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天井が割れて迎える2019

年末からずっと風邪をひいている。

風邪が抜けないのは、おそらく治りきる体力がないからだろう。

経済的な理由で実家に身を寄せているが、おかげさまで母親は絶好調だ。

そんな何日も寝込んでいるのなら、外に散歩した方がいい。

アタマが痛いのは寝すぎて怠けているから。

そんなことを真顔で言ってくる。なかなかパンチが効いている。80年代理論だ。

そんな母親と攻防を繰り返しながら、年始頃に自分の家に帰った。

私の家はそこそこ広く、周りに神社仏閣だらけで小学校も近い。

深夜になるとそこそこ治安も乱れるが、地域住民が太古から存在するじーさんばーさんばっかりみたいな土地なので、東京だがそこそこ広く家賃はなかなか高い。

隣の部屋の住民が深夜にドラムを急に叩き出したり、朝方に突然叫んで何かを打ち付ける音がしなければそれなりに良い物件だ。

完全に夜型の仕事をしている隣人には世の中に何か不満があるのだろう。

もちろん大家に通報したら、それなりに彼も欲求を抑えているようだった。

そもそも、アダルトチルドレンとして、毒親に育てられて、模範的な過干渉の家で育った私には、最初の一人暮らし、我が城である家は大切な場所だ。

朝から母親の怒鳴り声や父親と金銭に揉める声、朝食や早く起床しろと母親のその日徒然で変化する気持ちに振り回されることもない。

そんなわけで、多少の不便には目を瞑っていたのだが、天井の割れ目には目を瞑れなかった。

新たな気持ちで迎えた自分のお城の天井に割れ目が出来ていたのだ。それもぱっかりと。なかなか、パンチの効いたビジュアルで。

そもそも、アパートを出て行く際の契約に引っかかって揉めることになるので、天井が割れたり家の中の不具合は即座に大家に言うのがベターだ。

私の賃貸物件の大家は某大手企業。ま、大きい会社にありがちなこと手厚いというよりはサポート項目は多く幅広いが自分からアクションを起こさないと何も適応されないそれ。

私の場合は、担当者が割れ目の写真を見たら施行業者と中間に立つカウンセラーだがなんだかに担当をぶん投げられた。

この担当者がなかなか、相性が悪そうだった。

男性なのだが、まず最初の連絡が土曜の朝だった。ブラック企業に勤める奴隷臭がプンプンする。

まず下見の日付を決定し、そこから詳しいことを決めると言われた。

あのな、おまえ、わし都内で女一人暮らしなんやぞ。しかも、会社員だったら貴様が誰かしらんが職人と来るのを自分家に迎えなあかんのだぞ。

と、喉元まででかかった文句を飲み込みスケジュールを決定して再度連絡すると伝えた。

休日中に連絡欲しいと言われて、私は休日最終日の昼頃に連絡しようと思った。だがその日の朝、何故か着信があり、出ると明らかに電車で間違って着信したような声が聞こえる。

次の着信もすぐに出たが、同じように通話が通じない。

昼頃にこちらから折り返しても出ない。

留守番に連絡を入れようとしたが折り返したが、私の携帯の調子が悪いので聞こえない。

こいつはダメだと着信を切り、次の日平日の朝に連絡することにした。

流石にここまでしたら、折り返し連絡来るかと思ったがなし。

久し振りに、こいつとは相性悪いなと言う勘が働く。

次の日こちらから着信すると、

朝から不機嫌な対応。

一応、なんだよ昨日の着信はと聞いても、自分の最初の間違い着信は無かったことにし、留守番を入れている最中に連絡したが変な機械音で話せなかったと言われた。

そこで、時間をおいてその日中に連絡を入れるのが客商売じゃねぇのかなあと思ったが、私はその手のすぐさま言い返してくるタイプの営業系の男はロクなことがないと分かってくるので、話を切り替えした。私の偏見だが、どのような状況でも、自分に非がなくてもニュートラルに状況を説明できない営業は感情でモノを言う厄介なタイプだ。この手のタイプは、大抵交渉ごとの根底をエモーショナルな対応と相手の良心を巧みに推し量ることに長けている。

要するに、数値ベースの話が疎かになりがちなのだ。論理的な話をし難いタイプだとも言える。

典型的な奴隷型の会社員だ。

担当チェンジを考えたが、多くてもあと3回の担当者だ。まあでも、彼との会話は今後録音しとくべきだなと思った2019の幕開けだった。

なんで、天井がそもそも割れるのか。軽くググったらよくあることと書いてあったが、私は友人や本などの記述に、天井が割れたなどという話は聞いたこともないし見たこともない。

なんでなんだよ。

と思ったがこれもまた修行だなと思うことにした。

この担当者がどのような失言を言ってくるか、今後楽しみである。

そんな2019年だった。

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