新基準原付の気になるニュース
バイク情報誌「ヤングマシン」のウェブ版に気になる記事があった。
新基準原付とは、50ccの原付バイクが持つ「日本でしか需要がなく、世界展開ができない」「エンジンの発熱量が足りず、排ガス浄化装置の稼働に時間がかかりすぎる」という欠点を解消するため、原付バイク相当に出力を弱めた原付二種バイクを原付免許で乗れるようにしたものだ。
記事によると、ホンダが新基準原付と思われる名称を商標登録したのだという。車種はどうやら「カブ110」「ディオ110」「カブプロ110」もしくは「ベンリィ110プロ」と思われる。新基準原付のベース車に選ばれる車種としては、特に驚きはない。いたって順当な選択だろう。ただ、気になることもある。
近所のバイク屋さんが言うには、原付バイクを生活の足に使っている年配の女性が困っているのだという。曰く「(新基準原付は)大きすぎて乗れない」らしい。
それはそうだろう。二人乗りを前提にした原付二種バイクは当然ながら50ccの原付より車体が大きい。そして重い。youtubeのバイクyoutuberが「コンパクト」「軽い」「細い」と紹介するディオ110ですら、車重は100kg近くあるし、実車を狭い駐車スペースで取り回すと結構難儀する(私の愛車でもあるので間違いない)。成人男性ならちょっと面倒くらいで済むが、小柄な年配女性が同じように取り回すのは現実的には困難かもしれない。また、シート高も高い。
だからと言って気軽に「電動アシスト自転車を使え」とも言えない。都会の人だと想像もつかないだろうが、晩御飯のおかず一つ買うのにも10キロの山道を上り下りしながら商店のある町まで出なければならない「ポツンと一軒家」のような家は田舎にはたくさんある。電動アシスト自転車など遅すぎて役に立たない。原付バイクは日常生活に関わる生命線なのだ。
新基準原付の「車体がデカすぎ」問題は、注目されるかは知らないが、少なくとも現実の問題として一部の原付ユーザーを困らせることになりそうだ。