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ヒップホップへの距離感
そろそろ原稿を——小説を——リブートしなければ、と思いつつ10月も終わってしまう。先日、小説のScrivenerファイルを作り直した。やはりイチからやり直すのがいいだろうと判断。前に読書猿さんが、原稿を何度も最初から始め直すと話していて、それが心に残っていた。最初からやり直すって、全部ご破算にするわけじゃなく、途中までを頭に置きながら最初から書くわけだ。そうすると、いわば「総合性のレベルが上がった」書き方になる。より総合的な書き方にする——というのは、書いているものへの自分自身の理解を深めるということだ——には、まとまった量の書き直しが必要なときがある。という意味で、「最初からやり直す」というのは、だから、続きをやることの一様態なのである。
今日の午前中は、ヒップホップについてのラジオ番組収録。司会の方の振りに合わせてコメントする。依頼が来たとき、どうして僕なのかと疑問だったが、『勉強の哲学』で言語の重要性を言っていたのを読み、いまヒップホップは若い人にとって言葉への意識を高めるきっかけになっているから、というつながりなのだそうだ。そういう文脈づけなら話せるだろうとお引き受けした。ヒップホップと現代、ということでいくつか考えを述べたので、放送を聞いていただければありがたいが、そこで十分言えなかったことをここに書いてみたい。
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