見出し画像

ウイルス的なものからウイルスへ:偶然性の進展


四月八日に見た夢——ニューヨークの駅にいて、電車でパリに行こうとしている。時間がぎりぎりで、チケットはフランス南部の町までしか取れない。そこから乗り継げばパリまで15分だという。英語とフランス語をしゃべっていて、目覚めたら、寝起きなのに妙に疲れていて、体がこわばっていた。それで二度寝したら、そういう夢を見たんですよ、と駅の黒人女性に説明する「メタ夢」を見た。しょうがなく三度寝して、やっと緊張が解けた。

新型コロナウイルスの感染拡大に関する緊急事態宣言が出て、翌朝の水曜日。

コンビニで朝メシを買うついでに、何か変わったところがあるかと自転車でひと巡りしてきた。マスクをして出勤する人がいる。喫茶店も開いている。飲み屋も朝の仕込みをしている風だった。今日は暖かい春の日だ。

昨日、従兄弟とLINEでビデオ通話をしている途中で、叔母が出てきたので近況を話した。叔母が、もし自分が感染したら「申し訳ない」とか「悪かった」と思ってしまうと言うので、そんなふうに思う必要はない、そう思わせるような世間の圧力が間違っているのであって、それを批判すべきなのだと説明した。

ここから先は

2,111字
日々の経験に反応して書く、というのは僕自身のレッスンなのですが、それが読者の方々にとって「何かを書くこと」の後押しになればと願っています。更新は月3回以上を目標にしています。

生活の哲学

¥500 / 月

生活から浮き上がってくる考察、執筆・仕事の方法、読んだもの見たものの批評などを連想的つながりで掲載していきます。Twitterでは十分に書…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?