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2023年振り返り

個人、生活、仕事の三つ。良かったこと。

個人:4月に結構重めの疾患。10日間の入院。リハビリ。各種コントロールを経て、99%復活。体力は確実に落ちた。とはいえ、これまで体力が(年齢対比で)過剰に(笑)あったことを考えれば、まあ普通の60過ぎシニアになったということか。考えてみれば、何事も過剰摂取は禁物という、当たり前のことに気づき、自ら歯止めをかけれるようになった。遅いかもしれないが、やらないよりはマシだ。それに気づいたことが良かった。もちろん、タバコも不摂生もやめた。命が大事。

生活:6月に生後二か月のくう太と出会い、翌月に新しい家族として迎えた。犬を飼ったこともなかった私たちにとって大きなチャレンジだったが、今や彼の存在はとても重要なものになった。何か、飼い主と性格が似てくるようで、それも複雑というか愛らしいというか。

仕事:監査役の4年の任期を年末に折り返した。お世話になった二人の先輩は、前任監査役が顧問を3末に退任し引退、代取社長が今月取締役を退任して顧問就任と、一つの時代の終わりを実感した。一方、議長として運営する監査役会は充実した内容となり、非常勤監査役に関与いただく場面が大きく増えた。三様監査の連携の実効性も進み、特に会計監査人との関係性で言えば、相手側から付加価値を引き出すのは監査役(会)であって、「付加価値がないじゃないか」と糾弾する或いは不満を漏らすのは間違っていることに気づいた。心理的安全性は与えられるものではなく、自分で確保するものである、ということにも。

ある意味「当たりまえじゃないか」という事かもしれないけれども、その当たり前ができない、できなかったのが自分自身で、還暦を何年も過ぎて、ようやくその事に気づいた。そのことは良かったことでもある一方、自戒も込めて記録しておきたい。どうせまた忘れる。

会社役員養成機構のラウンドテーブルやロールプレイ研修、監査役協会の部会へのリアル参加の機会、各種ウェビナーや配信などを積極的に活用し、関連書籍にも当たり、それらインプットしたことを改めて整理し直した。その後アウトプットの機会があったので、発信モードに脳みそを切り替えてみた。すると、何年も前にインプットして記憶の引き出しにしまっていたものが顔を出し、考え方の整合性のようなものに辿り着いたのが面白かった。

認知的多様性、集合知はチームの力の引き上げに有効。一方それぞれの立場や主張の尊重という点で、環世界という概念も忘れてはならない。でもその考え方のおかげで、現代の社会という複雑で生きにくい世界のなか、どうやってメンタルを保って生きていくかという道筋は得られたようにも思える。環世界の考え方は、もともとは昆虫から見える世界からスタートしているが、私自身はまずこれを犬のくう太はどう見ているかという仮説に繋げ、更には、苦手な(特定の)人間はどういった環境でその(きにくわない)言動に至ったのか、という想像に至っている。そうすると、感情ではなく理性で対処ができるようになる。

年末のTV番組ではWBC優勝のサイドストーリーを流している。そこで気づいたのは、あの快挙が「大谷翔平による」「大谷翔平のため」という一面的なものではなく(その要素は確かにあるが)、ダルビッシュ有によるダルビッシュチルドレン育成、そして次世代の成功体験継承に繋がっていく確信だった。ダルビッシュチルドレンが、また次のチルドレンを創っていくことができたときに、このストーリーはサステナブルになる。

冒頭書いた「良かったこと」もそうなのだが、順風満帆にいかないケースの方がそれを克服したときに良い結果を生むような気もする。WBCのメキシコ戦、9回裏の劇的な逆転のシーンは、8回の表裏の結果、1点ビハインドという状況があったから。ほとんどフォーカスされないが、投手としてMLBで一球も投げていないのに投手史上最高額で契約した山本由伸は、実は8回表に失点している。8回裏に代打で犠牲フライを打ったのは、その後スキャンダルで一年を棒に振った山川穂高だ。山本は逆転してくれた打撃陣に感謝しているだろう。それがあってのこのシーズンだったのではないか。山川は厳しい一年を送り、来年は福岡で再起を目指す。世間の風は厳しいだろうがそれをどう克服するのか、見守ってみたい。

この数年、悲しい別れもあったが、一方で出会いもあった。上の世代の訃報が、同世代の闘病の知らせが。限りある人生、何かを残したいと考えるのはおそらく本能。でも自分のできる範囲で、自分らしく。八ヶ岳に移り住んで丸五年。以前にとんがっていた自分が少しだけ丸くなってきたような気がしている、2023年の大晦日。


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