2024年4月23日(火)「醗酵食品・スクガラス」
今日の東京は終日曇り。
朝方の最低気温は15℃、日中の最高気温は19℃少々と昨日に続いて20℃割れ。
今日の午後からまたまた帰省、夕方に地元の愛知に戻りました。また1週間ほど滞在予定です。
コチラの最高気温は今日は21℃迄上がったようですが、夜になって雨(泣)。明日は大事な潮干狩りなのになぁ(笑)。さて、
昨日は富山で買って来た「未利用魚・ノロゲンゲ」についてお届けしましたが、本日は沖縄の「醗酵食品・スクガラス」について書いて行きたいと思います。
スクガラス。
沖縄・奄美地方に於いてアイゴの稚魚のコトを「スク」と呼び習わしているようです。ソレを塩辛=「ガラス」にしたモノのコトを「スクガラス」と呼ぶのだそうで。
沖縄料理ではコレを島豆腐の上に乗せた居酒屋メニュー(?)の「スクガラス豆腐」は定番ツマミの一つですね。ただ、このメニューが出来たのはそんな大昔ではなく、琉球王国の最後の国王であった尚泰王の四男で、美食家でもあった尚順男爵(明治6年生まれ)が考え出した酒肴なのだそうですが、スクガラスの塩っけが島豆腐の美味さを引き立ててくれる絶妙のツマミであると言えますね。
そもそも、その親魚(?)であるアイゴについては、あんまり評判が芳しくないおサカナの代表選手的扱いじゃあないですかね。日本全国で結構獲られているにも拘らず、(その処理のせいもあってか)磯臭いとか、毒のある棘があるので面倒臭いとか言う理由で、ソレを獲った漁師さんからも好かれていない可哀想な(?)おサカナでもあります。
でも、ホント言うとキチンと処理(血抜き・毒棘抜き等)が施されたアイゴであれば、磯臭さは微塵もなく、とっても美味いサカナだと思うのですが。
スクは沖縄や奄美の沿岸で、旧暦の6と7月(一説には8月も)の大潮の日に満ち潮に乗って大挙してイノー(サンゴ礁に囲まれた浅くて穏やかな海、即ち礁池)にやって来るのだそうで、コレを漁師達が昔乍らの追い込み漁で獲るんだとか。年に2回しかチャンスが無い?多分そんなコトは無いだろうと思いますが(笑)。
また、スクは生まれて3日目からは海藻を食べ始めると言われていて、海藻を食べ始めるとお腹から臭くなってしまう為、生後2日以内のモノでないとスクガラスにはならないとも言われてますが、コレも本当かなぁ…(生まれて2日程度で3㎝迄成長するとは思えない。3㎝迄成長するには1ヶ月程度は掛かるハズ)。何れにせよ、4㎝以上の大きさになると骨が硬くてスクガラスには向かないらしいので3cm程度迄のモノが良いのだそうです。ただ、上述のように収穫時期が可也限定されてしまっているコトもあり、昨今ではフィリピン等からの輸入モノが大半を占めていて、国産モノのスクは1割程度しかない貴重品になっている模様です。
獲れたばかりのスクは洗浄し、型を揃えた後に重量の50%の塩で低温塩蔵させるコト3ヶ月で、浅漬けは出来上がり。完熟させる為にはその後8ヶ月から1年掛かるとも言われています。ただ、長ければ長いホド良いと言うコトでもないらしく、長期熟成させる為には長年の経験に基づく塩加減と言うモノが必要、とのことです。
スクガラスを実食してみた感想としては、矢張り塩っ辛い。でも、長期熟成させたお陰で引き出されたアミノ酸由来の旨味がある。塩っ辛さを中和?させる効果もある島豆腐と一緒に食えば、泡盛も進む、進む。男爵に感謝です。
沖縄行ったら、コレは外せませんね。ただ、取り寄せるとなると品代と同額程度の送料が掛かったりするコトもあるようなので、纏め買いしないとペイ出来ないなぁ…。
と言うコトで本日はココ迄。
明日は「有害鳥獣・ローストベニソン」について書いて行きたいと思います。