよく動いたから少しオーバーしても大丈夫。
お昼ご飯がカロリー低めだった分デザートが食べられる。
そういうシンプルな計算でないと長続きしない。

我が家には0歳児がいるので、離乳食が本格的に始まっていたらそれこそ頭がパンクしていたに違いない。
夫のダイエットは大事。だけど、息子や娘を置き去りにしてはいけないのだ。

こうして食事作りは元に戻り、我が家の食卓にウィンナーが戻ってきた。
加工肉って便利。


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