表紙

こんな時代に必要なことは 『シャーマンキング』 が教えてくれていた。

はじめに

現代は時代の過渡期と言われているように、様々な変化が起きていて今後どうなっていくか先行きが予測できない時代です。
そんな世の中でどんな風に生きていけば良いか分からず不安な方も多くいらっしゃるんじゃないかと思います。

そんなモヤモヤとした不安を感じていた自分も、『シャーマンキング』というマンガをふと読み返してみて、改めて色々と感じたことがありました。


同世代の方には知っている方も多くいらっしゃると思いますが、当時の他の少年マンガとは少し違った雰囲気を持っていて、ただのバトルマンガでもないし、主人公も熱血系ではなくユルい系の主人公で、読了後の感じが他のものと違うのも今でも覚えています。

「あの当時(学生の頃)では気づけなかったことが多かったな」と改めて思い、今回は再度読み返してみて考えたこと・感じたことなどを書いていきたいなと思います。
(個人的備忘録としての意図が大きいのですが…。)


個人的には『多様性の重視されるこれからの時代に必要なこと』『生きていく上での指針など』など、これからの時代に必要なことを多く含んでいると思いますので、ぜひ一度お読みいただけますと幸いです。




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『なんとかなるって なんでもやってみなきゃはじまんねぇだろ?』

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こちらの『なんとかなる』という言葉は、主人公である “麻倉 葉” がよく使う言葉なんですが、ただ「何も考えずに運任せにいこう」という意味でこの言葉を発しているのではないと思います。

一見、場当たり的な感じを受けるこの言葉ですが、決してそんなことはなく、下記のようなニュアンスを含んでいると僕は考えます。

『ちゃんと考えて自分が信じることがあるのであれば、アレコレ悩むよりもやってみよう』

『起きていないことについて色々と悩んでいても何も始まらない。今はまだカタチになってなくても、自分が信じたことをやり続ければ将来カタチになるだろう。』


また、個人的にはどちらかというと『なんとかなる』という意味合いよりも、『なんとかする』という言葉に近い意味合いを含んでいると思っています。

「なんとかする」と言ってしまうと、自分を追い込むかたちになり、精神的に切羽詰まってしまい余裕が生まれず、臨機応変に対応できなかったり、視野が狭くなってしまったりと、上手くいくはずのものも上手くいかなくなってしまいがちです。


「なんとかする」ために自分のベストは尽くすけれども、

・そこに「余裕」を忘れないように、
・どんなことが起きても対応できる(他人の失敗も許容しサポートできる)ように、
・大きな視野で捉えられるようにするために、

『なんとかなる』という言葉を使っているんじゃないかと個人的には考えています。


私たちもこの不安定で複雑な時代を生きていくには、『余裕を大切にしながらも力強く自分を信じて生きていく』という姿勢が重要なんじゃないかなと個人的には思います。


他のシーンでも、

『 本物の楽々はきっちり頑張らんと味わえん 』

と言っているシーンもあり、彼の考え方・価値観がよく現れている言葉だと思います。

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『もうひとふんばりいくか』も気負いすぎない彼らしい良い一言です。)





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『何が大事かは人の勝手だ そいつが本気でやってりゃ 上も下もねえだろ』

何が大事かは人それぞれ

こちらのシーンは「なんのために戦うのか」という相手の質問に、仲間の一人(ファウスト)が「死んだ彼女を蘇生させるため」と答え、相手に「自分の相手がそんなくだらない理由で戦ってたとは」と見下された時に発した言葉

『色々な考えを持った人がいて、それに優劣なんてない』ということは言葉としては認識していても、実際は自分の価値観で相手(自体・相手の大切にしていること)を評価してしまったり、自分の価値観を相手にも押し付けてしまうことが現代の人(自分含め)には多いんじゃないかなと思います。

特に日本では、学校教育・SNS・村社会文化などの影響が大きくあり、「同調圧力」が強かったり、「無理・我慢・努力できる人はすごい人だ」という価値観が強かったり、「自分の経験だったりから培われた考え」を他人にも求めてしまうことが多くあり、日頃のビジネスシーンでは特に起こっているんじゃないかと思います。(最近それが問題になってきていますが…。)


多様性が重要になってきている社会で生きていくにあたり、『「こうあるべき」なんてものはなく、各人が大事にしていることに優劣なんてない。』ということを、改めて再認識させられる言葉だなと思います。




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『正義だろうが悪だろうが 選択すんのは人の自由だ』

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何が「善」で「悪」なのかは人によって変わります。
逆に、それは「善」「悪」は表裏一体で、絶対的な「善」も「悪」もないことを意味すると思います。

そして、何を「善」として「悪」とするかは人それぞれの選択で良く、ネクタイをした少年(リゼルグ)が言うように「何をしても良いが、その選択の責任は自分に返ってくる」と自分も思います。
(マンガでは『やったらやり返される』という言葉を多く使って表現されています。)

恥ずかしながら学生の頃はここを読んで「なるほど。自分が責任を取れば何をしたっていいんやな。」とだけ認識してましたが、この右側の主人公(麻倉 葉)が言うように『その選択で誰かが被害を被ったり、それによって自由に選択出来なくなってしまうのはいけない』というのは最近になってすごく腑に落ちました。

誰にだって自由に選択する権利があるのであれば、逆に自分の選択で相手の選択を奪う(狭めてしまう)ことはしていけないという義務もあるのではないか。それが人間社会で生きていくために必要なことなのではないかと。(人間が生きていくためには、何かしら他人と関係を持つものなので)




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『自分の進むべき道は心で決めなさい』

マタムネ「心で決めなさい」

“マタムネ” という猫(1000年前の猫の霊)がどうしたら良いか迷う主人公(麻倉 葉)に向けて発した言葉。

現代は時代の流れが早かったり、情報が大量に自分の中に流れてきたり、また日本の村社会文化などもあり、自分の意思決定も「外的要素」に大きく左右されてしまいがちです。

正解はないのに正解を求めてしまったり、自分で考えずに世の中の情報・世間体などに左右されてしまったりと、なかなか自分の「内(心)」の要素を踏まえることが出来ない方が多いんじゃないかと思います。

そんな時にこの言葉を思い出して、「本当にそれは自分の心で決めた選択なのか」と何度も問いかけ直していくことがこれからの時代には必要なのかもしれません。

(※個人的には、外的な要素を全く無視するのではなく、外的な要素は黙っててもいっぱい入ってくるから、意識的に内的なものを見出していくことが今は必要なんだろうなと考えています。)

似たようなことを以前、考察してまとめましたが、マタムネが一言で締めてくれた方がビシっときまりますね。笑
「キャラクターのバックグラウンドやストーリーから一言でいろんな意味合いを含ませられる」この辺がマンガの良い所なんでしょうね。。




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『出来るも 出来ねェも 全ては「思い」一つなのに 数字ってやつは つい人にそのどっちかを決定づける魔物なんだ』

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日本の教育ではテストの点数や成績などの評価、偏差値や検定など多くのことを「数字」で判断してきましたし、現在でもそうしていると思います。

仕事でも「数字」で管理・評価し、数字で考え・議論し意思決定をしている企業が多いと思います。

物事をスピーディーに進め、かつ、分かりやすく考えていく際には数字はとても良いものです。

しかし、現代は少し数字に捉われすぎているのかもしれません


点数・評価・年齢など、あくまで一つの尺度でしかないのに、その尺度だけで自分の可能性を狭めてしまい、必要ないのにカゴの中に入れてしまう。

そして、その単一の尺度だけで自分の価値を決めてしまって、自分のやりたいことなんかを諦めてしまいます。 本当にもったいないことだと思います。

人間なんだってできると思いますし、いつからでも新しいことに挑戦できますし、変われると思います。

心が無理って言ったら


葉くんもこのように言ってるので、諦めずに自分を信じ続けましょう。なんとかなります。




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『オレは強い それがオレの不迷(マヨワズ)なんだ』

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これは下記のように、序盤は強キャラ的なポジションだったキャラクター(蓮)が、自分より強い敵に何人も出会い、自分の「立ち位置・弱さ」を否応無しに知ってしまうシーンです。

でも彼はそこで心が折れるのではなく、『自分の弱さは認めるが、容認はしない。だからオレは強い』と言葉を言い放ちます。

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私たちもより広い世界を知れば知るほど、自分よりも上の人がゴロゴロいることを知り、劣等感でいっぱいになり、自分の小ささを実感します。

そして、それが続くと「自分には才能がない」「自分に良い所なんてない」「どうせ自分なんかがやってもできっこない」なんて方向に考えてしまいがちです。

それでは自分がやりたいことも、なりたい姿にもなれません。
だからこそ、この彼が言うように、「自分より上がいて当たり前。でも、それでもオレが一番なんだ。」開き直って、自分を信じ続けることが大切なのかもしれません。


そもそも上とか下とかの概念自体、外的なものであることが多いので(テストの点数・評価など)、他者と比較するのではなく、また既存の尺度の中で競うのではなく、自分の中で・自分の尺度で・自分を認められればいいと思います。

誰かの評価軸に合わせる必要なんて全くなく、自分で自分を認められるように行動していくこと自分が納得できることが一番重要なんだと思います。




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『しがらみのない世界が本当に出来たらきっとみんな楽になれる』

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このシーンは一度死んでしまった蓮を、主人公の葉くんが助けるシーン。

この言葉は自分の中で、今後実現していきたい世界観の指針となった言葉です。

みんながみんな、各自の価値観に基づいて、自分の納得した生き方をしていけるようになれば、他人の価値観(社会的な尺度)なんか気にせず生きていけるようになるし、余裕も生まれて他人にも優しくなれるんじゃないかなと。

マウンティング取り合いなんてダサいことはやめて、お互いに尊敬しあって、刺激を受け合い、またさらに新しいものや、より良いものが生まれるような世界にしていきたい。

そして、この葉くんのように、もっと可能性を持った次の世代がさらに発展していけるようにサポートしていきたい。(自分たちが出しゃばるのではなく)


まだまだ力不足なんで何もできてませんが…。
まあなんとかなるかなと。笑



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まとめ

ということで、今回は私が学生時代に愛した漫画の一つである『シャーマンキング』からいくつか自分の心に深く刺さった言葉を書いてきました。

今の自分にはこれらのシーンがグサグサきたわけで、他にもたくさんの名シーンがありますし各人によって響くものは違うと思いますので、ぜひ一度手に取ってご一読いただければなと思います。


マンガというものは娯楽の一部と考えられがちですが、個人的にはそのキャラクターの経験を仮想的に経験できる良い教科書だなと本当に思います。

なかなか周りに自分のロールモデルが見つからないなんて人はぜひマンガのキャラクターでロールモデルを見つけてみるのもアリかもしれません。

(以前、どこでかは忘れましたが、「ロールモデルは現存する人よりも歴史上の人物が良い。なぜなら、歴史上の方が自分の理想がどんだけ上がってもそこが崩れることが少ないから。」と著名な方が言っていたのですが、マンガのキャラクターもそれにあてはまるんじゃないかなと思います。)


まあ、マンガの種類にもよりますし、何をそこから汲み取るかも人それぞれなのでこうしろとは言いませんが、どうせマンガを読むのであれば多くを汲み取っていけると個人的には一石二鳥かなと思います。(自分も全てのマンガでそんな読み取ろうとしているわけではありません。)

大丈夫オイラ達ならなんとかなる


お わ り !


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