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5月16日(火) 「未利用魚の調達方法」

今日の豊田は快晴。
最低気温は21℃、最高気温は29℃迄上昇。まだ5月の中旬だと言うのに、30℃近く迄上昇ってのはホント地球温暖化の影響と言わざるを得ないのでしょうねぇ。
こんな天気じゃあ、旬も狂いますわなぁ。さて、

昨日は「食べることは生きること」についてお伝えしましたが、今日は基本コンセプトの一つである「未利用魚」の調達方法についてお伝えして行きたいと思います。

もう何年も前から(多分、30年位?)、日本に駐在(?)している期間中は、船橋在住時には船橋市中央卸売市場、横浜在住時には川崎北部市場、東京在住時には移転前の築地市場と移転後の豊洲市場にほぼ毎週末に通っていました(因みに、北京駐在時には紅橋市場・京深海鮮市場新源里菜市場、イラン駐在時にはテヘラン市内のバザール(名前忘れた…)、ソウル駐在時にはノリャンジン(鷺梁津)市場等に通ってました)。

少なくとも、日本の上述の市場では、所謂スーパー等で売られている一般大衆魚(アジ・サバ・イワシ・マグロ・サケ・マダイ、スルメイカ、ブラックタイガーやバナメイエビ、アサリ等)に加え、お寿司屋さんや料亭・居酒屋等に行くその他のある程度高級なおサカナ(ブリ・カンパチ・ノドグロ、アワビ・サザエ・アカガイ、アオリイカ・スミイカ等)はあるものの、市場価値の低い未利用魚や低利用魚はあまり売られていませんでした(時々ありますが)。
何故なら、一般受けせず、買うヒトがいないから。

ただ、未利用魚や低利用魚だからと言って、別に味が悪いワケじゃあないし(多少はソレもあるけれど…)、何か欠陥があるワケでも無い。一般のヒトが見たことなかったり、食べたことなかったりするが為に買いたがらず、従って市場価値が低いがために打っ棄っておかれちゃったサカナ達。
コレは勿体ないし、捨て置いてはイケません。

でも、そんな未利用魚なんてドコで入手が可能なのか?
コレからソレをウリにしようとしている自分はドコからソレらを調達しようとしているのか?

最近ではSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)と言うコトバが盛んに喧伝されていて、17ある目標(Goals)の14番目には「海の豊かさを守ろう: Life Below Water」ってのが掲げられているし、水産業界的にはエポックメーキングであった昨年秋放映のドラマ「ファーストペンギン!」の影響等もあって、徐々に未利用魚・低利用魚には焦点が当てられつつある状況になりつつあり、実際に未利用魚を売る鮮魚店やスーパーやも増えつつあります(例えば、広い意味では新潟から関東圏内に進出してる角上魚類・御徒町の吉池・都内で何店か出店しているsakana bacca小田原のヤオマサ等)。

コレら以外でも、「ファーストペンギン!」のモデルは実在する坪内知佳さん率いる船団丸(元々は萩大島船団丸→日本船団丸)の漁師→消費者の魚の直販ビジネスや、飲食店業向けに特化した八面六臂魚ポチ(by フーディソン…sakana baccaもこの会社でしたね)、未利用魚の調理済み冷凍食品をサブスクで届けるFishelleなど、昨今では水産ビジネス×DX(Digital Transformation)で水産業界に変革を齎す比較的若い会社やその試みが続々と出て来ています。
オモシロいトコロでは、戸田漁港をベースに活動にやっておられる深海魚直送便青山沙織さんの取り組みなんかもあります(一度お取り寄せしてみなきゃ!)。

また、上記が漁師→消費者の謂わばBtoCBusiness to Consumer:企業対消費者間取引)系の直販ビジネスなら、ソレを更に進めたCtoCCustomer to Customer:消費者間取引…釣り人も消費者?)も出始めており、釣った魚のオークションサイトを手掛けるFish Saleや、大手のメルカリもソチラにも進出しつつあるようで(但し、法律違反とならぬよう「魚をネットで販売するために必要な資格・許可」等も確りと記載)、様々な取引ルートが存在し、未利用魚・低利用魚も以前に比べたら、可也容易に手に入るような環境が整いつつあると言えます。

でも、やっぱり。
現物の市場、特に地方市場の未利用魚は魅力的。元々地方市場は産地に近く、都会に出て行ってしまう大衆魚は小型のモノしか売られていない代わりに、所謂地魚≒未利用魚・低利用魚は格安で手に入るし、珍しい魚種も多いんです。
自分は現在愛知県にいるので、ホームグランド市場としているのは蒲郡漁協西浦支所(通称西浦鮮魚マーケット)と一色さかな村の2ヵ所。自分のfacebookをフォローして戴いている方々にはほぼ毎週その状況をお伝えしてますが、この2ヵ所の市場はホントに未利用魚の魚種が豊富で、格安(逆に、大衆魚や高級魚は豊洲等よりも高かったりするケースも屡々)。これらの市場に週1~2回は足を運んでいるのは、定点観測の意味合いもあるし、人脈作りの意味もあるんです。
やっぱり、地場の安いサカナを仕入れる為にはルート作りも大事かな、と思い。ある程度カオが出来たら、今後の仕入れ相談もしたいと目論んでいます(笑)。

他にも、気になる関東近郊の魚屋さんとしては、焼津の「サスエ前田魚店」や、三浦は佐島漁港丸吉商店大翔水産長井港長井水産直売センター柴漁港小柴名産直売所等。

そうそう、神奈川の二宮では甲斐昂成さんが運営し二宮定置網で獲れた魚、主に未利用魚を活用して週末だけ開店するKai’s Kithcen(昼の部は「二宮漁師のおかず食堂」、夜の部は「ムカチのカチカ」)の取り組みも、とっても面白いです。甲斐さんには色々とご教示戴きたいと考えてます。

まぁ、今後は上述した直販ビジネス、CtoC、現物市場等も取り混ぜた上で、未利用魚の仕入れをして行くコトになろうかと思います。
でも、自分もまだまだ知らないコトばかりなので、皆さんのお知恵も拝借しながら、より安くて質の高い未利用魚入手ルートを開拓して行ければ良いな、と考えています。
良い仕入れ先等あれば、是非ご紹介戴きたく、ヨロシクお願い致します。

と言うことで、明日は今日と同じような流れで(?)「有害鳥獣の調達方法」についてお伝えして行きたいと考えています。


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