見出し画像

2024年1月19日(金)「内臓料理・もつ煮」

今日の東京は早朝と夜は曇り、日中は晴れ。
朝方の最低気温は6℃、日中の最高気温は昨日と同じく13℃。朝は、この時期にしては暖かかったですね。さて、

昨日は「有害鳥獣(ではないですが)・マガモ」についてお伝えしましたが、本日は「内臓料理・もつ煮」について書いて行きたいと思います(冒頭画像はコチラから拝借しました)。

もつ煮。
言わずと知れた居酒屋の定番メニューで、フツーは豚や牛の内臓を煮込んだ食いモンですね。牛や豚以外だと、日本だと馬や鶏の内臓なんてのも偶にありますね。今では、居酒屋の定番メニューの一つと言っても過言じゃありませんね。

そんなもつ煮は、歴史的に見れば明治以降の日本人が大っぴらに(?)肉食を始めてから広まったモノだとは言われていますが、ソレ以前でも恐らく日本各地で動物の内臓を味噌等で煮込んだ料理はあったのだろうと思います。肉食以前でも、イノシシをボタンとかヤマクジラとか言ったり、シカをモミジと言ったりして肉食をしていたワケなので、最も美味い部分である(?)内臓を捨ててしまっていたとは考えられない。一般化されてなかっただけだと思います。
本格的に一般化されたのは戦後に朝鮮半島から渡って来られた方々によって「放るもん」(→「ホルモン」)とされていた牛や豚の内臓を野菜等と一緒に煮込んだ(?)もつ鍋が広まったとも言われているようですが(コレは韓国のコプチャンジョンゴルが原型?)、もつ鍋ともつ煮は使用する具材は似ていても、作り方や味付けもやや異なるので、この説はどうかな?と個人的には思っています。寧ろ、明治以降の日本の煮込みが使う臓物や調味料、入れる野菜等を各地で工夫し乍ら一般化して行ったのではないかと想像されます。

そんなもつ煮。
日本各地に色んなモノがあるのですが、まぁ地元のモノから先に言っちゃいますと、マズは「どて煮」ですね。コレは八丁味噌をベースにしたもつ煮で、豚の大腸・小腸やコンニャクを煮込むのが特徴。濃い目のもつ煮でして、愛知県のみならず中部地方各地で食されてます(ただ、八丁味噌のような豆味噌文化は、愛知・岐阜・三重が主ですが)。大阪には「どて焼」と呼ばれる煮込み料理もあるようですが、コチラのメインは牛スジ、白味噌使用のようです。北海道では馬モツを使用した「なんこ鍋」、山梨では鶏モツを甘辛いタレで食する「甲府鳥もつ煮」、九州の「もつ鍋」、沖縄の豚もつを使った「中身汁」、山羊を使った「ヒ―ジャー汁」なんかがありますね。

少々絞って、東京の名店居酒屋のもつ煮で言うと、月島「岸田屋」の牛煮込(味噌)、森下「山利喜」の煮込(牛もつ、赤味噌)、門前仲町「大阪屋」の牛にこみ(牛もつ、味噌)、浜松町「秋田屋」のにこみ(牛もつ、醤油)、銀座「ささもと」や新宿「ささもと」の串煮込(豚もつ、信州味噌)、立石「宇ち多”」の煮込み(豚もつ、味噌)等がありましょうか。何れも、美味いもつ煮を出してくれます(煮込系だと北千住「大はし」や神田「みますや」なんかもあるのですが、彼らはもつ使わずに牛の正肉なので、今回は除外)。

一方世界に目を向けると、イタリアで牛のハチノスを使った「トリッパのトマト煮込」(コレに類する料理はヨーロッパ各地にあるようです)、ブラジルの「フェイジョアーダ」、名前は分からないけれどもモンゴルの遊牧民が作ってくれた各種臓物の煮込み、中国の羊の内臓を使った「羊雑湯」、豚を使った「卤煮火焼」、韓国の「コプチャンヂョンゴル」など、色々とありますねぇ。何れも、美味い。

自作する場合、自分は主には豚もつを使用するコトが多く、一番多いのは合わせ味噌使用ですが、気が向くと醤油を使ったり、塩麹を使ったりでバリエーション豊かに作るようにしています。
もつ煮を自作する場合、矢張り作った当日よりも翌日、更にはその翌日の方が味わいが深くなる気がするので、ある程度纏まった量を作り、日持ちをさせるのですが、矢張り気を付けねばならんのがウェルシュ菌による食中毒問題でしょう。常温保存すると、この菌は繁殖し易くなるようなので、保存は冷蔵庫、翌日以降は再加熱等により、細心の注意を払って長持ちさせるコトは必須のようです。

今後やろうとしているお店でも、どう言うカタチで提供するかは未定だけれども、もつ煮は定番メニューとして入れておきたいですね。

と言うコトで、今週はこれにて。
週末は雪予報もありますので、皆さんご注意を。
来週月曜日には「二十四節気・大寒(だいかん)」をお届けする予定です。
ソレでは、良い週末をお過ごし下さい~!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?