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『話が通じない』のではなく、『分かっているけど怖い』のです。

10年以上家業の跡継ぎとして働いていました。

その経験から、事業承継や親社長との向き合い方について、自分自身感じていることを綴っています。


「本当に、うちの社長は話が通じない!」

「何も分かってない!どうして動かないんだ!」

親社長に対して、そんな風に感じる後継者の方は多いのではないでしょうか。

とてもいい提案をしているのに、なかなか首を縦に振ってくれない。

自分のことを軽く見ているのではないか?そんな風にも思ってしまいますよね。

かく言う、僕自身がそうでした。


僕は、かつて家業で働いていた時、多くの提案をしていました。

そのほとんどは成功して、売上や利益にも貢献してきました。

しかし、そんなある程度実績を上げた後でさえ、社長は僕の新しい提案に対して、絶対にYESと言わない。

何度も言って、周りの社員を巻き込んで、全体で圧力をかけてから、ようやく丸投げしてくる。

そんなことに対して、本当に腹を立てていたことを思い出します。


「わざとYESを出さなくて、周りを巻き込むのを待っていたんじゃないの?」

そんな声も聞こえてきそうですが、事実はそうではないです。

なぜなら、明らかに、自分で判断できていない感じだったからです。


今になって思うと、その時の社長の気持ちも少し分かります。

恐らく、社長は、僕の提案は理解していたのだと思います。

つまり『話は通じて』いた。

なぜなら、本当に話が通じていなければ、判断を迷うことなくNOを言っていたと思うからです。

でも同時に、『今までやったことがない』から、YESと言えない。言わないんじゃなくて、言えなかったんじゃないかなと思います。


「話が良さそうなことは、何となくわかる。だが、その分野は不勉強でよく分からないから、判断ができない。そんな状態でYESを出して、既存の事業に影響があったら、大変だ。YESとは言えない。」

という感じでしょうか。


年配になればなるほど、リスクに対しての恐怖心は大きくなります。

不確定な未来=リスクだから。

なので、社長が年配であればあるほど、このリスクを大きく見てしまい、出来るだけ『現状維持』でありたいと願ってしまう。

新しい事よりも、既存の改善の方が好き。

YESと言いやすい。

そんな心境になっていたんだろうなと、今は思います。

この反応は、IT系のテクノロジーや英語やSNSなどの分野で、特に顕著な感じですね。


社長も、血筋ということで、多少強めに反発できる事もあり、跡取り息子・娘の『話』をすんなり聞こうとしません。

でも、それは、理解していないのではなく、怖くて動けないのです。

そのことをこちらが事前に理解しておけば、そのリスクに対しての明確な回答を用意してあげる事で、『話が通じる』環境を作ることができます。

その分野がSNSなのであれば、(面倒くさいですが)基礎から教えてあげるとか、IT系であれば、実際に採用して成果を上げている企業をいくつか紹介するとか、具体的に期待される成果を可視化するとか。

その提案が、既存の事業に大きなダメージを与えない(もしくは限定的)ということを、丁寧に説明してあげて、なおかつそれ以上のプラスの成果がでるということを説明し、さらにその分野の基礎的な知識を教えてあげる。

ふー、なんだか書いているだけで、疲れちゃいました(笑)


年配の社長は、基本保守的。

『話が通じない』のではなく、『分かっているけど、怖がっている』ということを念頭に、提案してみてはいかがでしょうか。

後継者の方は、本当に大変ですね!

頑張ってください!

応援しています。


Wordプレスでブログを始めました。
仮想通貨多めです><

家業を継がない息子のブログ⇒ https://aligatou.com


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