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No.21 2000万円で足りる…?

一頃、老後生活費2000万円問題が騒がれました。

2000万円?それじゃ足りないんじゃないの、と言いたい。

この金融庁の文書の年金受給モデルは、40年間厚生年金に加入し続けた(賞与も含めた)平均標準報酬月額42.8万円の給料をもらっていた夫と40年間専業主婦だった妻の家庭の平均厚生年金受給額(国民年金含む)は約22万円です。しかし、平均支出額が約27万円なので月5万円不足する。これが65歳から100歳までの35年間だと2100万円ほど足りないけどどうするの?というお話しでした。

突っ込みどころ満載ですね。

足りない金額が2000万円ならむしろラッキーなくらいです。

賞与も含めた平均標準報酬月額が42.8万円ていうと年収500万円ちょっとです。20歳から60歳までの平均年収が500万円!って実はかなりのエグゼな会社員です。こんなに恵まれた会社員は少ないです。

そもそも、これからの時代に40年間厚生年金に加入し同じ会社で働き続ける人がどれだけいると思いますか?だいたい40年も存続する会社は非常にまれです。というか、今後はそんな寿命の長い会社はほとんど無くなるんじゃないですか?

人生100年時代に突入しつつある現在、何度も仕事は変わるでしょう。定年まで一社で働き続けるというスタイルはもう過去のことになりつつあります。

また、会社員から転身して自営業やフリーで活躍する人も普通になっています。

それに、今は結婚した夫婦の3組に1組は離婚していると言われます。

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これだけのいろんな条件をかいくぐり、晴れて20歳から25歳で結婚して40年連れ添った夫婦で65歳から厚生年金22万円を受給できる人って稀なんじゃないですか?

まあ、今後は人それぞれどのような人生を歩むかは分かりません。しかし、年金受給額は夫婦でおおよそ12万円から17万円の間を想定しておいた方がいいんじゃないでしょうか?結果、それより多ければそれに越したことはないです。

そこから現在の老後生活が約27万円の平均支出額ということを考えると、ざっくり月に10万円から15万円は足りない、と見るのが妥当で自然で素直な見方と言えないでしょうか?

独身の方も増えていますが、年金額は夫婦二人分より当然ながら少ないものになります。

まあ、考えように拠りますが、厚労省のモデルケースはとっても恵まれたハッピーなケースと考えましょう。少なくとも、65歳から100歳まで生きるとすると支出累計額が4,000万円~5,000万円は足りなくなる可能性が大きい。あくまで前提は現行の厚生年金、国民年金の仕組み、金額で考えているということを忘れないでください。

将来、現在より年金財政の状況が良くなるとは絶対に思えません。故に上記金額は増大することはあっても、減少することはないでしょう。

今、50歳代以降の方はあまり考えても時間的に難しいのですが、40歳代以下の方は真剣に考えないとまずいということをお伝えしたいです。40歳代以下の方は今から真剣に取り組めば危機は何とか乗り越えられるかも知れません。

40歳代以下の方は、今ある資金は少ないかもしれない。だけど、時間はあるのです。


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