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2024年9月25日(水)「未利用魚・シナノユキマス」

今日の東京は晴れのち曇り。
朝の最低気温は昨日よりも下がって17℃弱、日中の最高気温は昨日とほぼ同様の24℃迄。いやはや、涼しい。お天気的にはあんまり良い日ではないものの、この気温はラクですね。さて、

昨日は「醗酵飲料・日本の醗酵茶」について書いてみましたが、本日は「未利用魚・シナノユキマス」についてお届けしたいと思います。

シナノユキマス
コレを未利用魚と言ってはイカンかも知れませんね。だって、海外から持って来て食用として(利用する為に)養殖されているおサカナなので。ただ、世間一般的には決してメジャーな魚ではなく、寧ろマイナーで沢山利用されている(食べられている)サカナではないので、この分類に入れさせて貰いました(笑)。

そもそも、このおサカナは日本在来種では無く、東ヨーロッパやロシア、モンゴルなんかでは割とポピュラーな鮭科のサカナで(見てくれは鮭科と言うよりも、鯉科なのかな?とも思わせられるモノですが、チャンと脂鰭もあるので鮭科なんです)、鮭科のコレゴヌス属に分類され、一般的にはホワイトフィッシュと呼ばれているサカナです。
ロシアではオームリと呼ばれててバイカル湖の貴重な水産資源にもなってるし、モンゴルではツァガンザガス(=白い魚…ホワイトフィッシュをモンゴル語に言い換えただけじゃん!(笑))と呼ばれてて、海なし国のモンゴルでも貴重なタンパク源になってたりもしてるようです(以前モンゴル釣行した際には道端でこのおサカナの燻製が売られてたのを見たコトあり)。
ヨーロッパでの扱いがどうなっているのかと言うトコロはどうなんだかよう分かりませんが、恐らく同様に貴重なタンパク源にされているのだと思われます。

モンゴルの、確かセレンゲ河沿いの道端で売られていたツァガンザガスの燻製。
シナノユキマスと同じカオしてますね。

今回、秋の風物詩でもある小鮒を買いに佐久を再訪した際に、その前に佐久鯉を買いに来た時に買い損なっていたシナノユキマスも序に購入して来ました。

このシナノユキマスと言うのは、1975年に長野県水産試験場佐久支所が(当時の)チェコスロバキアからコレゴヌス・ぺレッドを導入、その後様々な試行錯誤の末に、1980年頃には世界で初めてとなる事業規模での完全養殖技術を確立されたとの由。その後、1983年には当時の長野県知事により「シナノユキマス(信濃雪鱒)」との命名され(中々にシャレたネーミングですね)、全国に送り出されたとのこと。その後2000年前後からは孵化管理のし易いコレゴヌス・マレーナを主体とした採卵に移行したらしい(シナノユキマスの完全養殖に迄至る苦労話はコチラに詳解されてますので、ご参考迄)。
そのシナノユキマスが今でも長野県水産試験場佐久支所での養殖が続けられていて、ソコでは一般販売もされているので、今回佐久再訪の際に買って来たと言うワケです。

そのシナノユキマス。
改めて良く見てみると、鮭科にしてはウロコが大きいし、おカオが鮭鱒っぽくないので、鯉科っぽくみえてしまいますが、アブラ鰭もチャンと付いてて立派な鮭科です。開いてみて分かるのですが、アトランティックサーモンや他の鮭類とは違い、白身です。実は降海する鮭類も白身魚に分類されるのですが、彼らは降海した際に甲殻類や小魚も良く食べるコトもあって、甲殻類等に含まれる赤っぽい色素であるアスタキサンチンによって身が赤っぽくなると言うワケです。
でも、このシナノユキマスは降海しないし、そもそもが養殖魚でアスタキサンチンを含むエサで飼育していないので、元々の白身のまんま、と言うコトです。

鮭科っぽくないおカオ立ち。
開いてみると、白身。

今回は刺身・カルパッチョ・ムニエル・アクアパッツァにして食べてみましたが、元々がクセの無い白身だし、割と脂も乗っているコトもあって、どうやって食っても美味い。所謂、万能選手的なおサカナですね、こりゃ。悪くないですね。

シナノユキマスの刺身。切り方を変えてるだけです。
シナノユキマスのカルパッチョ。
シナノユキマスのムニエル。
シナノユキマスのアクアパッツァ。

今回購入したシナノユキマスは飯田養魚場さんから直接買ったのですが、豊洲にも一部出していると聞いていたので、出している豊洲の仲卸さんに聞いてみたら、全量輸出に回してて(って、ドコに出してるかと思ったらアメリカでした)、豊洲での販売はしてないとの由(涙)。と言うコトなので、シナノユキマスを買うには佐久に行くか、送料掛けて送って貰うしか手立ては無さそうです。
さてさて、どうしますかね?(笑)

明日は「開業準備・各種補助金」についてお届けする予定です。

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