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Free Soul Garden を聴く

Free Soulシリーズ。サバービアの橋本徹氏。ライナーノーツ等で氏の記事を読むとなんともスノッブな感じがしてちょっと敬遠したくなります。しかし今ほどに情報に溢れていなかった90年代に、一部の熱狂的リスナーに愛されていた曲を世にアウトプットしていったことはやはり偉業ともいえるのではないでしょうか。
「ソウル・ミュージック」を明確に匂わせながらもジャンルレスにあの時代の空気感をまとった楽曲群を、よくぞあれほどたくさんピックアップしてまとめあげたものです。

このシリーズは、94年4月に第一弾がリリースされています。それぞれテーマ(コンセプト)があり、それがアルバムのタイトルに含まれています。
シリーズ第一弾は、「Impressions」「Visions」「Colors」「Lovers」。この4枚はいわばマストなわけですが、個人的には96年1月リリースの「Garden」をとても気に入っています。70年代ソウルのフレーバーが濃厚で、グルーヴィーな曲とメロウな曲の匙加減が絶妙なのです。

ハービー・ハンコック「WIGGLE-WAGGLE」で幕を開けアクセルを一気に踏み込む。ナイル・ロジャースのカッティングがエモーショナルなシスター・スレッジ「THINKING OF YOU」、ダニー・ハザウェイ「LOVE,LOVE,LOVE」と続く。このあたりは衒いなく直球ストレートですね。コールド・ブラッド「YOU'RE THE SUNSHINE OF MY LIFE」、ジョー・ママ、ピーター・ゴールウェイ、アラン・トゥーサンとつながり、マリア・マルダー「MIDNIGHT AT THE OASIS」でハッと心がときめきます。その後もマロのグルーヴィーでファンキーなギターに心が躍り…。なにしろ名曲がずらりと並びます。

このアルバムはとりわけ週末土曜に聴きたい。昼でも夜でも、部屋でもクルマの中でも。どっぷりグルーヴに身をゆだねたいときにはもってこいのアルバムです。


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