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夕暮れ時の散策、なぜか知らない女性と立ち話が弾んだ

 健康と気力の維持のために、毎日一万歩歩くように心がけている。暇で時間を持て余しているはずの年金生活者しかもまもなく古稀を迎えようとしている。朝、いまは午前6時前の日の出タイムは暗い、少し明るくなってからとも思いつつ、朝の家事手伝い用務を始める。
 共有エリアを一回り、なにをなすべきか、整理整頓、昨日の残務処理、奥様のご機嫌次第、体調により、食器かたづけ、食器洗い、鍋やその他の食事関係、生ごみを含むゴミ集め、その日のゴミ回収内容も加味して、ゴミ箱を集め袋詰めもする。
 奥様とは家事処理の要求水準が違う。9年間の単身赴任、気を遣い、身体を使い、金を遣わないをモットーにして、少ない備品と消耗品、辞令一枚で、いつでもどこでもお引越しを心に刻み、生活していた。
 それは奥様の生活様式と娘たちの日々の学業、職業生活とは、必ずしも合致しなかった。ましてや精神疾患を持つ娘がいたのでは、大変なことは理解できる。
 しかし、同居するようになって、共有部分だけは、家事手伝いを徹底した。自分の朝食は自分で準備、朝の早い娘の出勤準備手伝いは私の仕事、おのずから分業体制は確立した。畏れながら天皇陛下も適応障害の傾向があられる皇后さまのご病状をお考えに泣て日々、過ごされていることと思う。
 誠に畏れ多いことである。
 さて、日々の散歩のこと。
 朝あまり歩けなかった分、夕方、本腰を入れて歩いた。
 自宅から北進すると、まもなく稲刈りの季節となった田んぼや畑を通り、心地よく歩いていると、畑から女性の声で、「すみません。」と、農作業から何か通行の妨げでもあったらしい、全然、気も付かなかったし、気にもしないこと。
 それから、しばらく様々な立ち話に立ち至った。同じくらいの年齢、2,3歳私の方が上、男と女だし、気もあったのかな、農作業のこと、娘がいて、その学校のこと、たまたま近くの高校で体育祭か学園祭の音がしていた。高齢者同士だが、なんかほんわかとした気持ち良い立ち話であった。
 高齢者同士でも、たまさか、そういう組み合わせがある。
 知らぬ同士が小皿叩いてチャンチキおけさって感じ、なんか仲良くなるって感じ、ご亭主が観たら、お怒りになるかならんかは別として、一服の美味しいお茶をいただいたような爽やかさがあった。
 他人を見たら泥棒と思え、そんな警戒心ばかり必要なご時勢、少しは、ほんの、かりそめのおいらくの恋?あってもいいのではないか。
 ここちよい一瞬ではあった。
 相性とは不思議なものですね。

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