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『現実は厳しい でも幸せにはなれる』 アルバート・エリス



アルバート・エリスによる論理療法に関する本です。
それまでの心理療法は、フロイトやユングによるものが主流でした。それは、過去の出来事、両親の関係にフォーカスして、それに対する解釈を変えることで、トラウマを克服するものでした。
アルバート・エリスによる論理療法は、現実に起こった問題に対して、批判を行い、新たな視点を見出すことで、克服するものです。
なので、この論理療法は、私たちが今目の前で起こっている問題に向き合い、成長して人生をより良いものにすることができます。

具体的な手法を紹介いたします。カウンセラーを必要とせず、今すぐに始めることができるので、ぜひ日常生活に活かしてみてください。

ABCD法

A(Adversity)
実際に起こった出来事や逆境。
例 テストで赤点をとった。恋人に振られた。仕事で失敗した。

B(Beliefs)
思い込みや信念。
この誤った思い込みに私たちは苦しむ。「こうあるべきである」「こうでなくてはならない」と言った固定観念。このBeliefsを崩すことがとても大切。
例 テストで赤点をとった自分は無能だ。恋人に振られた自分は価値がない。仕事で失敗したから、自分はダメな人間だ。

C(Consequences)
Beliefsがもたらす結果。
例 自分は無能だから、次もダメだ。自分に価値がないから、生きている意味がない。

D(Disputing)
誤ったBeliefsに対する自己反論。この自己反論を通して、新しい視点を得ることができます。
例 テストが赤点でも、次のテストを努力してより良い点を取ればいい。恋人に振られたなら、新しい人を探せばいい。今回仕事で失敗したが、大きなことを学ぶことができた。

こうしたABCDの過程を通して、誤ったBeliefsに反論を加え、新しい考え方(Effective)を身につけます。

アルバート・エリスは、この論理療法を心理学よりも、孔子、ブッダ、カント、アリストテレスなど哲学から影響を受けたそうです。そして、自分がカウンセリングを受けた相手が、自分の人生を自分で変えていく様子を幾度となく見たそうです。

『現実は厳しい でも幸せになれる』は、自分の人生に対して責任を持つことの大切さを学びました。どんな出来事も、自分の考え方が大きな影響を持っていること。その考え方を適切に変えレバ、力強く幸福な人生を歩むことができる。
本書では、この論理療法を補足するものとして、いくつかの実践的なテクニックも紹介されています。

「もっと強い人間になりたい!」「どうすれば幸せに生きたいけるだろうか?」そんなことを考えているあなたにお勧めします。

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