見出し画像

佐渡沖マダラ300円、生命に溢れた食事

このマダラには驚いた。お腹がパンパンである。妻が買ってきたので早速捌いた。海は一つの生命のようである。魚はその一部であり、私達に生命を持ってきてくれる。
身体というコロニーにおいて生命は出会いダンスしている。「食事、セックス、受精、出産、感染、逝去、腐敗、発酵」全ては大きな潮流の中にあるのだ。

食事は「栄養素」などという愚かな尺度で測れるものではない。

まるで卵が薄い皮をまとって泳いでいるようではないか。海の一部が私の中にやってきてくれる。そして身体の内なる海に満ちて、言葉をかわすのだ。
アタマと内臓を抜いて、背骨と身をぶつ切りにする。卵がボールいっぱいにでた。さすがにこの量は初めてである。
お店で売っているのはもっと若い卵だ。身体から外したらバラバラである。もう少しで海に放たれたのだろうな。よく来てくれたイラッシャイ。
エラがとてもキレイである。こんな大きなマダラをバラしたのは初めてかもしれない。
下から見たエラ。美しい。
エラだけ捨てて、他は皆食べる。卵は今日煮付けて、残りは明日鍋にする予定だ。
このあたりでは、糸コンと生姜に人参でジックリと煮付ける。しかし,とんでもなく量が多い。
酒、味醂、醤油、顆粒だしを煮立てて生姜を加熱する。
皆入れて煮始める、余りかき回すとバラバラになるので気をつける。
30分ほどでしっかり煮えた。猛烈に美味しい。お店では売っていない味である。

アタマと身、内蔵は明日にとっておく。
タッパに入れる。明日は汁にするか、煮付けにするか。
冷蔵庫に収まった。
マユと同じくらいの大きさであった。
虎視眈々である。美味いものは分かると見える。

#マダラ

厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。