ボーカルとは?〜ボイストレーニングとメンテナンスの方法〜 [vol.104]
ボーカル(Vocal)
楽器ではなく人の声で音楽を表現するパートのことをいいます。
ボーカルとして歌を歌う人をボーカリストといい、表記する時は略して「Vo」と書きます。
バンドの中では、顔となる中心人物です。
ほかのパートは歌を引き立たせるために、最良のアレンジをしていきます。
DTMでもボーカルのトラックを中心に楽曲をミックスして、聴き手の歌を伝わりやすくします。
どのパートよりも「表現力」「技術」「センス」が必要なパートです。
声のことを「Vox」ともいうので、DTMで「Vox」というプリセットがあれば、それは声に関するプリセットになります。
ボイストレーニング&メンテナンス
ボーカリストは体が楽器の代わりなので、ギタリストやベーシストが楽器の練習をするように、ボーカリストはボイストレーニングをしなければなりません。
楽器をメンテナンスをするように、常に声が出せる状態にしておかないと置けません。
<ボイストレーニング>
基本中の基本ですが、やはり腹式(ふくしき)で声を出すことは非常に大切です。
胸で息を吸って声を出すと、肩に力が入り、喉に負担がかかります。
腹からまっすぐ出して、体を共鳴させて自然と声を出せるようになると、自然とピッチも合わせやすくなります。
癖(くせ)が付いていたら、なかなかお腹から声を出すのは難しいと思うので、声を出すイメージで腹式呼吸をすると自然にできるようになるので、毎日数回行うと良いと思います。
どうやってお腹で呼吸をすれば良いか、感覚がわからない人は、少し前かがみになってお腹に手を当て、息を吸って膨らみを確かめてから、徐々に体を起こしていくと感覚がわかるかもしれません。
<メンテナンス>
ギターのメンテナンスは、弦、パーツの部分などを常に気にして保管しなければなりません。
ボーカルは喉が命です。
常に良い状態にするのは大変で、ほかのメンバーも気遣いが必要になります。
特に冬は大変で、
・喉を冷やさないようにネックウォーマーなどを巻く。
・部屋を乾燥させないよう加湿器を使用する。
・外ではマスクを付ける。
・しっかり寝る。
上記のような注意が必要です。
ライブ続きで喉が完全に疲労(ひろう)している時は、喉に直接注射を打ち、疲労を回復させたりします。
ライブ直前に鼻うがいをして声の通りをよくするというボーカリストもいます。
ボーカル録音
DTMで歌の録音をするのは最初はなかなかうまくいきません。
宅録で録音するとしても最低限の機材は用意したいです。
<コンデンサーマイク>
歌を録るマイクは、やはりコンデンサーマイクがオススメです。
ダイナミクスマイクとは構造が違い、コンデンサーマイクの方が高域のツヤが収録できます。
DTMではボーカルの抜けが必要になってくるので、EQでは処理できない高域の雰囲気は録り音の時点で確保しておきたいです。
価格はピンからキリまでありますが、ノイマンなどの良いマイクは、やはり質感が高級に録音できます。
<リフレクションフィルター>
歌の反射音(リフレクション)がマイクに被らないように遮音(しゃおん)する機材です。
ボーカルブースでない場所で歌を録音する場合は必須の機材です。
反射音がマイクに被っていると、ミックスがかなり困難なります。
こちらは重量感があるものじゃないと、吸音がしっかり処理されません。
<ポップガード>
マイクとボーカリストの間にセットする「吹かれ」防止の機材です。
歌録音はどうしてもマイクに近づいて歌わなければならないので、「吹かれ」というノイズが発生してしまいます。
布タイプと金属タイプがあります。
歌い手の声質によって使い分けるエンジニアさんもいらっしゃいますが、僕は金属タイプがオススメです。
「ポップフィルター」とも呼ばれます。
ボーカロイド
ボーカロイドとは、歌詞とメロディを打ち込めば、サンプリングされている声で歌わせることができる音源ソフトです。
2000年に入ってから、ボーカロイド(初音ミク)に歌を歌わせるというスタイルのジャンルができてきました。
ソフトはどんどんリアルに進化して、ボーカロイドの中でもアーティストが増えていきました。
ボーカルと声楽の違い
クラシックでは歌の入る音楽を「声楽」といいます。
「ソプラノ」「アルト」「テノール」など、高さでパートに分かれて合唱します。
ソロで一人で歌うことを独唱といいます。
クラシックで歌う人のことをボーカリストとはあまり言わず、「声楽家」などと呼ばれます。
ボーカリストは歌手やバンドのボーカルのことを指すことが多いです。
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