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就農して5年が終わりました。

新規就農して5年。

はじめに考えてた通りにできたこともあれば、できていないこともあるけど、独立してから今日までとても充実した毎日に変わったなと思います。独立してよかったと断言できます。今日は雨なので今の心境を書き記そうと思います。

自分の「農場をこうしたい!」というイメージを徐々に形にすること。工夫し、栽培技術を磨いて、お金を工面し、時には後退もしながら、でも徐々に形に近づいていく行為はとてつもなく面白く、充実感を得ることができています。これはサラリーマンとして働いている時とは明らかに違います。また、今、農場に常時4-5名のスタッフがいるのですが、皆、農業に関心があって、将来農家になりたい人、農業を知りたい人、農業に関わりたい人などが働いてくれています。そんなスタッフが実際に農業を経験し、米田農場と関わることで、それぞれが将来なりたい自分に近づいていってるかな/そこに少し貢献できているかなと思うと、幸せな気持ちになります。

就農する前、農業は大変、儲からないとたくさん言われてきましたが、「そうでもないかな」というのが今のところの感覚です。農業を始める前は居酒屋チェーンにいたのですがその頃の方がよほど体力的には大変でした。また、稼ぎもその頃よりも良いです。そこそこの年収で継続していくのは他の業界で独立するよりも難易度は低いかなと感じます。

でも例えば年収数千万稼ぎたいと思うとかなり難易度は高いです。やはり面積を追うと天候リスクが高まりますし、経営規模が大きくなると相場の影響を受けやすくなるからです。例えばトマトが儲かるからと大きく設備投資をしても、数年後、海外から輸入量が増え相場が下がる可能性や、作業効率の高い農業機械が開発/普及し価格が下がることも十分にあり得ることです。中には奇跡のりんごの木村さんのようにブランドが出来上がっている生産物もありますが、基本的には超ニッチで一般のスーパーの棚を取ることはほとんどありません。

雇用を生むのも割と難易度が高いです。農業の後継者が育たないとよく言いわれますが、気持ちはよくわかります。家族経営が一番売り上げの変動に強いからです。台風や病害虫によって作物が壊滅し売り上げが半分になったとしても、農業の人件費率は高いですから人件費がバッファとなって来年もまた気を取り直して頑張ることができます。これが雇用スタッフだと売り上げがないからといって給与を半分にすることはできません。また、季節によって人手が必要な時期、必要のない時期があります。家族であれば無い時には休んで、ある時にまた頑張るで良いのですが、雇用スタッフの場合は「仕事ないから給料なしね」では困ります。常時雇用はリスクが高いのです。

私は農業法人(北海道当麻グリーンライフ)で雇ってもらい農業を始めて鍛えてもらって今があります。農業やりたい人が農業できる環境を作っていくためには雇用を生む農業は地域に必ず必要だと思うので、地域の担い手を生み出していけるようにここから取り組んでいきたいと思ってます。

と、独立してよかったし、やりがいあって幸せだなーと思うのですが、思い返せば独立して実際に売り上げが上がるまでは、貯金がみるみる減っていき結構キリキリしました。夜中に作物が気になり、見にいったことも何度もあります。売り上げが上がってからも、台風で作物が飛ばされたことや、大雨でニンジンが全滅したこと、大失敗した作物もたくさんあります。今まで失敗しても自分が苦労するだけ、失敗も早いうちにしたほうが良いと思ってきました。これからも失敗しながらでしょうが10年先も農業やってよかったな、独立してよかったな、と思えるように。地域の方に米田がここで農業始めてくれてよかったよと思ってもらえるように。お客さんから米田の野菜を食べて喜んでもらえるように。また明日から野菜作りを頑張ります。

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