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手、脚のしびれを感じたら

急性散在性脳脊髄炎(ADEM)

私は 2019/03/26 に"急性散在性脳脊髄炎(ADEM)" と診断され、即時入院しました。

この病気は、脳脊髄炎 と呼ばれる脳および脊髄内の中枢神経に炎症を引き起こす自己免疫疾患です。10万人に 2 から 3 人程度の発症率といわれる極めて珍しい病気なのですが、急性と名のつく通り、急速に病気が進行します。対処が遅いと、呼吸器を支配する神経にまで進行し、死亡する例もあるようです。そのため、医師に診断してもらうまでのスピードをできるだけはやくすることが重要なのです。

同じような症状を感じた方の目に止まり、神経系の病気の可能性も考えたうえで病院を受診してもらえたらと思い、私が入院するまでの経緯を、可能な限り詳細に記録します。

診断までの経緯

2019/03/21

前日はお酒を飲みに食事に出掛けていましたが、少し手の指先が痺れている、薄皮がはったような気がする。という認識はありました。ただ特に注意することなく、過ごしていましたが、午前中から38度程度の熱が出て、頭が重く、若干の頭痛がしました。なのでできるだけ栄養のあるものを食べて、休んでいました。夜、若干の歩きづらさを感じました。

2019/03/22

前日からの症状が続いていたため、まずは内科にかかりました。熱があり、痺れの症状があり、少し歩きづらいと伝えると、ビタミンB12(末梢神経系の回復を助けるビタミン)を処方してもらいました。しかしながら詳細はわからないので、整形外科の受診を勧められました。

2019/03/23

手の指先および手のひらの痺れが若干強くなり、歩行にあるきづらい以上の、ぎこちなさ(力が入らない、関節がカクカクする)を感じるようになりましたが、休んで過ごしていました。

2019/03/24

整形外科にかかりました。レントゲンによる診断ではわからないため、大きな病院でMRIを予約しましょうということになり、1週間後に予約が入りました。しかしその夜、歩行の違和感、股関節周りの筋肉にさらに力が入りづらくなっており、1週間待つことに危険性を感じたため、予約をキャンセルし、近所でMRIが即日撮影できるクリニックを探し、翌日行くことにしました。

2019/03/25

MRIが撮影できる神経外科のクリニックに受診し、撮影しました。このときは頚椎および脳のみの撮影で、単なるMRI(造影剤などを投与しないMRI)では不審な点が無く、血液検査をするため採血しました。このとき 1 週間後にまた受診するように言われました。

2019/03/26

この日、明らかに歩行が困難になっていくのがわかり、危険を感じ昨日受診した神経外科のクリニックに電話しました。すると、血液検査の結果は出ているのすぐに来てくださいということになりました。この日、尿が出にくいという症状が発生していることにも気づきました。クリニックにつくと、先生がギランバレー症候群の疑いがあるので、すぐに大きな病院に紹介状を書いてくださり、即時入院になると思うという話を聞きました。この時点で、歩行がかなり困難になっており、立っているだけで脚がガクガク震えるという状態でした。

この後、大きな病院にタクシーで向かい、この時点では受付までなんとか自力で歩行ができ、すぐに診察を受け、最初はギランバレーの疑いという状態で入院し、翌日からいくつかの点滴治療を開始する旨を告げられました。また入院と同時に MRI、血液検査、神経伝達 の検査を受けました。

また、この日の夜、自力のは排尿が困難になり、カテーテルを通しての排尿に切り替わりました。

2019/03/27

この日、"ステロイド剤の大量パルス療法"と"免疫グロブリン療法"が開始されました。前者は数日間にわたって、ステロイドを毎日大量に投与する方法、後者は健康な人から作られた血液製剤である免疫グロブリンを大量に投与する方法で、ともに点滴治療です。


この日、左脚が完全に麻痺し、運動機能がなくなったことがわかりました。指先をピクリとも動かせないことに驚きを感じました。右脚はまだ動かせましたが、車いすに乗っての移動になりました。私の場合、両手、首、目には症状が少なかったため、上半身については動かすことに大きな障害は発生しませんでした。ここから約1週間にわたって、上記の治療を受けました。

また、先日の検査の結果、診断が"急性散在性脳脊髄炎" に変更になり、中枢神経系の病気であることの説明を受けました。また、中枢神経は回復に時間がかかることも知られているため最悪のケース(すなわち回復しない)についての説明も受けました。また、今回の治療により効果がでなかった場合には、透析に似た方法で血液中の免疫機能をフィルタリングする療法に切り替える可能性も言及されましたが、リスクも伴うためまずはステロイドと免疫グロブリンによる方法だ第一選択との判断でした。

ここまでが、私が症状を感じ始めてから、診断にいたるまでの経緯です。インターネットでは、いくつかの同じ病気の方が情報を発信していますが、私が残したいのは、診断までのスピードをあげるため、可能な限り早めに神経系(神経内科もしくは神経外科)の病院にいくことです。以下のような症状であった場合、すぐに受診したほうが良いと考えています。

神経内科もしくは神経外科を受診したほうが良い症状

手もしくは脚に痺れを感じ、その後歩行や排尿に違和感が現れた場合

急性の神経の病気は、特に中枢神経について、処置がはやければはやいほど、後遺症などを減らすことにつながると言います。

もし、記事を読み、"あれ?もしかしたら" と思う人がいれば、すぐに神経内科もしくは神経外科を受診してください。専門の先生でないと診断が難しい病気であるため、いくつもの病院を回ってしまった結果遅れてしまったというケースがあるらしいのですが、そんなケースが出来るだけ少なくなることを祈ります。

治療後の経緯についてはまた別のノートにしたいと考えています。


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