震災から9年、3月11日に寄せて

2020年3月11日。震災から9年の月日経った。

僕は2011年4月石巻高校に入学してその後の3年間を石巻の街で過ごし、陸上部で走った。家は内陸にあったので何かを失ったわけではないけど、3月中はライフラインというライフラインが止まっていたり、ゴールデンウィークにようやく高校の入学式があった後も電車が夏まで止まってバスで通学することになったりなにかと大変だった。

雨の日は、津波で校舎が壊れたまま残っていた門脇小学校の前や真っさらな更地に変わった南浜を走ったりした。あの場で走ったことが今の自分にどれだけ影響してるかなんて、絶対とは言えないし、分かりやすいものではないと思う。日常を取り戻すなかで、誰もが東北や震災というものに目を向けなきゃいけないものでもないと思う。

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震災後の人生で、今年の3月11日は一番3.11とは遠かった。今身の回りにいる人たちのことを咎めたいわけでもない。東京の人たちがした経験がどうと言いたいわけでもない。そんなことを言っても見てきたものは違う。

僕のTwitterのタイムラインは混在していた。Yahoo!の「3.11検索」で10円募金のページをシェアする人たちもいれば、全く普段と変わらない3月11日として過ぎていく人たち。

どっちが良いとか悪いとかじゃない。だって、平穏に楽しく生きられるならそれでいいじゃない？けれども、この1年東北から離れてこんなのことをざわざわ思うなかで、自分の人生をあの日抜きに話すことはできないんだなと思ったり、3月11日という日に特別な気持ちを抱いてしまう自分は東北の人間なんだなと思ったりした。

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今日から東北は震災10年目を迎える。

僕は僕なりに東北でできることを頑張ろうと思う。それが、きっと僕の身の回りの人たちになにかを伝えていける唯一の方法だと思うから。