トラックとは?〜オーディオ/インストゥルメント/AUX/VCA〜 [vol.079]
トラック(Track)
曲の中で使う楽器や音のデータの情報を、1ずつに分けられている各チャンネルのことをいいます。
一発録音のマイク2本録りでない限り、昔から各楽器をトラックに分けてレコーディングしています。
トラックがレイヤーとして重なり合ってひとつの楽曲になります。
「通路」「軌道」と言った意味があり、陸上のトラックのように一つ一つの音が分かれています。
基本的にはひとつの音色に1トラックで分けていきます。
ひとつのトラックに違う音色のデータが入っていると、操作の設定も手間がかかって、ミックスの時に把握(はあく)しにくくなります。
トラックの種類
音を管理するトラックは大きく分けて、波形を扱う「オーディオトラック」とMIDIデータを扱う「インストゥルメントトラック」に分かれます。
他にもBusなど、音信号を処理するための「AUXトラック」や、いくつかのパラメーターをまとめて操作できる「VCAトラック」や、MIDIの情報だけを扱う「MIDIトラック」があります。
<オーディオトラック>
波形のデータを元に調整する、レコーディング基本のトラックです。
生音を録音したり、音源ループ素材を使ったりします。
トラックにプラグインを挿してコンプをかけたり、リバーブをかけたりできます。
音が入っているところが一目でわかり曲全体の流れを把握できます。
<インストゥルメントトラック>
MIDIデータを打ち込んで、ソフト音源を挿して音を出力していきます。
オーディオトラック同様プラグインを挿して音作りができます。
MIDIトラックはMIDIの情報だけ音源ソフトが挿さっているトラックに情報を送って音を出力していきます。
なので「MIDIトラック」と「インストゥルメントトラック」は別物になります。
マルチティンバーの音源ソフトなどは、複数のMIDIの情報だけ「MIDIトラック」から受けて、ひとつの音源ソフトから出力すれば、CPUをかなり抑えることができます。
「インストゥルメントトラック」の出力は、最終的に「オーディオトラック」に変換することをオススメします。
MIDI上で演奏を書き換えたり出来てとても便利ですが、「オーディオトラック」に変換しておかないと、稀にキースイッチがうまく反応しなくて違った演奏になったり、後日に立ち上げてみると、ソフトのバージョンが変わって音が出なかったりという不具合もあります。
トラックで設定すること
各トラックに分けて、それぞれパラメーターを設定すると作業が把握しやすくなります。
PAN(左右の定位)を決めて、「この音は左から出ている」や、ボリュームを設定して「もう少しこの楽器の音を上げよう」など各トラック調整していきます。
プラグインを挿して各トラックで音作りも調整して、AUXトラックにたくさんの音データを経由させれば、バスコンプなどのエフェクトをまとめてかけることもできます。
ひとつの楽器でも何トラックかの役割で分かれています。
・ギターのアンプ録音したマイクそれぞれのトラック。
・ストリングスをパート別の分けたそれぞれのトラック。
・ブラスをパート別の分けたそれぞれのトラック
「VCAトラック」でフェーターを管理すると、グループにまとめて音量の調節や自然なフェードイン・アウトを行うことができます。
ステレオトラックとモノラルトラック
「インストゥルメントトラック」は基本的にステレオトラックですが、「オーディオトラック」ではモノラルの扱いをするトラックもあります。
単純にステレオトラックは2倍のデータ容量になるので、ベース、ギター、歌などステレオにする必要のないの原音のトラックはモノラルにします。
最近のDTMerはすべてのトラックデータをステレオで扱う人が多いので、その人その人にあった対応でステレオとモノラルを分けてデータにしています。
トラックの数
プロのレコーディングだと1曲100トラック近くか、それ以上に分かれています。
ドラムだけでも何十トラックにもなってしまうので、各楽器のトラックを分けていると、どんどんトラックが増えていきます。
効果音的なデータも重ねていくと、さらに増えていきます。
トラックは細かく分かれているのが良いという傾向はありますが、20〜40トラックでも、全く問題ありません。
十分クオリティの高い作品は作れます
うまく作れば10トラックでも十分よい作品は作れます。
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『トラック』をもっと詳しく知りたい方はこちら
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