オブリガートとは?〜アレンジで頼りになるギターのオブリ〜 [音楽用語 vol.113]
オブリガート(Obbligato)
メロディの裏で合いの手のように入れるフレーズのことをいいます。
主にギターがよくする奏法で、バッキングに絡(から)めながらオブリガートを入れていきます。
アレンジ面でとても有効的で、聴き応えもあり、楽曲が少し豪華になります。
主旋律のメロディを活かすようなフレーズで、日本語では「助奏」(じょそう)といいます。
「裏旋律」「対旋律」「カウンターメロディ」と呼ばれることもあります。
普段は「オブリ」と略されることが多く、オブリを入れる時「オカズを入れる」というような言い方もされます。
アレンジ中でも「そのタイミングでオブリを入れよう」や「バッキングのここにオカズを入れよう」というような使い方をします。
たくさんの人が「オブリガー“ド”」と言いますが、
正確は「オブリガー“ト”」になります。
オブリガードだと、ポルトガル語で「ありがとう」になってしまいます。
クラシックでもオブリガートは重要な用語で、「義務付けられた」や「強制された」という意味があり、楽譜の通りに演奏しなければならない時にオブリガートという用語を使います。
ギターをやっている人とクラシック界の人では、オブリガートの解釈が変わってきます。
オブリガートの使われる理由
オブリガートは裏メロというポジションにあるため、やはり上物系のギターやキーボードが担当することが多いです。
ブラスセクションやストリングスなど、メロディの裏で合いの手のようにフレーズを入れる、これもオブリガートです。
そして、ドラム、ベース、ギターという小編成のバンドだと、そのブラスセクションやストリングスが演奏するようなフレーズを、ギターがバッキングしながら補(おぎな)います。
作曲・アレンジにも有効的
作曲・編曲していても、オブリガートを組み込んでいけば曲の完成度、世界観がグッとあがります。
アレンジしていて、もう少し「音の厚み出したい」「豪華にしたい」という時は、どこかにオブリガートを入れれないかを意識してアレンジすると、とても良いアイデアがプラスされていきます。
メロディとの掛け合いでノリも出てきます。
オブリガートはカウンターメロディというだけあって、歌うように作るのがよい作り方だと思います。
そして、ただがむしゃらにオブリガートを入れるのではなく、あくまでもメロディを活かすということを忘れてはいけません。
名ギタリストのオブリを聴く
オブリガートといったら、やはり昔のシンプルな編成のサウンドによく使われている印象があります。
ロックやブルース、ジャズなど、楽しそうにボーカルと絡みながらオブリで音を埋めていく、そういった時代を感じさせます。
<Get Back>(The Beatles)
完全にメロディの背中を、終始ギターのオブリガートが押しています。
<Little Wing>(Jimi Hendrix)
ギターの神様。
ここまできたらオブリガートの方がメロディより歌っています。
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『オブリガート』をもっと詳しく知りたい方はこちら
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