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脱走兵を英雄と見た国、絶対許さない国。僕の大好きな勝新太郎。

アメリカ映画には厳しいコードが存在する。戦争において脱走した兵士を許さないというものである。軍隊は絶対的な正義であるというメッセージである。殺さなければ殺されるのだから殺人さえも正義なのだ。確かに多くの戦争を見てみれば分かる。
しかし、その殺人は、決して戦場に行くことのない方々の富のために行われるのである。
翼賛会的報道を見ていれば自由を守るための戦いと見えるであろうが、それは偽装である。毎日報道を見るたびに憂鬱になる。

戦後の日本の国民感情では軍隊は悪であった。その点を十分理解していないと自衛隊の位置づけや平和憲法の価値はわからない。いかに「政治的に正しく運用」されている軍隊であろうとも、その内側は一緒である。
いつも殺されるのは、敵味方関係無く貧乏な市民である。

勝新太郎がキュートである。

先の大戦で、多くの市民が国によって殺された。1965年僕が5歳のときの作品である。「兵隊やくざ」と言う映画では、軍隊という世界に閉じ込められた市民がその中で自分として生き抜こうとする物語である。
そして、軍隊というものの理不尽さに共感する。そして、リンチを加える上官もシャバでは普通の市民であって。軍隊の階級というものが暴れるのである。会社におけるパワハラと同じ構図である(笑)。

乱暴者の大宮は、何度も喧嘩して血まみれになる。しかし、その喧嘩にはみな納得できる理由がある。教育係の有田上等兵は、彼の内側に人としてとても大事なものを見つけるのだ。
彼らの友情の物語である。
「へそ酒」というのには驚いた。下の方に酒が流れなければいけないそうである。わかめ酒というのは聞いたことがあるが、実際にはへそから注ぎ込むのである(笑)。お色気もそれなりにたっぷりである。

この映画を見ると、勝新太郎の国民的な人気の元が分かる。

僕の父母も親戚縁者を多く戦争で失っている。彼のように生きれたら、死ななかったろうにと思ったことであろう。

「悪名」と言う映画が、この映画の前日譚であると思うのだが、こちらも素晴らしい。


僅かではあるが、脱走兵を「犯罪者ではない」と扱う国(映画)もある。ロング・エンゲージメントというフランス映画を見たらちょっと驚いた。この映画では「戦争が絶対的な悪」であると描く。


もちろん座頭市も好きだ。ほぼ全部見ている(笑)。

アメリも好きだなあ。ロング・エンゲージメントはアメリの余波で見てしまったのだ。アメリには泣かされた。


厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。