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旅人が無料で宿泊できる拠点サービス「TENJIKU」を利用して下関を満喫した話!

夫婦そろって旅が好きな私たちは、以前から「SAGOJO」というサービスに登録しています。
旅人向けのユニークなお仕事を提供してくれるサービスなのですが、少し前から「TENJIKU」という新しいサービスが始まってました。

これは旅人が無料で宿泊できる拠点を全国に展開しており、ちょっとしたお手伝いを2〜3時間することを条件に誰でも利用できるというもの。


前からずっと気になっていて…「どの拠点を利用しようかなぁー」といろいろ思案していたら、いつの間にか数ヶ月が過ぎていた…という状態。
…だったのですが、こんなキャンペーンを発見してしまいました。

なんと!拠点へ行く交通費(上限2万円)をSAGOJOが出してくれるというではないか。

無料で宿泊できるだけでなく、交通費まで出してくれるとは…。無論、考えるまでもなく手が先に動いて申込みボタンをポチッてました。


そして、数日後。


見事に当選して、行き先は山口県の拠点「TENJIKU下関」に決まりましたー…というメールが来たわけです。
(※拠点となる場所は「uzuhouse」というゲストハウスです)

ここ松山市からだと、フェリーでとりあえず九州の「小倉」まで行き、そこから電車で下関駅まで行くという流れです。
駅からは徒歩で30分くらいの場所に拠点となるゲストハウスの「uzuhouse」があります。

松山からTENJIKU下関までのルート

そんなわけで、「TENJIKU」を利用した初めての下関がどんな感じだったのかをログ代わりにまとめておきます。


1日目:いざTENJIKU下関を目指して

松山観光港から九州を目指してまずはフェリーに乗船するのですが、1日1便しかなく…時間は以下のような感じ。

松山観光港 21:55 → 小倉港 5:00

間違いなく船で一泊コースになるわけですが、朝の5時に小倉へ着いて一体何をすればいいんだ…というのは恐らくみんな一回は考えるのではないでしょうか。

松山ー小倉便のフェリー

ただ、船は大きくて広いし、お風呂&シャワー、売店、休憩スペースなどもあって快適です。それでも、利用者はほとんどいなくてガラガラ状態…トラックの運転手っぽい人とか、定年後にセカンドライフを満喫していそうな雰囲気のご夫婦が少しいらっしゃるくらいでした。
そして、私たちは一番安い「二等」の大部屋にしていたのですが、入ってみると貸切状態で最後まで誰も来ないのでした…。

繁忙期だともっと人がいると思いますが、松山ー小倉便が無くなってしまわないかちょっと心配になって公式サイトを見たら、往復割が30%から10%に変更されているうえ7月からはついに撤廃されるという文言を見てしまい…いろいろ察してしまったのでそっとサイトを閉じてゆっくり寝ることにしました。



そんなわけで、早朝ですが小倉港に到着してウロウロ歩きながらJR小倉駅周辺を散歩します。日曜の朝ということで、昨日の夜から飲んでたんだろうな…という感じの方々をうまく避けながら、この時間帯でも落ち着けそうなオアシスを求めて歩き続けます。

近くに公園っぽいスポットがあるようなので行ってみると、突如としてお城が出現しました。

小倉城

小倉は何度か来たことがあるものの、お城があるとはまったく知らず…よくよく見るとかなり立派な建物だったことに驚きました。どうやら福岡県で唯一の天守閣を持ったお城らしく、桜の名所でも知られているそうです。

休憩できる場所も多く、キレイに整備されているので、椅子に座って何気にパソコンをいじりながら残っていた仕事が1つ完了してしまったくらい居心地のいい素敵な場所でした。

気が付くと、嫁さんの姿がなく、どこへ行ったのか?と思ったら、近くで山菜を採集してました。ちなみに嫁さんの採集スキルについては別のマガジンで取り上げているので興味のあるレアな方がいたら見てあげてください。


さて、お城の見学が終わったところで、時間は9時なので…

えっ!?

5時に小倉に着いてからもう4時間も経過してる?

どうやらかなりお城に入り浸っていたようなので、近くの神社で「お邪魔しましたー」と挨拶をして急いで小倉観光をすることに。


といっても、ノープランなので駅にあったチラシを見ながら旦過市場、チャチャタウン小倉、リバーウォーク北九州などを転々としながら小倉駅に戻って目的地の最寄り駅となる下関駅まで向かいます。


下関駅を降りて…海辺沿いをしばらく歩くと、ようやくTENJIKU下関の拠点となる「uzuhouse」に到着します!

uzuhouseの入り口前

思っていた以上にオシャレな建物だったので「本当にここなのか?」と3回くらい確認しましたが、やっぱりここでした。おそる…おそる…入ってみると「こんにちは〜」とスタッフの方が優しく声をかけてくれました。

TENJIKUを利用して来たことを伝えると、よく理解されているようでテキパキと手続きをしてすぐに部屋へ入ることができました。部屋はドミトリー形式ですが、私たちは隣同士のベッドだったので特に問題なし。

TENJIKUは何かしらのお手伝いをすることが条件になっているのですが、今回はゲストハウスのお掃除を明日から3時間ほど行うことになりました。


屋上にテラスがあることを教えてもらったので、早速行ってみるとめっちゃ素敵なオーシャンビューに感動します。

uzuhouseの屋上テラス

あまりにも気持ちよかったので、毎日ここで朝食を楽しんでました。


ちなみに夕日も最高!

屋上テラスからの夕日


宿泊者向けに共有キッチンもあり、冷蔵庫、オーブン、電子レンジ、炊飯器、調味料などが利用できます。

宿泊者向けの共有キッチン

私たちはあまり外食をしないので、ほとんどこのキッチンで料理を作って食べてました。何人か旅人の方ともお話できる機会があり、ちょっとした交流の場みたいになっていて素敵でした。

そして、ゲストハウスをあまり利用したことが無かったので、ちゃんと寝れるかな…と心配になり、嫁さんと「小倉観光をネタにしばらく語ろうか」と言いながら…速攻で二人とも爆睡してました。


2日目:はじめてのお手伝いと下関観光

さて、TENJIKUを利用すると本当に無料で宿泊できたわけですが、今日からちょっとしたお手伝いをします。
昨日の受付で聞いた話では、このゲストハウスを掃除するという内容でしたが詳細についてはまだ何も分かりません。

とりあえず時間になったので、スタッフさんに「おはようございますー」と言いながら1Fに行くと、掃除のやり方を教えてくれるという女性スタッフさんを紹介してくれました。


パッと見た瞬間、「えっ、めっちゃ若い…」と思いました。


おそらく20代前半かな。。

もうかれこれ10年近くフリーランスとして活動していると、同世代かそれ以上の私と似たような業種の人としか交流をしていないことに改めて気付かされました。

これだけ歳が離れてしまうと、もはやどう接したらいいのか分からず…困惑。すると、嫁さんがすかさず会話に入って掃除内容をうまく聞き出してくれるファインプレーを見せてくれました。


最終的に今回のお手伝いでやることは次のような感じでした。

・シャワールームの清掃
・トイレ、洗面台の清掃
・床のモップがけ&掃き掃除
・窓の清掃
…その他、諸々

いずれも基本的な清掃作業ばかりなので、やり方を一通り教えてもらったらあとは夫婦二人でひたすらピカピカにするのみ!

ちなみに、帰るまでにいろんなスタッフさんと交流しましたが、本当にめっちゃ優しくて親切な人ばかりで泣けてきます。そして、久しぶりにフリーランスとは違う新鮮な感覚の仕事ができて楽しかったのが意外でしたw。


作業は3時間ほどで終了なので、あとはフリータイム!

ということでランチを食べて、下関近辺の観光をスタートします。


基本的に私たちはいつもノープランで旅をするのですが、ゲストハウスのすぐ目の前に立派な神社が建っているのが昨日から気になっていたのでまずは行ってみることに。

赤間神宮

ここは「赤間神宮」という神社で、8歳で入水させられた安徳天皇が祀られているようです。竜宮城をイメージして建立されているらしく、その堂々とした作りにしばらく見入ってしまいました。
(怪談で有名な「耳なし芳一」の舞台でもあるそう…)


そのまま道路沿いを歩いていると、今度は何やらレトロな雰囲気が漂う素敵な建物がありました。

旧秋田商会ビルの外観

「見学無料」の看板が目に入ったので、何気なく入ってみるとどうやら下関指定有形文化財らしいことが分かりました。

しかも受付があり、スタッフさんが「ようこそー」と言いながら迎えてくれたことに驚きながら、まさか「無料なのでつい入っちゃいましたー」とは言い出せなくて、「見学したいんですけど、いいですか?」とまるで前から来たかったような立ち居振る舞いで入ることにしてみました。

大正時代からの貴重な写真や骨董品などが並べられているのですが、どれもまったく意味が分からないまま、なんとかこのビルが「秋田商会」という当時の総合商社として大成功を収めて莫大な富を築いた経緯だけは理解できました。

そろそろギブアップなので帰ろうとしたら、スタッフさんが近寄って来て「2階も見学どうぞー」と言いました。
1階だけかと思ったら、まさかの2階もあるという…展開。

すかさず嫁さんと目を合わせながら、冒頭で「見学したいんですけどー」と言い放って入ってきたことを思い出し、そのまま2階に招待されながらステージ2が始まります。


ところが、2階から突然の和風建築になり、どうやら住居を兼ね備えたビルだったようです。しかも、3階もあるうえ屋上には立派な庭園と茶室まであるという。。今回は屋上に行けなかったのですが、当時としてはかなり画期的な造りの建物だったんだろうなぁと、感慨深いものがありました。


次に目に入ったのは、どこよりも高く伸びたタワービル。「海峡ゆめタワー」という名前らしい。

海峡ゆめタワーの外観

全長153mのビルで、最上階が展望台になっているとのことだったので行ってみることにしました。

初めての下関市だったので、上空から見下ろしてどんな街並みをしているのか確かめたくなったわけです。

海峡ゆめタワーからの展望

遠くに見える観覧車のもう少し先へ行ったところに、TENJIKU下関の拠点があります。

ぐるっと360度まわりを見渡せるのと、下の階には椅子とテーブルがある休憩スペースもあり、さらに下の階へ行くと「恋人の聖地」と呼ばれる縁結び神社までありました。

個人的に驚いたのは、展望台内に無料WiFiが提供されているのですが、300Mbps超えの爆速ネット回線だったこと。普段はポケットWiFiばかり使っているせいか、あまりにも回線速度が速かったので思わずアプリの更新と短編動画を二人でコーヒーを飲みながら見てしまいました。


そろそろお腹が空いてきたので、どこかで晩ご飯を食べようかなと思って歩いていると韓国っぽい雰囲気のスポットを発見。

グリーンモールの入り口

調べてみると「グリーンモール商店街」と呼ばれているらしく、見た目のとおり韓国人が経営されている飲食店などが多いらしいことが分かりました。

もしかして、いろんな韓国料理が食べれるのかな? とワクワクしながらまっすぐ伸びた商店街を歩き始めたのですが、あっちもこっちもシャッターが閉まっていて営業しているお店がほとんどありません。

時間帯が早すぎたのか、とにかくゴーストタウンのように静まり返った商店街をさらに歩き続けていると、1軒だけ唯一営業している定食屋さんがありました。

「韓国の家庭料理」という文言に惹かれて入ってみると、韓国人の女将さんらしき女性が対面式のキッチンから「いらっしゃいませ~」と迎えてくれました。


流暢な日本語で丁寧に話してくれる気さくな方だったので、思わず韓国料理のことをいろいろ聞いてしまいました。
そこで、人気というか定番の料理をいくつかオーダーするという流れに。

そこで気づいたのは、どうやらここはテイクアウト専門のお店だったということ。

私「あっ、店内での飲食はできないのか〜」

と、ボソッと嫁さんに話したら…

女将さん「店内で食べられますか?椅子を用意するのでお待ち下さい」

すぐ後ろに小さなテーブルがあったのですが、そこへ椅子を用意してくれてお水とおしぼりまで提供してくれました。そこで思い出す「韓国の家庭料理」という文言。料理だけでなく接客まで家庭の優しさが感じ取れてジーンと心に響いた瞬間でした。


そして、最初に提供してくれたのは「キンパ」という巻き寿司のような1品。

巻き寿司のような「キンパ」

お肉や卵などがバランス良く配置されていて見た目にもキレイ。
食べてみると少しコチュジャンが効いた食べやすいお料理で、酢飯ではなく炊きたてのご飯だったのが具材と相性良くて美味しかったです。


続けて定番のビビンバも頂きます。

定番のビビンバ

やはり一番売れているらしく、半熟卵と具材をかき混ぜながら食べるのがポイント。口にかき込みながらガッツリ食べてしまいました。


そして、ビビンバと一緒に出してくれたヤンニョムチキンがヤバかった!

甘辛くて美味いヤンニョムチキン

女将さんが「ちょっとピリ辛よ!」と言っていたのですが、ちょっとどころではなかった。
二人で「ヒー、ヒー!」と言いながら、辛さの中にある旨味を探しながら水をがぶ飲み。

それを見ていた女将さんが「白ごはんを持ってこようか?」と言ってくれ、おもわずビビンバの入れ物を差し出しながら「これに、お願い!」と、ご飯を追加してもらいました。

白ごはんとの相性が最強のチキンでして、辛さの部分がお米の甘さと相殺されて甘辛いチキンのタレがより一層おいしく感じられます。


なんだかんだでお腹いっぱい韓国料理を楽しむことができたことに感謝をしつつ、女将さんと1時間近くも世間話をしてしまい、そろそろ営業妨害になりかねないのでお店を出ることにしました。

そして、ゲストハウスに戻り屋上テラスで一杯飲みながらいい夢をみることにしたのでした。


3日目:今日は水族館で癒やされる

さて、TENJIKU下関に来て3日目ともなれば、お手伝いのお掃除もテキパキとこなせるようになってきます。

あっという間の3時間でお手伝いが終了と同時に、今日はちょっと本業のお仕事が少し溜まっているので消化することにしました。
スタッフさんにどこかパソコン作業をするのに最適な場所ってありますか?と聞いてみると、2Fのカフェを使ってもいいよ!と言ってくれました。

カフェに行ってみると、そこはオーシャンビューを見渡せる素敵な空間でした。

uzuhouse2Fのカフェ

写真から見えている窓を開けるとソファーが配置されているので、ゆっくり座りながらキレイな海を眺められるので素敵です。

パソコン作業もWiFiも快適で、数時間ほど仕事に没頭させてもらいました。


気づいたら15時前くらいだったので、今日はゲストハウスでゆっくりする感じかな?と思い、嫁さんに「今日どうするー?」と聞いたら…

嫁「水族館に行こうよー」

と、まだ出かける気が満々で、すでに外出用の服に着替えて待ってました。


というわけで、すぐ近くにあった大きな水族館へ行ってみることに。

海響館の外観

「海響館」と呼ばれているらしく、まったく下調べも何もせずに入ったのですが、結果的にとても楽しい充実した1日を過ごせました。


なんといっても雰囲気がとても良く、斬新でユニークな見せ方をデザインされた水槽がたくさんあったのが印象的でした。

湾曲したデザインの水槽


そして水族館の一押しイベントらしき「ペンギンのショー」がそろそろ始めるという情報をキャッチ!
館内の情報を漁っていたら、かなり大型の「キングペンギン」が見れるらしいことが分かり、期待が高まりつつどこでやっているのかを調べます。

ショーが始まる5分前くらいに、なんとか正面玄関のある1Fの会場で開催されることが分かり、迷路のような館内をウロウロしながら「どこだ?どこー?」とショーの会場を探し回ります。

ようやく1Fのペンギンコーナーに来たものの、ほとんど人がいないうえ、まったく盛り上がっている様子がない。もうそろそろ始まるのに、これはおかしい?と思いスタッフさんに聞いてみました。

私「そろそろペンギンのショーが始まりますよね?」

スタッフ「そうですね。1Fのペンギンコーナーになります」

私「ですよね。ここで待ってればいいですよね」

スタッフ「あ、ここではなく、1Fのペンギンコーナーになります」

私「えっ!?ここは1Fですよね?」

スタッフ「いえ、2Fになります」

もうここで意味が分からなくなったのですが、どうやら海響館の正面玄関にある入り口は2Fだったようです。固定概念というか、入口って普通1Fだよねという思い込みから1Fと2Fを勘違いするという痛恨のミス!そして、1Fにも2Fにもペンギンコーナーがあるという罠にハマってしまいました。

もう始まっているであろうペンギンショーを見に行くため、駆け足で1Fに降りていくと「キングペンギン」が出迎えてくれました。

キングペンギンの大編隊(終了間近のとき)

しかも、なんというか、別にショーに間に合わなくても「キングペンギン」は普通にこのコーナーにいらっしゃるようで。。いつでも見ることができるようでした。


そして、本日最後のイベントとして「イルカショー」も開催されるらしいことが分かりました。

今度こそは見逃すまいと、まだ誰もいない会場に一番のりして見やすい場所を確保してから、イルカショーに狂喜乱舞する嫁さんと一緒に楽しい時間を過ごすことができました。

イルカショーの光景


ショーが終わり、だいたい見れるところは堪能したかと思うので、そろそろ帰ろうかなと出口に向かうと、超巨大なオブジェを発見!

「シロナガスクジラ」だそうです。

シロナガスクジラの全身骨格標本(実物)

写真だとサイズ感が分かりにくいですが、まるでビルの建造途中かと思うくらいのハンパないスケール感です。

シロナガスクジラというだけでも珍しいですが、実物の全身骨格標本は日本ではこの海響館にしか展示されていないそうです。…というのを、帰ってから知ったのでもっと写真を撮っておけば良かったなぁーとちょっと後悔。


4日目:いきなり始まった餃子パーティー

さて、いよいよTENJIKU下関での滞在も今日が最後。明日の朝には、また愛媛県に帰ることになります。

それを知っているからなのか分かりませんが、どこからともなく嫁さんの手作り餃子が上手だというのをスタッフさんが知っていて、今日の夜にみんなで食べようー!という話になりましたw。


そこで、ゲストハウスのお手伝いが終わってからみんなで食材を買いに行き、嫁さんが秘伝の技術をみんなに披露するという…まさかの展開が始まりました。

餃子の仕込みをする嫁

嫁さんは餃子の中身である具材を仕込むだけでなく、皮から手作りするというのがいつものスタイルです。

仕込みが一段落して、まずは嫁さんが実演したあとに、スタッフのみんなで皮を作ったり餃子のカタチにしていきます。

麺棒で皮を手作りする風景

最初はみんな苦戦してましたが、みんな夢中で楽しそうにやっているのを見て、なんだか嫁さんのスイッチもONになり、丁寧な指導からスパルタ指導に切り替わり…だんだんとキレイな餃子のカタチが量産されていくのでした。。

手作り餃子の一部

嫁さんの餃子は、焼き餃子ではなく水餃子なのが一番の特徴でしょうか。

手作りの皮は少し厚みがあるため、焼くよりも茹でて水餃子として食べたほうがモチモチで美味しいのです。
過去に何度か愛媛県でも餃子パーティーはやったことがあり、とても評判が良かった記憶がありました。そして、今回も大成功となったようでスタッフさんに喜んでもらって嫁さんもウキウキになってました。


おそらく、お客さんとしてこのゲストハウスに来ただけでは、このようなパーティーにまで発展することはなかったと思います。やはり、一緒にスタッフと混じっていろいろお手伝いしていくなかで生まれた小さな絆とも言うべき繋がりがあってこそだと感じました。
これこそTENJIKUというサービスのもっとも価値がある部分ではないかと思います。


そして、この記事はいつの間にか8000文字超えw。

ここまでたどり着いた読者のみなさま、おつかれさまです。


本当はもっと書きたいことがめっちゃあるのですが、あまりに長すぎるので区切りの良いこのあたりでちょっと休憩してください。
長文になってしまいましたが、これでもかなりの部分を端折っておりまして…にも関わらずこの文量になってしまいました。それほど感じることが多い旅だったんだと思います。


ここまでの本文でTENJIKUがどんなサービスで、私たちの旅がどんな様子だったのかはお伝えできたのではないでしょうか。…と、勝手に思ってます。

あとは、記事を読んで楽しかったよ!とちょっとでも思われた方は、このあと始まる最終日の珍道中を引き続き楽しんで頂ければ喜びます。


5日目:門司港レトロの異世界を堪能する

いよいよ最終日となり、愛媛県に帰る日がきました。
とても貴重な体験をさせてもらったTENJIKU下関を出発し、まず最初に向かったのは海の下を歩けるという「関門トンネル」。

関門トンネル人道入り口


大きなエレベーターで地下60mくらいまで降りて、そこから徒歩で海底トンネルを歩くことができます。

海底トンネルの様子

トンネルの途中で県境があり、山口県の下関市から福岡県の北九州市に移動したことが分かるようになっています。

実際に歩いてみると、海底にいるような雰囲気はないものの、ものすごく地下深い場所にいる感覚はあります。どこからともなく機械音もしており、秘密基地のような宇宙船の内部にいるような変わった錯覚を覚えました。

反対側の地上に出たとき、実は何十年も経過していて浦島太郎状態になっていたらどうしよう…というなんの根拠もない作り話を妄想しながら静かに関門トンネルを抜け出しました。


しばらく歩くと「門司港レトロ」という観光スポットがあったので、ゆっくりすることにしました。帰りのフェリーが夜に出発する便なので、時間はたっぷりとあります。

ひとまずJR門司港駅のコインロッカーに大きな荷物を詰め込んで、そこから港の近くまで歩きます。
そこは、ちょっとしたリゾート地のような光景で、とても気持ちよく快適な空間が作られていました。

門司港レトロ海峡プラザ周辺

見どころがとても多く、面白そうなスポットばかりなので、とりあえず近くのカフェでコーヒーを飲みながら嫁さんと作戦会議をすることに。

駅の近くでゲットした無料の観光マップを広げながら、「フム…フム…」とたくさんあるスポットを確認しつつ、全部見るのは厳しそうだなと思い…嫁さんの行きたいところを8対2くらいの割合で優先してだいたいのルートを決めることにしました。

なかでも特に印象的だったスポットをいくつかご紹介してみます。


まず最初に立ち寄ったのは「関門海峡ミュージアム」。
関門海峡にまつわる歴史や文化を学べる体験型の展示物が特徴の博物館なのですが、一部有料のフロア以外はほとんど無料で開放されていることに驚きました。

そして、なんといっても大正時代の門司港近辺の街並みを精巧に再現したという「海峡レトロ通り」がスゴイ。

海峡レトロ通りの様子

実在していた建物や路面電車などを再現しているだけでなく、今にも動き出しそうな人物像を配置してバナナの叩き売りをしている様子なども楽しめます。(実は門司港はバナナの叩き売りの発祥の地だそうです)

ちなみに2Fもありまして、こちらは昔の商店街っぽい雰囲気が作られていたり、門司港の歴史やバナナのたたき売り発祥秘話などを学べる資料などが展示されてました。


そして、ちょっと広めのフロアで何やらイベントが開催されているようだったので「何かな?」と入ってみると期間限定の帆船模型展示会でした。

帆船模型展の展示会場

1隻作るのに何年もかかるという帆船模型の存在は知ってましたが、実物を見たことはなかったので興味深く見学してみることに。

大小さまざまな船がたくさん並んでいて、作者の名前も掲示されており、おそらく有名な人や船が多数あったと思うのですが素人の私には分からない…ものの、その圧倒的なクオリティの高さにはひたすら驚き続けるしかありません。

帆船模型の拡大

とくにロープワークの細かさと、板の貼り合わせ方などは私が見てもスゴイと思うくらいスゴイ…。そして、ひたすらスゴイ…と言うしかないくらいに…スゴイ。。

なんか今まで出会ったことのない世界に入った気分になり、イベント会場を出る頃には模型作りの趣味ってカッコいいなと思うようになり、最終的にYouTubeでも帆船模型の動画を見るようになって3つくらいチャンネル登録をしてしまいました。


それから、海峡プラザ周辺のレトロな建物たちを見学しつつ、そろそろお腹が空いてきたのでランチを食べることに。

TENJIKU下関でスタッフの人に「焼きカレー」が美味しいよと聞いており、しかもどこのお店で食べてもだいたい同じだから…と聞いてたので、近くにあったカレー屋さんに入ってみました。

小さなビルの2階にあり、階段を登った先にあるちょっと分かりづらいお店だったのであまり人も来ないだろうと思ったわけです。


焼きカレー専門のお店らしく、メニューもトッピングがいろいろ異なりますが基本的にはどれを食べても焼きカレーなので適当に注文してみます。
普通のカレーと何が違うのか疑問ですが、カレーを焼いている?とはどういうことなのか…。


そして、注文したカレーがやってきて、ひとくち食べた瞬間に…

「あ、これはウマいやつーーー!!」

門司の名物?焼きカレー

石焼ビビンバのような器にグツグツと沸騰しながら提供されるので、熱すぎて一気には食べられないですが、それでもバクバクと勢いよく食べたくなる1品でした。
カレー自体の旨味もさることながら、鉄鍋の端で少し焦げたルーの香ばしさと、ほどよく溶けたチーズと半熟卵が口の中で組み合わさって最適化されるのがよく分かる美味しさです。

もはや「カレーを焼いているとは…?」 などどうでもよくなり、ただひたすらその旨味を体に染み込ませていました。


気が付くと店内は満員になっており、予想以上に混雑していたのでお店を出ることにしました。
ところが、階段を降りていこうとしたら、その下まで人が並んでいるではないか。みんなこのお店の焼きカレーを目当てに、じっと並んで待っているようでした。

あれ、このお店って人気なのかな?と思い、Googleマップや口コミサイトなどを見てみると、やっぱり大人気のお店だったことが分かりました。ちなみにお店はこちら

伽哩本舗(門司港レトロ店)
https://www.curry-honpo.com/mojikou-retro.html

早めに入店して良かったーと思いながら、これから食べるのを楽しみにしているであろう人たちを避けながらお店を出ました。


美味しいランチに出会ったあとは、嫁さんの気分もウキウキになるのでそのままハイテンションで観光の続きをすることに。

そしてやってきたのは「門司電気通信レトロ館」。

ここは私が個人的に来てみたかった場所で、大昔の貴重な電話機の数々が展示されているのです。

門司電気通信レトロ館の展示物

明治初期に誕生した国産の電話1号機や、ダイヤル式の黒電話から最近のコードレスフォンまで展示されています。
携帯電話のコーナーもあり、初めて登場した肩にかけるタイプの電話からガラケーや最新のスマートフォンも見ることができます。


体験型の展示物もあり、とくに面白かったのは昔の電話がどのように相手先の電話に繋がっているのかという仕組みを体験できるコーナー。

昔の自動交換機

実際にダイヤルできる黒電話が設置されており、ダイヤルするたびに自動交換機がガタガタと動き出して、相手先の電話にダイヤルをしてくれます。そして、反対側に設置されている黒電話が実際に鳴り響くので受話器を取ると通話ができます。

さらに、もっと古いタイプの交換機(手動)を体験できるコーナーもあり、こちらは先ほど機械で自動的に処理していた部分を自分でケーブルを差し替えて相手先の電話に繋げるという作業を体験できます。

体験の様子は以下のInstagramで見れるので良かったら見てください。https://www.instagram.com/reel/CepQ9aODSXG/


そんなこんなで、引き続き街をブラブラしていたら「栄町銀天街」という商店街を見つけました。実は、私が住んでいる松山市にもまったく同じ名前の「銀天街」という商店街があります。

偶然の一致に導かれながら商店街を歩いてみると、あまり人気がないところやシャッターが閉まっている割合など、すべての雰囲気が松山市の銀天街と同じで驚きました。
ただ、なぜか分かりませんがこちらの銀天街には「麺打ち研究会」という看板をよく見かけたのが唯一違っている点だったりします。


商店街を出て、まっすぐ歩き続けると立派な木造建築が見えてきます。このあたりでは有名な「三宜楼(さんきろう)」という観光名所で、昭和初期に建てられた木造3階建ての料亭です。

現在は建物の中を無料で見学できるようになっており、玄関から呼び鈴を鳴らすとスタッフの方が来て案内してくれます。

三宜楼の玄関前

私たちが呼び鈴を鳴らすと、見た目がそのまま料亭の女将さんのような方が来てくれました。

1階には昔に使われていた食器や資料などが展示されているのですが、それらについても1つずつ丁寧に解説をしてくれ、私たちが歩きだすと静かに寄り添って一緒にガイドを続けてくれます。

建物の装飾が細かく作り込まれている感じとか、立派な木材が使われている部位の説明、各部屋のコンセプトなど、すべてを熟知しているその女将さんはインスタ映えする写真が撮れるポイントまで教えてくれます。

2階の大広間(百畳間)

さらには私たちが退屈にならないように、時折ジョークを交えて楽しい会話を誘導してくれたりします。
もうこの時点ですっかり女将さんの虜になっている私は、物音を立てずに歩くその気品溢れる姿がとても神々しく感じてました。

途中から「間違えて有料ガイドを頼んじゃったのかな?」と思いましたが、まさかそんなことを聞くような無粋な会話をするわけにもいかず、100歩譲って有料だったとしても、私の財布の紐はすでに緩んでいるのでどうぞお支払いしますよ…と心に決めてましたが、結局のところボランティアでガイドをされているようでした。

見学が終わり、最後に建物を出る瞬間までずっと手を振って見送ってくれる女将さんを見て、なんだか私たちだけのためにガイドをしてもらって本当によかったんだろうか…と思いつつ次の観光スポットに向かいました。


三宜楼から少し歩くと見えてくるのが「九州鉄道記念館」です。

九州鉄道記念館の入口前

入り口からカッコいい蒸気機関車がすでに見えており、思わず中に入りたくなるのですが、この先からは入場料が必要です。
といっても大人1人300円なので躊躇なく購入して入りました。


中に入ると、ずーっとまっすぐ進めるようになっており、蒸気機関車だけでなく実際に稼働していた歴代の特急列車や寝台車などがズラッと並んでいます。

九州鉄道記念館の車両展示場

やはりなんといっても機関車の大きなスケール感には圧倒されてしまいました。写真だとなかなか伝わりにくいのですが、1つ1つのパーツや車輪の大きさなどがハンパないです。
こんな巨大な物体が走っていたとは信じられない…。けど、見れば見るほどやっぱりカッコいいなぁとw。


次に本館の中に入ってみることに。
入ってすぐに明治時代の客車を再現した実物大の模型や、九州鉄道を再現したという巨大な鉄道模型、さらに鉄道のことを学べるさまざまな資料や展示品などを見ることができます。

が、しかし…私がもっとも感動したのはリアル版「電車でGO!」のような体験型シミュレーターが設置されていたことでした。

本館内にあるリアル版「電車でGO!?」

「電車でGO!」は、ゲームセンターや家庭用ゲーム機などで何回かプレイしたことはあったのですが、このシミュレーターはそんなレベルを遥かに超える超リアルな運転シミュレーターでした。

列車の運転席を忠実に再現しており、…というか、列車の前半分をそのまま設置しているような感じです。
周囲の窓にはCGで再現された風景が違和感なく表示されており、列車内のアナウンスも自動的に流れます。踏切の音や対向列車とすれ違うときなども忠実に再現されていて、走っているという感覚がスゴくて没入感たっぷり。

そして、ゲームで遊んでいたときと同じく、やはりブレーキのタイミングが難しくて指定位置ピッタリに電車を停止させることができません。
あまりに忠実に再現されているシミュレーターだったので、指定位置からズレて停止したときは後ろから苦情が聞こえるのではないかと思ったほどです。

一応、運転席のディスプレイに簡単な指示は表示されるのですが、スピードを出すのもブレーキをかけるタイミングもすべて自分で制御できる自由度の高さが特徴です。そのため、自己流の運転ができてしまうのが面白いところであり、難しいところでもあるのでしょう。


そんなこんなで、運転手気分を満喫したうえで一通り館内を見回ってから帰ることにしました。

時間はもうすっかり夕方になっていたので、門司港駅から小倉駅まで移動して近くのレストランで夕食にしました。
あと数時間でフェリーの出発となり、いよいよ楽しかったTENJIKU下関の旅が終りを迎えます。

ここまで読んで頂いたみなさま、本当に長いお付き合いありがとうございました。

また近いうちにTENJIKUを利用して、まだ行ったことのないオアシスを見つける旅をしようと計画しています(夏頃?)。
そのときは、また記事を書いてアップしますので読んで頂けると喜びます。


それでは、また! 次の旅でお会いしましょう!


最後まで読んで頂きありがとうございました! もし記事を読んで楽しかったよーと思われたら、サポート支援をよろしくお願いします! 今後も積極的な情報発信を続けていきます!