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6月15日(木) 「未利用魚・アカタチ」

今日の豊田は小雨と曇りが、入れ代わり立ち代わり。
最低気温は21℃、最高気温は25℃。
梅雨前線停滞で、梅雨らしいお天気。さて、

昨日は「醗酵食品・鮒鮓」についてお届けしましたが、本日は「未利用魚・アカタチ」について書いて行きます。

アカタチは豊洲市場等のメジャー市場ではまず見掛けませんが、棲息地域は新潟県から九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、相模湾から九州南岸の太平洋沿岸と、日本沿岸の割と広範囲に渡っていますので、地方市場だと時々見受けられるようです(地方名もオモシロく、アカヒモ・チガタナ・ミコノヒモ等個性的)。従い、「未利用魚」と呼ぶのは正確ではなくて、低利用魚・マイナー魚の部類に属するのだと思われます。
ただ、この辺だと現在のホームグランドである西浦鮮魚マーケットでは殆ど見掛けないものの、一色さかな村だと割と良く見掛ける魚種ではあります(恐らく、各港に出入りする漁船の漁獲方法の違いなのかな?と勝手に考えてます)。

このおサカナは「アカタチ」と言う位だから、タチウオの赤いヤツかと思いきや、タチウオ科の魚ではなく、立派にアカタチ科と言う独立した分類を持っている魚なのでありまして、ドチラかと言うとアマダイに近い仲間なのかなぁ、とも勝手に思ってます(おカオはソッチ系。でも、アマダイはアマダイ科なので別種なのですが)。
生態的には、泥っぽい海底に穴を掘り、頭部を上にして潜んでいると言うコトなので、(みんな大好き?)チンアナゴ的なカンジで暮らしているおサカナのようです。
 
一色なんかで出ている限り、めっちゃお安いです。30~40cm大の成魚であっても、大抵は1匹100円もしない、と言うのがコレ迄の経験上の相場観ですかね。安過ぎです。
 
お味の方はと言うと、クセのない白身で、タチウオにも似た感じもあります。
身の薄い魚なので、三枚おろしは少々面倒ではありますが、刺身でも食べられます。が、身はやや水っぽいし、脂の乗ったおサカナでもないので、刺身でメチャ旨と言うホドでもありません(悪くはありませんよ、勿論)。
上述の通り、クセのない白身なので、塩焼にして良し、煮付にして良し、唐揚げも旨いし、マース煮なんてのも悪くない。要は、万能です。
繊維質の細かい白身だし、未離れも良い魚なので、広島ではコレを離乳食にしているとのことです。確かに、離乳食向きなカンジはしますね。コレを離乳食として育った子供はどんな大人になるんじゃ?と突っ込みたくなるホドです(笑)。
何れにせよ、安いクセにとっても美味いサカナであることには違いありません。
 
こう言う魚を放っておいてはイケませんよね。
入手ルートがキチンと確立出来るのであれば、是非お店のラインナップに入れたい魚種の一つではあります。

明日は「有害鳥獣・二ホンジカ(生態編)」をお届けしたいと思います。


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