福島県の葛尾村にある民泊施設「ZICCA」で1ヶ月ほど滞在した話
「福島県で家守を募集してまーす!」
それは、何気ない小さな告知文から始まりました。
以前から旅人向けのサービス「SAGOJO」を利用しているのですが、そのオンラインコミュニティ内で流れていた告知です。
夫婦そろって旅が好きで、徒歩と交通機関だけを利用して国内のさまざまな場所へ行ってますが、これまで東北方面は行ったことありませんでした。
いずれは行きたいなぁと思っていたときに、出会ったのがこの告知文なんです。
家守の募集というのは、簡単に言うと民泊施設のお手伝いなどをしてくれる人を募集してますよってこと。
ただし、今回の場合はお手伝いというよりも、自分の仕事をメインにワーケーション的な感じで宿泊するイメージでした。
場所は福島県の「葛尾村(かつらおむら)」という初めて訪れるところです。
そこに、「葛力創造舎(かつりょくそうぞうしゃ)」という一般社団法人の方々が運営されている民泊施設「ZICCA」という場所があり、およそ1ヶ月ほどお世話になるカタチとなりました。
愛媛県から福島県への道のりは果てしなく遠いイメージがあったのですが、飛行機と新幹線をうまく使えば待ち時間とかを入れてもだいたい4〜5時間くらいです。
松山空港から成田空港までだいたい90分で、そこから郡山駅まで電車で2時間くらい。あとはバスで葛尾村の民泊施設まで45分です。
地図で見るとざっとこんな感じです。
今回はジョルダンのガイドを見ながら移動したからなのか、大宮駅から新幹線に乗りましたが東京から乗ってもいいかもしれません。
郡山駅から船引駅まで移動したら、あとはバスに乗って到着です。
民泊施設「ZICCA」とは?
船引駅からバスに揺られること45分ほど。
少し歩くと道路沿いに見えてくるのが民泊施設「ZICCA」を運営・管理している事務所的な建物。
もともとは倉庫のような建物だったらしいのですが、きれいにリフォームされているので非常に快適です。
奥にはテラス席のような空間もあり、心地よい風が入ってきます。
ちなみに、この部屋の一角をお借りして、自分の仕事をほぼ毎日させてもらってました。感謝。
実はこの事務所部分は建物全体の2階部分に相当します。なので、階段で1階部分に降りていくとができます。
そして、見えてくるのが民泊施設の「ZICCA」です!
この建物は1階が大きな食堂とキッチンになっており、2階部分に客室と私たちが滞在する部屋があります。
(みんなで使える図書ルームもあります)
実際に私たちが滞在した部屋はこんな感じです。
6〜8畳ほどの2部屋を1つにした感じで、かなり広々と使えました。台所もあるので自炊も可能です。
テレビ、食器類、消耗品など、生活に必要なものはすでに備わっているので助かりました。すぐにでも滞在できます。
周囲には誰もいないので、夜にキャンプファイヤーをして楽しむこともできます!
また、すぐ横にきれいな川が流れているので、水遊びをよくしました。
めちゃくちゃ冷たい水なので、暑い夏場にはピッタリだと思います。
葛尾村近辺を散歩してみた!
私たちは電車とバスを乗り継いで葛尾村にやって来たので、基本的に滞在中の移動は徒歩になります。
そのため、ここでご紹介するのはあくまで「ZICCA」から徒歩で行けるスポットになります。
まず最初にコワーキングスペースが近くにあると聞いていたので行ってみました。Googleマップで調べても出てこないのですが、実は中学校(休校中)の一部を利用してスペースを作っているのです。
講師や在校生がいないという以外は、見た目はごく普通の学校です。しかもリフォームされていて、ものすごくキレイな校舎なのが驚きです。
入り口からスリッパに履き替えて校舎内を移動していきます。
とある教室の扉を開けると、そこは快適なコワーキングスペースになっていました。
WiFiも電源も完備されていましたが、現時点ではまだ正式なオープンはされてないようで、事前に行くことを伝えていれば利用できるという感じでした。
また、1階部分はテナントのようになっているらしく、オフィスの事務所などに利用されているようです。
次は日帰り温泉も楽しめる宿泊施設「せせらぎ荘」。
レストランや休憩所も兼ねており、ときどきイベントも開催されているスポットです。
ちょうど私たちが訪問したときには、アーティストを招いてみんなで葛尾村にちなんだスタンプを布に押して作品を作るイベントが行われていました。
好きなスタンプを手に取り、いろんな色を付ければカラフルなスタンプになります。それらを1つの布に集めていくことで作品が出来上がるとうのは面白い体験でした。
■みどりの里せせらぎ荘
https://katsurao-seseragi.jp/
こちらは役場の近くにある交流施設「あぜりあ」。
道の駅みたいな気軽に来れる雰囲気があり、お土産品や観光ガイドなどの資料がたくさんあって何度もお世話になりました。
自由に休憩ができるスペースも併設されていて快適です(WiFiあり)。
また、美味しいと評判のコーヒーマシンもありました。
ホット・アイスどちらも挽きたてをすぐに飲めるので、ここへ立ち寄った際には必ず飲んでました。近くにカフェとか無いのでめっちゃありがたい。
■葛尾村復興交流館あぜりあ
https://katsurao-azalea.jp/
最高級の胡蝶蘭を育てているという「ホープホワイト」さんも見学させてもらいました。
ハウスの中に入ると、その光景は圧巻です。
真っ白の美しい花を見事に咲かしている姿は本当に素晴らしく、温度や湿度なども徹底的に管理されている様子が伺えました。
■かつらお胡蝶蘭合同会社|ホープホワイト
https://hopewhite.jp/
こんな感じで、徒歩圏内でもいろいろ面白いスポットがあり楽しめました。
特に「あぜりあ」は気軽に立ち寄って、コーヒーを飲みながら仕事したり情報収集するなどができるので便利です。
また、近くにコンビニの「ヤマザキ」があるので、大抵のものは手に入ります(少し割高ですが)。
他にも、村のあちこちでよくイベントが開催されており、私たちも滞在中にバーベキュー交流会に参加させてもらいました。
葛尾村の「食」を体験!
滞在中に食べたなかで、とくに印象深いものをいくつかご紹介しておきます。
まずはこちら!
なんだと思います!?
実はお餅なんです。が、そのお餅を乾燥させて保存食のようにしているのが特徴で、葛尾村の伝統的な名産品で「凍み餅」と呼ばれてます。
食べ方としては、水につけて戻したあとにフライパンで少し焼き目をつけます。そのあとに、多めの砂糖と醤油をかけて食べるんだよ…と教えてもらいました。
ちゃんとふっくらもちもちで美味しく食べれるので、保存食として最高だなと思いました。
桃もたくさん頂きました!
なかでも個人的に珍しかったのが「あかつき」と呼ばれる品種。
「桃」と言えば柔らかくてジューシーな甘さをイメージしますが、この品種はどちらかと言えば歯ごたえのある硬さが特徴です。酸味も少しありますが適度に甘い果汁も楽しめます。
最初こそ違和感を感じましたが、食べていくうちにクセになる味わいの虜になってしまう魅力があります。
食感がすごい良くて、パリッとした歯ごたえと果汁がたまりません。
「ZICCA」の物件をお持ちのオーナーさんが、すぐ近くで畑をやっているのですが、ここでしょっちゅう野菜を収穫させてもらっていました。
私たちが食べるだけなら、ほぼ毎日のように収穫できるくらいたくさんの野菜に囲まれていてうらやましい。
嫁さんは毎日野菜が食べられることに最高の喜びを感じていたようです。
採れたての「きゅうり」は毎日頂いており、最後には自分たちで率先して収穫するという流れになってました。
山菜も豊富にあり、「ふき」を大量に採ってきてオーナーさんが佃煮を作ってくれたのですが、めちゃくちゃ美味しかったのを今でも思い出します。
珍しい植物だと、「レッドカラント」と呼ばれるものが育ってました。
そのまま食べれるのですが、酸味が強いのでジャムとか加工品によく使われるらしいです。
誰も食べないと言われていたので、嫁さんと一緒にときどきつまみ食いをさせてもらってました。
近くに「野いちご」もたくさん育っていて、こちらは甘くて美味しいのでよく食べてました。
とある日に「イナゴの佃煮」をオーナーさんが持ってきてくれました。
名前は知っていましたが、実際に見るのは初めて。
なかなかインパクトの強い見た目ではありますが、食べてみるとご飯との相性は抜群でした。
「ZICCA」のすぐ前に、週1回だけですがキッチンカーもやってきます。
揚げ物、焼き鳥、飲み物、焼きそば…など、1台のキッチンカーでたくさんのメニューが楽しめます。
毎週やって来るのが楽しみで、ついついいろいろ買ってしまいます。
しかも、固定ファンがいるのか、あっちこっちからお客さんがやってきて、世間話をしながら楽しんでいるのが印象的でした。
飲食店は近くのコンビニ横にある「石井食堂」も人気です。
カツ丼(850円)を頼んだらめっちゃデカ盛りでした。
他のメニューも基本的にデカ盛りなので、お腹いっぱい食べたいときはここで間違いなしです。しかも美味しい!
ちなみに、食べるだけじゃなくてスーパーも兼ねており、さまざまな生鮮食品なども購入できるので便利です。
旅を終えて…
今回の福島県(葛尾村)は1ヶ月ほどの滞在でしたが、どうやら気候も環境も私たちに合っていたようです。食材は豊富で、自然と触れ合う環境も素敵で、毎日飽きることなく楽しんでました。
オーナーさんをはじめ、出会う人みんな親切な方ばかりで、初めて訪れたときの不安は完全に消え去ってました。
「来年もまたおいで〜」と温かい言葉をもらいながら、さらには手作りで「おにぎり」のお土産まで持たせてくれたときは、バスに乗って帰るときに涙が出そうになりました。
やはり実際に現地へ行ってみて、自分の目で見て肌で感じることって大事だなぁと改めて感じさせられる旅でした。
もっともっといろんな場所に出かけて、いろんな人と交流して、最後にまた葛尾村に帰りたいと思います。
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