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LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略 リンダ・グラットン アンドリュー・スコット

 これから生まれてくる人たちは、医療の進歩で100歳を生きることが当たり前の時代になります。「100年を生きること」は、現在の平均寿命80歳程度を想定されている私たちの人生の歩み方が大きく異なります。『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』は、「100年を生きること」について、どのように考えで生きていけばよいか、大きなヒントになります。

作者

リンダ・グラットン

作家、学者、経営コンサルタント

イギリスの組織論学者、 コンサルタント、ロンドン・ビジネス・スクールの管理経営学教授及び彼女自身の組織行動論(英語版)上の実績で有名なHot Spots Movementの創業者。

本の内容

 「100年を生きること」について、資産、キャリア形成、健康、時間の使い方など、様々観点から考察を行っている。
 これから生まれてくる人は、寿命100年は当たり前だが、今現在自分の年齢がどの檀家にあるかによって、いくつまで生きるかは変わるし、それに伴いキャリア形成も大きく異なる。このことについて、3つの具体的なモデルケースを挙げて説明している。
 1つ目、ある程度の年齢を超えていて、現行のシステムで逃げ切れる世代。この世代は、3.0キャリアを歩むこととなる。3.0キャリアとは、教育→勤労→引退のステージが明確に分かれている。人生の初期の段階で学校教育を受け、それを基に就職し、引退後は、手厚い公的年金を基に生活する。
 2つ目、まだ比較的若く、100年を生きる世代との過渡期にある世代。この世代は、長寿化に伴い、引退後の時間も長く、公的年金に期待することができない。そして、一つの企業でずっと働くというようなキャリアではなく、転職やフリーランスとして仕事をするなどの選択肢取ることとなる。そのため、新たなスキルの習得のため、学び直しが日必要となる。
 3つ目、これから生まれてくる100年を生きる世代。この世代は、教育、勤労が人生の中で交錯しながら、キャリアを形成する。そして、その形も柔軟なのが特徴。例えば、教育は従来の学校教育だけでなく、世界を旅をして、知見や自分に対する理解を深めることで学ぶ。勤労も、従来の会社に帰属する型ではなく、自身で起業したり、仲間と仕事をするなどの選択肢もある。
 『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』は、他にも資産形成や家族の在り方、100年を生きることになって、増えた時間をどのように活用するかなど述べられている。

本の感想

 人生100年。
 このことについて、皆さんはどのように思いますか。長いと感じますか、短いと感じますか。ワクワクしますか。それとも、不安をですか。
 医療が進歩して、私たちの生きている時間は長くなりました。それはとても喜ばしいことです。私たちの祖父や祖母の世代では、こんなに長生きすることが当たり前になる時代がやってくることは、夢にも思っていなかったと思います。
 また、時代は変わり、私たちには選択肢が無数に増えたこと。会社で働いて、その中で人生の長い時間を過ごし、引退が来たらようやく穏やかな日々を手に入れることが、今までのモデルケースでした。しかし、時代が変わり、技術は進歩して、様々な生き方が可能になりました。YouTuberはそのことを象徴したものではないでしょうか。
「好きなことをして生きていく」
 友達とふざけていたり、ゲームをしたり、旅をしたり、そうしたものがマネタイズ化することは考えられませんでした。
 本書では、「自身の価値観を知ること」が100年の時代を生きるには、重要な要素だと述べられていました。それは、生きている時間が長くなること、人生には選択肢が無数に存在すること。このような状況では、自身の価値観に沿った人生を送ることが、最高の人生の戦略になります。時代は変化を続けます。その時、良かったと思ったことでも少し経てば、すぐにそれが陳腐化してしまいます。長く生きることができるようになった僕たちは、人生の中でこのような変化を何度も要求されます。その時、自分の価値観をしっかりと把握しておくことが、より良い変化を続けることができるのではないかと思います。
 しかし、年齢が変化に対して、大きな問題になります。自分の年齢を言い訳にしてチャレンジをしないこと。それは、人生100年時代となった今、年齢は特に問題はなくなりました。100年あれば、長期的な視野に立てば、何度もチャレンジする機会が増えました。1万時間の法則有名な話で、1万時間の鍛錬があれば、プロレベルまで達することができるとのことですが、100年となれば、87万6千時間あります。それは、つまり何度チャレンジすることできることを意味します。
 『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』は、人生を真剣に生きていと考えている人におすすめの本です。


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