アナログの衰退

師走も後半に差しかかってきた。例年になく1年が終わる気がしない。なぜだろう。ここ何年か年の瀬を迎えると毎年同じようなことを思う。そして恒例の年賀状の執筆も始まる。

昨年までは100枚超の年賀状をすべて手書きで書いていた。今回も手書きの通例はゆるがない。だがコストパフォーマンス等を考慮ないし、時代潮流に逆行する気力も体力も以前ほどはなくなってしまったこともあり、現行より20枚から30枚は削減しようかと思っている。毎年楽しみにしている方には申し訳ない。

アナログ好きの私でも2019年ほど時代潮流の逆行に屈した年はなかったであろう。

話題は大晦日恒例の紅白歌合戦に移る。毎年この時期になるとその年の紅白両軍の出場歌手が発表される。演歌・歌謡曲好きの私は今年は一体誰が出るのか楽しみにはしているのだが、近年の演歌勢の衰退ぶりも見ると、もはや希望すら抱けないくらいだ。これも時代の変化だと一蹴するのが世間一般的な受け止め方だろう。それでも私は「いやそれだけではないはずだ。せめてJ-popその他のアーティストと数を均等にしてもらいたい」と思っていた。しかし今年はもうそうも言えなくなってきた。むしろ演歌勢は出さなくていいのではとついに持論が転向した。

かの大歌手、美空ひばりが亡くなる前に言っていた。「最近若いポップスの歌い手さんと演歌の人が一緒に出ていたりするじゃない。それを見ているとなんだかあたし惨めになるのよね」。確かこんな感じのことを言っていた気がする。明石家さんまか誰かが一緒に出ていた番組でそれはYouTubeで見た。さすがは時代の風をしっかり感じている大歌手しか出せない言葉だ。

 私もこの際その意見に同調する。髭男やKing Gnuの皆さんに申し訳ない。だから紅白に演歌勢は無理に出さなくてもいい。所詮、演歌勢の尺はたかが知れている。ゆっくりじっくり歌を聴かせる。そんな時代は悲しくも過ぎ去ってしまったのだ。私たち懐メロ好きの人間はみんな年忘れにっぽんの歌でも見て年を越しますから。

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