【初級~中級者向け】MtG上達の秘訣

割引あり

こんにちは。BIG MAGIC ELDERSの黒田正城です。
noteの記事ではずいぶんとお久しぶりです。

コロナの期間中はほとんど東京へ行く機会もなかったのですが、2023年2月に開催された「Timewalk」というイベントに、講演者として招待いただきました。これまで長年に渡るマジックとの付き合い方や上達するための練習法について語ったり、参加者の皆さんの質問に答えたり、とても楽しい時間を過ごすことができました。

画像はTimewalkさんのツイートから。沢山集まってくれて感謝です!

私はいつも通り、自由にこれまでの経験を語ったつもりでしたが、講演中やイベント終了後の皆さんの反応を見ていて気づいたことがありました。私を含め、もうずーーーっとこのゲームに関わっている長老にとっては当たり前のことでも、最近マジックを始めた人にとっては「目からウロコ」の情報だということがたくさんあったのです。
MtGArenaからマジックを始めたプレイヤーもかなり増えているのを実感します。どう見ても紙の扱いに慣れていなくて、初心者さんだなと思っていたらカードの選択は的確で、デッキはめちゃ強い!なんてことが増えました笑
なので、こういった他愛も無いネタが新規プレイヤーにとって良いヒントになるのなら、頑張って言語化してみよう!と思い、記事を書くことにしました。

この記事は当日お話しした内容を踏まえ、私が普段心がけていることや上達するためのネタを追加したものです。主な対象は初級~中級レベルの「もっと上手くなりたい!」と思っているプレイヤーだと思います。
記事の後半は有料にしていますが、書いていることのレベル感は前半と変わりませんので、高度なシークレットテクではありません。「ああこんなもんか」と思われる上級プレイヤーの皆さんや、マジック歴の長い皆さんには無用な内容かもしれませんが、ご容赦ください笑

約25年のマジック経験を凝縮してまとめたつもりです。この記事が皆さんにとって大きな時間短縮につながり、セットブースター1パック分ぐらいの値打ちが出ればいいなと思います笑

また、私は記事をリリースする際に追加のご質問を随時受け付けています。もっと聞いてみたい!ということがあれば、遠慮なくtwitterアカウント(@masashiro41236)のDMにご連絡ください。それでは行きましょう!


①プレイング

盤面の有利・不利を見極める

まず最初に、マジックで一番重要だと思うスキルについてお話ししましょう。「今、有利なのか?不利なのか?」を常に判断することは上達するために必要不可欠ですが、決してマスターすることもできない、永遠の課題だと思っています。「大局観」とも呼ばれますね。

マジックには様々なリソースが存在します。ライフ、手札、マナの数、クリーチャー等のパーマネント、墓地などです。それぞれの項目について有利・不利を採点し、総合的にどちらが有利なのかを常に把握しなければなりません。これができないとプレイの軸がブレますし、今は攻めるときなのか、守るときなのかという、とても重要な判断を誤る可能性があります。大会中にはできませんが、友達とフリープレイをする際「今どっちが有利だと思う?」という確認を定期的にすると良いと思います。自分より上手な人にアドバイスをもらうと、感覚の違いが分かってレベルアップできると思います。

マジックは一発逆転がしづらいゲームです。不利な盤面をいきなり有利な盤面にひっくり返す、魔法のようなプレイングはまずありません。不利であれば五分の状態に、五分であれば有利な状態に持っていくことを考えるようにしましょう。少しづつポイントを稼いで差をつけていくようなイメージです。相手の裏をかいて「一発かましてやろう!」と考えると、必ずプレイに歪みが出ます。大体の場合、上手なプレイヤーにはその意図を見透かされて失敗するようにできています。
ちなみに紙の大会であれば、相手の表情や1ターンにかける時間も有利・不利を判断するための重要な材料になるため、意識して観察するようにしてください。相手のペースがスローダウンしたら、こちらにとって有利な盤面である可能性が高いです。

毎ターン全軍突撃できるかを考える

これは、特にリミテッドで強くおすすめしたい考え方です。構築戦でもアグロ~ミッドレンジのデッキを使うときに当てはまります。(コントロールやコンボは毎ターン戦闘が発生しないので例外です。)
自分のターンが来たら、まず「全軍突撃できるか」を真っ先に考えるクセをつけましょう。「アンタップ、アップキープ、ドロー、攻撃できるか?」と、一連の流れで考えられるまで体に叩き込むのが大事です。

相手の場に3/3が立っていたら、普通2/2で攻撃することはできません。ですが、2/2が5体いれば8点も削れるので話は変わってきます。ライフが10対20だったらどうしましょう?戦況によって選択肢はどんどん複雑になりますが、まず全軍突撃したら何が起きるのかを考え、不都合がある場合は攻撃させないクリーチャーを選ぶ。という引き算の考え方をすると、物事がシンプルになります。不利な状況でも、強気に攻撃をすることで逆転につながった事例は数えきれないぐらい存在します。

私は初心者の方から相談を受けたら、必ず「はまさんのコンバットドリル」をおすすめしています。この本には上達のヒントが至るところに隠されており、全プレイヤーが読むべき珠玉の作品だと思います。

ライフ管理をマスターする

マジックには色んなリソースがあると前項で書きましたが、初心者~中級者の方は、とにかくライフの評価が高くなりがちです。残り10点ぐらいになると不安になり、不要なチャンプブロックをしたり、どうでもいいクリーチャーに除去を打ったりしてしまいます。また、反撃のダメージが気になってしまい思い切った攻撃ができず、「えっ、ここで攻撃しないの?」というシーンもよく目にします。いずれも、ライフを過剰に守ろうとするために起こる症状です。

この症状を改善するためには、少し発想を変えると良いと思います。言葉通り「ライフ=命」と考えると守りたくなるので、ガソリンだと考えましょう。どこかに出かける際、車にガソリンを入れますよね。ではこのガソリンを全く消費せず、満タンのままで目的地にたどり着けるでしょうか?答えはNoです。

マジックのライフはガソリンと同じです。減るのが当たり前で、19点消費してゲームに勝つことが最も上手なプレイなのです。ライフ1点をガソリン5%と読み替え、減ることを怖がらないようにしましょう。
「あと1点だったのに!」と負けて悔しがることがあると思いますが、上手なプレイヤーは相手の攻撃を不用意にブロックせず、ライフで調節しているので最後の数点はなかなか通りません。だからこそ、序盤~中盤に1点でも多く、貪欲に稼いでおくことが大事なのです。

先手と後手

「最近のマジックは先手ゲーがひどい」という話をいつの時代でも耳にしますが、マジックが後手ゲーだったことなど一度もありません笑
先手が有利なのは、ターン制対戦ゲームの宿命とも言えます。

マジックで後手を取ることが肯定される例外事例は、
・展開の遅いセットのシールド戦
・打ち消しの入った青系コントロールのミラーマッチ
・クリーチャーの少ないバーンデッキのミラーマッチ
など、非常に限られたものしかないと思います。

BO3であれば、絶対に1回は後手のゲームで勝たなければいけません。練習のときに後手専用のサイドボーディングやプレイングをしっかり準備できているか?ということはとても大事ですが、おろそかにされていることがとても多いように思います。一人回しするときも、多くの人は基本的に先手でやりますよね笑
ダイスロールに勝って、先手を取れるのがもちろんベストですが、こればかりは改善しようのない部分です。なので、後手で勝てるゲーム展開をしっかり理解しておくことはとても大事だと思います。ちなみに私もダイスロールはめちゃくちゃ弱い方で、0勝10敗なんかもザラにあります。こういうときに確率を計算すると腹が立つのでしない方がいいです笑

先手・後手の話は非常に奥深いので、構築編のサイドボードに関する話題でも触れていきたいと思います。

練習時の上達方法

これは色んな先輩から教わったことですが、フリープレイで練習しているときに相手が間違ったプレイをしていたら、適切なアドバイスをしてあげることが大事です。自分で気づくプレイミスはほんの一握りしかなく、基本的に誰かから指摘されないと上達しません。なので、強くなりたいと思ったら自分より上手なプレイヤーに厳しく教えてもらうことは必須です。気持ち的にはイヤかもしれませんけどね笑

MtGArenaは気軽にマジックを楽しめる素晴らしいツールですが、「ミスプレイをしても気づきにくい」ことが大きな問題だと思います。後ろで誰かが見ていてくれれば軌道修正の可能性がありますが、部屋で一人黙々とやっているとエラーチェックはできません。実際のプレイングも、サイドボーディングもずっと同じ間違いをしたままやっている可能性があるのです。
ミスを指摘されるのは、決して気分のいいものではありません。ですがはっきり言ってもらうことがなければ上達もありません。「こっちでブロックした方がいいよ」「その除去もったいないよ」と、遠慮なく言える練習環境を作りましょう。

私は「ほんま下手くそ!!ヘタ!!!www」と言われながら育ちましたが、本当に当時の先輩方には感謝しています笑

②デッキ構築とサイドボーディング

効率よくデッキを調整する方法

先日、パイオニアで黒単信心を使っている方からデッキの相談がありました。《ファイレクシアの抹消者》を軸にして《二クスの祭殿、ニクソス》から大量マナを出し、《アスフォデルの灰色商人》で大量のライフを削るようなコンセプトのデッキです。

やっぱりこの絵がいいな

《ニクソス》がたくさん入っていましたが、リストを見た瞬間に必要性が低いと感じました。2マナ域に黒黒のクリーチャーが多数入っていること、《灰色商人》よりも重いカードがデッキに入っていないことから、《見捨てられたぬかるみ、竹沼》や《ロークスワイン城》など、ちゃんと黒マナを生み出して特殊能力を持っている土地の方が強い気がしたのです。

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