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人材マネジメントは感情マネジメント・ほんのちょっとしたストレスを取り去ることの重要性/食とまなびのブログ

人材マネジメントの基礎基本、真理として、『人は理論正論ではなく、感情で動く』という考え方があります。
“すべき”ことや“した方が良い”ことではなく、“やりたい”かどうかで人は動いているものです。
「そんな馬鹿な!子供じゃないんだから!」と思うかもしれないが、大人も皆そうで。例えば、あなたが誰かに非常に的を得た苦言を言われたとする。“いたたたた!”といった状況ですね。その苦言を尊敬する相手から言われた場合は、“よし!直そう!”と素直に行動に移せもしますが。同じ内容で、非常に的を得たものであったとしても、嫌いな相手から言われたとすれば“お前に言われたくないよ!”ぐらいにしか思えず、改善行動をしようとは思わない場合が多いのではないかと思います。
もちろん、大人ですから、仕事として言われたことはやるかもしれませんが、人が本当に高いパフォーマンスを発揮するのは、言われたことをやるときではなく、やりたいことを自ら行動するときであることは間違いないですね。

いわば、人材マネジメントは感情マネジメントなのです。


さて、冒頭の写真は、JR駅構内にある蕎麦屋さん。
下げもののお盆が置いてあるステンレスの台が分かるでしょうか。
この台の下がバッタン戸になっていることからもお分かりの通り、ここは厨房とホールをつなぐ通路である。台の左側に蝶番が付いていて、そこを起点に上に持ち上げることができ、通ることも可能となります。
作業スペースが少ない飲食店の工夫として通路をふさぎ、こういった可動式の台を作ることはよくあります。
しかし、一旦そこに台を作ってしまうと通路として使用しなくなってしまうものなのです。
営業中は台として使用し、営業時間外だけ、台を上げ通路として使用するといった具合です。
そうなると、徐々に自分の仕事領域が厨房の中だけという意識になっていき、ホールで起きていることに鈍感になっていく。
結果として、顧客接点の頻度が落ちることにより、サービスのクオリティは落ち、顧客満足度は下がっていく。

これはいわば、サービスとオペレーションの狭間にあるものなのです。


なぜ、ちょこっと台を上げて外に出ることすら出来なくなるのか?

この店のこれを見たときに衝撃が走りました!!
これだ!と気づきました。

なんとこの店のこの台。
持ち上げて人が通って、手を離すと、ゆっくりと戻っていくのです!!
引き戸などでありますよね。勢い強く閉めてもしまる瞬間ゆっくりとしまっていくあれ。

うーん、こういう工夫、大好きなんです!
こういうの見つけるとテンション上がるんです。
素晴らしい着眼点。
これを作っているメーカーがあるということは、このメーカーや、設計者は使う人のことを考え、もしくは耳を傾け、ちょっとした改善をしているということ。本当に素晴らしいです。

「いやいや!そんなの手を離さずに丁寧に戻せばいいだけじゃないの?」
と思うかもしれませんが、このちょっとしたことをやらないのが人です。お客様が水をこぼした!急いで台を持ち上げ外に出て対応するといった一連の流れの中で丁寧に台を戻すということは絶対にやりません。

手を離すと、当たり前ですが、バン!と凄い音と衝撃を発します。
緩衝材のようなもの、クッションなどを挟んだとしてもかなりの衝撃が出るものです。
ここにちょっとしたストレスを感じます。
このストレスはちょっとしたものでしかないのですが、毎日、複数回繰り返されるとなると無意識レベルでそれを避けようとするのが人間です。
行動しなくなるのです。
(実はこれと全く同じ理屈でバッタン戸にストレスを感じます。そして多くの飲食店では保健所の検査を通した後、バッタン戸を取り外します。しかし、外したことにより、見せなくても良いもの、例えばゴミ箱などが客席から丸見えになっていることがよくあります)


ちょっとしたストレスがあるだけで人は行動しなくなります


私の研修を受講していただいた後、決意表明、行動計画、アクションプラン、言葉は様々ですが、何かしらの行動変容をしていただくことを決めてもらいます。
その行動変容の確率を上げること。
これが今年の私のテーマでもあります。
行動変容を妨げる要因として、非常に大きいものとして“忘れる”ということがあります。詳しくは、以前のブログ記事を参照して下さい。

忘れることは人間の脳みその健全な機能なので、忘れないように努力するのではなく、忘れることを前提に、思い出す仕組みを作ることが大切です。
そのために、『アクションプランを見返すことをスケジュールに書き込んでください』『アクションプランを付箋にも書き出しいつも見るPC画面に貼り付けてください』『歯を磨く鏡に貼り付けてください』などとお願いしたりしています。

お願いしていても、付箋に書いて貼りだすという作業。
正直めんどくさいですよね。
ちょっとしたストレスですよね。
ということはやらないですよね。

ということで、研修の最後のアクションプランを書き込むときにそれも一緒にやってしまえばもう一度書くという二度手間のストレスが無くなり、行動してもらえる確率が上がりますね。

はい、見つけました!これ!
複写式の付箋です(笑)


http://amzn.asia/53HkIoC

思わず、ポチりました!
これを使用して、研修の最後のアクションプランを書き込むときに付箋にも書き込む形にして、貼り出しを促していってみようと思います。

あー楽しみ!どうなるかなぁ


感謝します。

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