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軍師の境遇

読んだ本の感想をnoteに書いてみませんか?

今日のnoteを書こうと立ち上げたら、いきなり、そんなメッセージが、、、昨日の続きの内容を書こうとしていたのですが、これも何かのご縁だと思い、最近読んだ松本清張の「軍師の境遇」という本について書こうと思います。

これは私の大好きな黒田官兵衛、またの名を黒田如水の物語です。

「俺が死んだら後は誰が天下を取るか遠慮なく言ってみよ」
秀吉が思い浮かべた男は片足が不自由で、風采のあがらぬ軍師官兵衛の姿だった。

松本清張 「軍師の境遇」

思慮もあり、度胸もあり、人を使うこともうまい。智謀の深さと広さは天下に類がないと秀吉に思われた結果、まだ40代の若さで秀吉の警戒心を解くために如水と称してとっとと隠居してしまっています。

歴史にもしはないけれども、もし、秀吉がいなければ、黒田官兵衛は天下をにぎったかもしれない、、、と言われていますが、私が描く官兵衛像は、あふれんばかりの実力がありながら、それをひけらかすような真似はせず、控えめで謙虚な性格だと感じているので、官兵衛の性格からするとそれはないと思っています。

官兵衛の無二の親友である竹中半兵衛も似たような性格だったと考えています。「控えめな半兵衛の人柄が奥床しく好もしい」とあった瞬間から官兵衛と半兵衛はひかれあっています。

何気に竹中半兵衛も大好きですね。官兵衛が荒木村重の裏切りにより牢獄に入れられた後、秀吉も信長も、官兵衛が敵に寝返ったと勘違いして官兵衛の息子松寿を殺せと命じるものの、半兵衛は官兵衛を信じて息子をかくまうシーンなど泣けてきますね。

「たった一人で大丈夫か?」
「こういうことは一人で行ったほうが良いのです。こちらの誠意を見せなければ、相手は動くものではございません。」
「そうであろう。しかし、普通のものではできぬことだ。そなたのように、機略と胆力をもったものでなければやれない仕事だ。」

松本清張 「軍師の境遇」

小寺殿に望みがないからと言って、このままで傍観しておれば、世間は我々のことを卑怯者と 人は 思うだろう。自分の武運がまだ尽きずにおれば、危害を受けることもないし、また仮に小寺殿の猜疑から我が身が殺されるようなことがあってもそれまでの運である。とにかく我思う通りにして所信に倒れるのだからむしろ本望だ。

松本清張 「軍師の境遇」

私が特に好きなところは、鮮やかな戦略による城攻めもすきだけど、手紙や弁舌で戦わずに相手を味方につけるところは本当にすごいと思います。そもそも敵陣に1人で乗り込む度胸、プレゼン能力がすごすぎる。。。

あと、官兵衛のすごいところは、自分を裏切った主君、小寺政職を助けようとしていたところ。裏切られて殺されそうになり、事実長い間の牢獄生活を送る羽目になり挙句の果てには足が腐り、ちんばになったというのに、、、

俺のことは心配するな。ここにいてもむざむざと死にはせぬ。
必ずでられる日がくる。おればそれを信じているから焦りはせぬ。
無理をしたら失敗する。無理をせぬのがおれの流儀じゃ

松本清張 「軍師の境遇」

無理しない、、、大事ですね。

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