「ガザ・モノローグ2010」その27

27.ヘバ・ダウドさん 1995年生まれ 避難所

私は5歳の時、ティベリアに行ったことがあります。まるで天国のように美しい町でした……。バスで家に帰ってる途中、誰かが運転手に、エルサレムの道路を走らないように言いました。シャロン(イスラエル元大統領)がアル・アクサモスクに入ったからです。その時、私はティベリアは私たちの土地ではないと思いました。

私は通行省の近くのリマル学校にいます。そこは戦争で最初に空爆があった場所です。すべての省庁がこの学校にやってきました! 女の子はみんな、私以外全員が泣いていたのですが、私は笑いました。いまの今まで、なぜ私はその時笑ったのか訳がわかりません。

テレビをつけたら、学校の周りのビルが全て破壊されていて、死体がそこにおり重なっているのを見ました。学校が映っていたけれど、そこに自分が映っていないことに、私は神に感謝しました。自分がテレビに映ったら、その人の未来には死以外待っていないため、私はテレビに出たくなかったのです。

戦争が終わって私は、人が何を考えているか、話し出す前にわかるようになりました。そして目を見ればその人が何をしたいか感じるようにも。それから、私みたいな年齢の子どもたちが知るべきでないことも、わかるようにもなりました。私は勇気を持って人前でしゃべる術を心得て、それによって信頼されるようにもなりました。戦争には効果があったと言って、信じる人はいるでしょうか? 戦争の後、私はより力強く、より自信を持って、未来に向かって一歩ずつ歩いているのです。

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