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このご時世での渡航、これって洗礼?

関空行きが週に1便しか飛んでおらず、しかもとても混んでいると聞いたところへ持ってきて、私が調べた頃の値段は異様に高いわ、なんだかんだで、毎日飛んでいる羽田発着に決めた。JALだ。
 
前日にPCR検査を、飛行機会社が紹介してくれたコリアンタウンのドクターのところで受けた。
車の中に待ったまま、駐車場で鼻の穴に綿棒を突っ込まれ、陰性証明を持っていく。到着か出発かの70数時間以内のものではないといけないので、出発日が明日だというその日に検査へと行った。

さてJALといえば、、、
以前のマイレージカードが苗字と名前が逆になっており、マイルもたまらず不便だったので、一から作り直すことにした。

とにかく、前日に見ても、未だにシートがバリバリに空いていて、飛行機の中に6人くらい?と、こりゃコロナ的にも心配をする必要はない、と安心していた上に、こんな感じだから空港へのチェックインタイムも国際線なのに初めて一時間半前くらいでいいな、と思った。

事前チェックインをしようと思うが、できない。
んーー、コロナの影響?
とにかく二十四時間を切ったらきっとチェックインができるはず。

二十四時間を切ったけど、まだできない。
もしやまた苗字と名前が逆だったりして、いやいや、そんなのありえないけど、もう一度見てみよう、と見てみるが、
JALのeチケットには、名前、と苗字がバラバラには書かれていないので、確認のしようもない。

当日の朝、それでもやっぱり二時間前には着いておくか、と早めに出ると
あらら、列が。。。。

ちょっとドキドキしてくる。


1)思ったよりも混んでいた理由
さすがに一時間待つと、トイレにも行きたくなるので、近所の人に頼んでトイレへ行き、戻ってきてその人と話す。
「実は昨日、台風で飛ばなかったんですよ。だから今日に振り替えで困っちゃいましたー」とのこと。

混んでいた理由がわかった。


2)搭乗手続きのお兄さんに私の運命が!
空港のカウンターで私の番がようやく来た時、
「お客様。実は、名前と苗字が逆さまです。もしかしたら上のTSAカウンターでハジかれるかもしれないです。そしたらもう一度こちらへ戻って来て、航空券を買い直していただくことになります」

な、何を!!!
航空券を買い直し!!!?

「ここで名前をなおしていただくことはできないのですか?」
「もう無理なんです。あとは、搭乗手続きの人次第なんです。ソレに賭けるしかないのです。その人がオーケーと言えばオーケー。ダメだと言えば、こちらに戻って来て、買い直しの手続きをしてください」

私の運命は搭乗手続きのTSAのチェックする人にかかっている!

でも、それからチケット買い直して、飛行機の時間に間に合うのか?
私の荷物だけ先に飛行機の中。そして私は乗れなかった、なんてことになると、シャレになんないんですけど。

だけど、私は最近「何が起ころうと、ベストなタイミングで起こるべくしたことが起こる」モードにどっぷり浸っているので、それはそれでいいのかな、とも思いつつ、脇汗を感じながら搭乗手続きのカウンターに続く道に並ぶ。

人員整理してるおばさん、私の前で、「はい、あなたからは、あっちの列へ」と長い方へ並ばせる。 
ちっ。

ようやく私の番になった時、搭乗券とパスポートを見たあんまりやる気なさそうなお兄さんが、とてもテキトーに「ふオッケ〜〜ん♫」と鼻声混じりに言った。
無事通過。

そんなもんなんだーと感心してしまう。
 

3)到着
すげーよ、すげーー。
まるでものすごいライドもんに乗るかのごとく、並ぶ。

チェックポイントが20箇所くらいある。

そもそも、アメリカの搭乗前日に、コロナ検査を受け、その陰性証明書を持ち、アプリを三つダウンロードし、厚生省のなんとか証明に記入をし、QRコードを印刷しとけと言われ、私たち旅行者はドキュメントまみれだった。
それらをロサンゼルスの空港でもみせ、こちらへ帰ってきても「はい、QRコードありますか?QRコードのチェックです」そのあと、「こちらでサインしてください」「こちらで提出してください」などなどなど、数えてなかったけど、20箇所ほどあったんじゃないかと思う。
犯罪者になった気分。何にも悪いことしてないんだけど、こういうのってそんな気分にちょっとなることを発見した。

そして、羽田でもPCR検査アゲイン。
こちらは唾液検査。

プラスティックの試験管を渡される。
これがね、案外量があるのよ。

「はい、お好きなブースへ入って、唾液をお取りください。この赤い線までね」

ブースには梅干しとレモンの写真が貼ってある。

なるほど。。。
精子のテストをするときのエロ本みたいなヤツね。
だとしたら、梅干しなんて外国人には効かないと思う。

それを終え、ブツを提出し、
次はアプリの使い方をマンツーマンで教えてもらう場所。
 
まあ、日本語の上手な外国の方たちがサササと教えてくれるんだけど、サササすぎてうっかり消してしまったり。ウケる。

ほんで、説明は別な場所。
うわあ、毎日チェック?ビデオ電話かかってくるの?
 
しょうがない。
 
 
私はワクチンを受けているので、
日本入国ごの翌日から数えて10日目に、自費でPCR検査を受けて提出すれば、4日間だけ”刑期”が縮まるのだそうだ。
 
2万円ほどかかって4日の短縮かぁ。。。

ま、考えよう。
 
 
4)犬が吠えた!
荷物を待っている時、ビークル犬が検察官と一緒に回っていた。ああ、マリファナとか持ってるやつ、捕まっちゃうんだよなー、バッカだねー、このご時世に無駄な努力を、と思って見ていた。
すると、その犬、私のところへ来て、なんと吠えたのだ。

「このわんちゃん、植物に対して吠えるんです。何か植物的なもの持ってらっしゃいますか?」

食べ物的なものは、大きなバッグなので、この小さなバッグには吠えられる筋合いのある要素は1ミリもないのだが。。。

検疫へとカバンを持っていき全部開かせられたが、怪しいモノは一つもない。
きっと、うみバナナ(うちの犬)に反応したのでは?と検疫官と話して笑った。

さて、大きな方の荷物も受け取り、税関でも珍しく「開けてください」と言われた。
なぜかというと、お土産「ナシ」にチェックしていたから。日本の人でお土産ナシ、はありえないのだと思う。
何百ドルも行かない人は書かなくていい、と書いてあったし。

「すみませんが、ちょっと拝見していいですか?」
と検査官さん。
大きなバッグを開けると中にあるものは「ピーナツバター」とか紅茶とか、ハーブティーとか、それらを見た検査官のハナが「フッ」と笑ったのを私は見逃さなかった。
「あ、コレ系ね」と付け加え、検査官は速攻で私のバッグを閉めた。

コレ系で悪かったわね!

で、後で考えてみたらね、、、
さとうみつろうさんのブログの「葉っぱ一枚足に貼る」っていうのをお友達が紹介してて、それで実は足に植物(葉っぱ)を貼ってたワケ!
それにビーグル犬が反応したらしい。
よくできたビーグル犬だった。

さとうみつろうさんのせいだ!!(嘘)
 
 
5)遠い昔の有色人種を思う
で、ホテルへ向かおうと探すと、ターミナルが違うのでターミナル間運行バスに乗って行きなさいと言われ、そこへ行った。
 
「もしかして、海外から帰って来たのですか?」
「はい」
「では、この車両には乗れません。帰国者専用のバスにお乗りください」
と。。。
 
その帰国者専用のバス乗り場を探し、大荷物を持って歩く。

不思議な気分がした。
いわゆる「バイキンがあるかもしれない」扱い。

遠い昔のアメリカでは、このように「カラード(有色人種)」は扱われたのだろう。感慨深かった。

さて、私がバスに乗り込んだ5分後にいきなり稲光がし、ザーーーーっと大粒の雨が降った。
「うわあ〜〜!こりゃバケツひっくり返したみたいだなあ!こんな中、別のお客さん来ちゃったら困っちゃうなあ。あんたが降る前に入ってくれてよかったよ!」と運転手さん。
これはマジでどんな傘をさしても無理だろう。本当にバケツどころか、ドリフの洗面器を1000回ひっくり返した系の雨量。

稲妻は一時間ほど続き、私がホテルに着いた時にもまだ続いていた。

貸切のバスの中、
豪雨と稲妻のすごい洗礼だ!と思っていた。


6)タクシーの手配
チェックインを済ませ部屋に入る前に、翌日のレンタカーオフィスへの移動の手配をしておかなければ。。。
とてもとても親切なフロントの若い男性が、色々と手配をしてくれる。本当に優しい。英語で言う所の、とてもスイートな人だった。が、スイートっていうのは、仕事ができる人に使う言葉ではないんだよね。

とにかく、私のスマホからはラインOUT経由でないと電話もできないので、「恐れ入りますが帰国者用のタクシーを一台お願いできますか?」と頼む。
すると電話帳を持って来て「ここのページの会社に、一社づつ当たって見ます」と。
んーー、この時代、ネットで探せばすぐなんじゃん?と思うも、放っておいた。

部屋に入るとプルルルルと部屋の電話が鳴る。
「先ほどのフロントです〜。上から順番にかけて12番目のところが受けてくれそうです!」

いや、私はアナタの上司じゃないので、いちいち報告いただかなくてもいいのだけど
「あ、そう、助かります。ありがとう」と告げる。

その後ももう一度電話がかかり、
あ、フロントです〜。さっきのところじゃなくて、なんとか交通さんに変更になりました、と。

どーだっていいので、お願いですから、一台、回してください。
引き継ぎだけどうか、よろしく。。。
 

7)顔面に!!!
疲れを落とすべくシャワーを浴び、明日のズームの背景になるに一番いいアングルを探す。それがベッドの枕元の上の棚だった。
位置極めもしたので、パソコンを固定し、これで明日の準備もバンタンだ。
明日の朝、焦らないように、このまま固定しておこう!。

あらかじめ買っておいたおにぎりを食べ、疲れてベッドに入る。
寝返りを打った途端、手に何かが引っかかった。
と思ったら、すごく重たいものが私の顔面を直撃した。

イタ〜〜〜〜っ!!

脳天をかち割られるような痛み。

寝てるのにわざわざ丸まり直して痛がった。

数秒後に、セットしたパソコンが、寝返りによってケーブルが手にあたり、落下したのだとわかる。
パソコンは私をワンクッションしたあと、床へ。

パソコン、壊れてない?あ、でもいざとなったらiPadもあるし。

それより、鼻、折れてない?折れてない?

鼻をなぞるが、折れているような痛みではない。

あ!そういえばレスキューレメディと、ホメオパシーのアルニカを持っていた!
それだ!!

とっさにそれを塗る。
で、手のひらを見ると、、、

流血!!!
ヒョエーーーーー!んじゃそりゃ!!!

風呂場へ行って鏡に映すと、
くっきりと二本、鼻の上に「iBook air」ならではのスジが。。。

とにかく、明日は早い。
寝よう。。。
 
 
8)真夜中のコール
真夜中のベルが鳴る。
なに?だれ?
親もここを知らないから、なんで私に電話がかかってくるわけ?

するとフロントのさっきの人が
「あのーー、お休みのところ申し訳有りません、
明日の3時って、お昼の3時ですよね〜?」

時計を見ると2時半だった。
泣く子も黙る 丑三つ時じゃねえかっ!!!


9)一時間も!?
フロントへ早めに降りていく。

2時50分に降りていくと、どう見ても泊まり客じゃない大柄の人がいた。
「マサヨさん?」
ってかよ、友達じゃねーんだから。

はい、と答えると
「もう一時間も待ってましたヨ」

「いや、私、3時にお願いしたので」

と答えると

「ホテルのお客さん、早くくる人アルね。だからお待ちしてましたよ。一時間も!」

いや、頼んでねーし!

 
10)ナビのせい
帰国者タクシーは特別料金。全てのタクシーに帰国者が乗れるわけではない。全部消毒し、ハイヤー扱いの、最低乗車料金は1万2千円くらいからだとのこと。
でも行かないとしょうがないし。公共交通機関は乗ってはいけないのだ。

私の目指すのは、エクスペディアで予約しておいたHeartzレンタカー。
だいたい、このレンタカーの電話番号が書いてない、ってエクスペディア、どうよ?
だけど、地図と番地はあるから、ここへいけばいい。

運転手は行き先は聞いてるからわかってます、と答え、ナビにあらかじめ入れてくれてあるらしい。
おお!頼もしいね!

15分も乗ったところで「確か、この辺です」
と止まったのが、超狭い路地のど真ん中。

え?

あの、

どう考えてもここにレンタカー屋さんないよね?

「いや、ナビでここ、って出てますから」

ここは私も引いちゃいけないよ。

「ナビで出てたってさ、住所も違うし、ここにレンタカーあったら、あなたここで借りようと思う?ここ、完全な住宅街なんですけど。もう一回探そう!」

私がじぶんで調べようとスマホを開けると。。。

しまった!ワイファイのルーター、ホテルに忘れてきた!!!

これは逆にいいこともあった。
14日間どこへも動いちゃいけない、私のGPSの履歴を残さなかったことになるので、長風呂でも入っていたことにすればいい。

気を取り直して、これは人に聞くのが一番だと、私は窓を開け、近所のオッサンに聴きまくる。オッサンと言ってはいけない。ここでは「お兄さん!」と呼んで、訪ねた。するとほとんどのオッサンは止まって聞いてくれたが「ハーツレンタカーなんて知らない」と口を揃えて答える。

15分で着く場所へかれこれ一時間、この運転手さんと旅をしているので、若干お得な、っていうか1万2千円の元をとった気になった。

結局、
「さっき、トヨタとかニッサンのレンタカーのお店あったよね?とりあえずそこへ行ってくれる?そこで聞いてみるから!」
運転手さんに待っててもらってトヨタの中に入るとトヨタのドアに小さく「Heartz」と貼ってあった。

わからんっ!ちゅーに!!

結局運転手さんは親切すぎるナビに則り、裏道を走り、駐車場の裏側に着いたというわけだった。

運転手さんに1万2千円を支払い、領収書は後日送られてくるのだという。

レンタカーのオフィスでは
「あっれ〜〜〜、送迎サービスありましたのに〜〜〜!」

でもエクスペディアのには電話番号が書いてなかった。
 
「あ〜〜すみませんねーー!」
そこではお兄さんはすごく親切で、「後一時間早く返却されると一日ぶんやすくなりますよ」と教えてくれたり
「ロサンゼルスですか〜。自分は一度行ったので、とても懐かしいです」
などとリップサービスをしてくれる。
いざ車が来て、気の利いたことの一つも言おうと思ったら、そのお兄さんはヒラリと次の仕事へ。

なんかさ、ほんの一瞬だけ、ホストに振られた気分がわかったような気持ちになった。

えにうえい、アタシは車を手に入れた。

実家近くの敦賀まで、乗り捨て42000円!
あとは敦賀から実家のオバマまで、他の人の車を借りる手配ができてるから、それでヨシ!

11)
レンタカーの駐車場の矢印を追いかけていくと、屋上に出た。(笑
2階からわざわざ屋上へ。。。どうやら、どこでUターンしても良かったようだ。ようやくの思いで外へ出る。と、大きな道へ。環八か?
 
左折する矢印が出ないけど、まっすぐへの矢印が出ている。
これは行っていいのかな?
アメリカの場合、右折になるが、人がいなければ赤信号でも行っていい場所。
ちょっとモジモジしながら周りを見ても、後ろの車も迫ってきてるし、しょうがない、行こう!

私は左折した。
大丈夫大丈夫、誰も見てない。

そこは狭い路地になって行ったが、そうそう!今のうちにお水だけ買っておかないと!とローソンで車を止める。

するとそこへ
「あ、ちょっとすみませーん」と若いお兄さん。紺色の帽子と制服がよくお似合いで。
しかもハアハア言っていた。

「先ほど、信号のところ左折されましたよね?あのときの信号、何色だったか覚えていますか?」

警察官だった!!

ってか、あそこから軽く10ブロックくらいあったと思うんだけど、パトカーのサイレンも鳴らなかったし、どうして今、それがわかるの?と思うと、そのお巡りさんは自転車に乗っていた。

「あの、もしかして、自転車でここまで追いかけてこられたんですか?
 うわーーー、すっごい労力を使わせてしまいました。御免なさい!!」
と私は誤った。
だって、すっごいスピードだもん!

とにかく、見てしまっちゃったんでねー、申し訳ないけど、切符切ります。
手続きに時間が少々かかりますんで、買い物があるならローソン行っててください。
あ、免許証、お願いしますね。

と。

私はカリフォルニアの免許証と、国際運転の許可証を渡し、おまわりさんの言ってくれたようにローソンで買い物を済ませた。

戻ってきたら
「あのですね。今回はですね。僕、多分、数メートル、目を閉じちゃったんですよ。あなたが何をしたか、僕は知らない。そして目を閉じちゃった瞬間に本当にこのナンバープレートかどうか、僕がしっかりと自信を持って言えないんです。だから、今日はここまでにしておきます。でもね、本当に日本での運転、気をつけてください」

「え!本当ですか? でも本当にごめんなさい。あんなに自転車で走らせてしまいました」

「いえ、大丈夫です。本当に、お気をつけて」

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これが、私の10月1日から10月3日までの出来事である。

なんだか、すごい洗礼を受けたような気がする。
 
何が起こるのか、何も起こらないのか、

Well see!!

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