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エクセレント・カンパニー

超優良企業には、かなり一貫した共通項がある。

そして、時代がいかに変化しても、常に変わらない重要な基本・理念を持った本が数多く存在しています。優れた知恵は、いつの時代にも私達の足元を照らし、未来への道筋を示してくれます。

エクセレント・カンパニー

著者[トム・ピーターズ]、[ロバート・ウォータマン]
翻訳[大前研一]


■成功しているアメリカ企業

ハーバード大学のエルトン・メイヨーとチェスター・バーナードが、1930年代に行った研究では、さまざまな面からこの二人は、組織の官僚体制を形態的に定義したマックス・ウェーバーと、経営も厳密な科学たりうることを示唆したフレデリック・テイラーの考え方に挑戦している。

彼は職場の衛生が従業員の生産性に直接プラスの影響を与えることを実地に示そうとしたことがある。彼が照明を明るくすると、やはり彼の言ったとおり生産性は上がった。さて、それで満足げに別の要素の影響を測定しようとして、次の実験のために型どおり照明をもとの明るさまで落とすと、再び生産性は上がったのである!

私達にとって、こうした行為に関する研究から得られる非常に大切な教訓は、そして、この本の中でたびたび繰り返されることになるテーマは、生産性に対して主要な意味をもつのは労働条件それ自体ではなく、労働者に対する経営者の配慮なのだということである。

優秀な経営者は、組織の持つインフォーマルな社会的属性に留意して有効な価値観を形成していける者だとし、たんに形式的な報酬制度や経営システムを操作し、短絡的な(狭義の)能率向上のことしか考えない経営者と対比している。

要するに、組織を構成する一人ひとりの人間が今でも重要なのだ、といういわば当たり前のことを私達は見出したのである。一人ひとりの男女社員の限界(情報処理能力の)と力(貢献度と熱意から湧き出る)をとことんきわめた組織を作り上げること、これが超優良企業と言われる組織の強さの根源なのだ。


■超優良企業の八つの基本的特質

超優良義業は、なによりまず基本的なところでとくに優れているということが、予想していたよりはるかにはっきりと示されたのである。手法や道具を思考の代用にしない。知能を知恵より優先させない。分析に行動の邪魔をさせない。逆にこうした企業は、この複雑な世の中で必死に物事を単純にする努力をし、またその努力をあきらめない。最高の品質にこだわる。徹底して顧客に合わせる。従業員の声に耳を傾け、大人として彼らを扱う。革新的才知ある商品開発やサービスのチャンピオンに自由にやらせる。素早い行動と実験精神に付随して起こる多少の混乱はいとわない。

革新的な超優良企業をもっともよく特徴づける八つの基本的特質は以下のようである。

①行動の重視

どんどんやれ、というのである。たしかに意思決定の際には分析を大切にしてはいるのだが、そのことによって企業がマヒする(そのような会社は多い)ことがない。

行動指針が「やってみよ!だめなら直せ!試してみよ!」なのである。

②顧客に密着する

超優良企業は、お得意様から学ぶ。最上の品質とサービスと信頼「いつまでも価値のある物」を提供する。革新的企業の多くが製品アイデアの最良のものを顧客から得ている。つねに、熱心に耳を傾けていることによって、はじめて可能になることである。

③自主性と起業家精神

革新的な企業は、社内に大勢のリーダーと創意ある社員を抱えており、それは、私達が「チャンピオン」と呼ぶ人々の巣窟である。非常に創意に溢れ、会社の雰囲気は大企業というよりはむしろ実験室と書斎が何となく集まったようなところで、そこに熱にうかされた発明家や空想の世界を四方に広げる恐れ知らずの企業家が集まっている。実践的なリスクを冒すことを激励し、惜しい失敗を支援する。

④ひとを通じての生産性向上

超優良企業は、ごく末端にいる一般社員を、品質及び生産性向上の源泉のように扱っている。「すべての労働者を単なる労働力としてでなくアイデア源としてみなす」

⑤価値観に基づく実践

「組織体の持つべき基本的な考え方(フィロソフィー)は、技術力、資金力、組織構造、新製品の導入、タイミングといったことより、はるかに強く企業業績と繋がっている」

⑥基軸から離れない

J&Jの前会長ロバート・W・ジョンソンはこれを「自分でどうやったらいいかわからない業種を絶対に買収するな」という言い方で表現した。自分たちが熟知している業種にある程度固執する企業の方が、卓越した業績をあげていることが多い。

⑦単純な組織・小さな本社

超優良企業の支柱となっている機構と体制は、まことにすっきり単純なものである。管理階層が薄く、本社管理部門が小さいのである。100人に満たぬ数の管理部門で、何千億円もの企業を動かしていることもけっして珍しくない。

⑧厳しさと穏やかさの両面を同時に持つ

超優良企業は中央集権と権力分散(分権)の両面を兼ね備えている。ほとんどの企業が、工場の現場や製品開発チームにいたるまで、自主性ということを強調していることはさきほどにも述べた。だが反面、企業精神の中核となるいくつかの価値観については、まさに狂信的とも言えるほど中央管制がきついのである。「彼らがいちばん大切だと思っている基本精神についての信念の強さは、過激な宗派の洗脳されきった信者でさえ顔負けだ」

超優良企業のすべてにおいて八つの基本的特質の全部が同じ程度のように見られたというわけではない。しかし、いずれの会社でもこの八つの特質が、少なくとも経営陣によってきわめて重視されていることは明らかだった。そして、私達の見ているところでは、この八つの基本的特質が、今日ほどんどの大企業で欠落しているのである。


■合理主義的な考え方

冷徹な合理主義をもって、超優良企業が超たるゆえんを説明する事はできない。顧客を大切にすることの真の意味合いも教えてくれない。なにより重要な任務は、ごく平均的な人間の潜在能力をトコトン使い、負けず嫌いの英雄にすることだということも教えない。それは、ちょっとした助言をしてやるだけで、労働者がどれほど自分の仕事に一体感を抱くかを示してはくれない。自発的な品質管理のほうが監督者に依存した品質管理よりはるかに効果的なのはなぜか、という問いにも答えてくれない。


■分析という「象牙の塔」にこもる

今日のいわゆる「合理主義」は実験精神を評価せず、誤りを犯すことを極端に恐れる。保守主義的になれば、活動は停滞し、「検討委員会」がダラダラと何年も続けられるようになる。こうして結局は自分たちが避けようとしていたまさにそのものに直面するはめになる。

「分析できることしか分析しない」傾向こそが究極のところ致命傷なのだ、ということをもう一度繰り返そう。たしかに、製品系列を二本にしたり生産工程が画一化されていないことによるロスは、正確に数字で示せるかもしれない。だが、「チャンピオン」たちのモーレツな働きによって途切れることなく生み出されてくる新製品の流れから得られるプラス、生産現場のチーム間の絶えざる競争から生ずる数々の革新的アイデアにより生産性がしだいにあがっていくこと等々を正確に把握するのは、はるかに困難な作業なのである。


■人々は動機づけを望んでいる

心理学の研究で、無作為選出した成人男性を相手に「他人との協調性」について自己診断をしたという。その結果、すべての被験者が、自分を上位半分以内にランクづけしている。私たちはみな自分がなんらかの形でトップだと思っている。

超優良企業から得るべき最大の教訓は、こうした考えを助長するような組織運営制度を作ることになんの不都合もないということである。そして、こうした超優良企業では、大部分の従業員が、なんの矛盾もなく自分を成功者と思うようにしむけられているのである。

人が仕事に打ち込むのは、自分は成功していると組織や制度が思わせているときである。人は腕が良ければ解決できるということを学び、そしてこれがもっとも重要な点だが、もう一度やってみようと考えるものである。


■プラスの動機付けを強化する

「罰を受けた人は、それによって誤った行動をしなくなるかというと、そんなことはない。どうすれば罰を受けなくてすむか学ぶのが関の山だ」

例えば、「客に対する対応が悪い」ことで叱責を受けたとする。そうするとわれわれは応対を良くするのにはどうしたらよいかを具体的に学ばないばかりでなく、客をできるだけ避けることを「学習」する、という反応を見せがちなのである。

プラスの動機付けの重要性を認識している経営者は極めて少ない。いや、多くの経営者はその価値をまったく認めていない。超優良企業と対比して見れば一目瞭然である。超優良企業では、プラスの強化の重要性を十分認識しているばかりでなく、それをうまく使う方法をも心得ている。

プラスの強化を演出する際に重要なのは、定量化に重点を置くよりも、その方法がなるべく具体的であることが好ましい。すなわち、超優良企業では、経営数値による目標管理よりも、行動を主体にした目標管理を多く使っている。たとえば「売上5億増」といった表現ではなく、「7月17日までにロックヴェル工場を生産態勢にもっていく」といった具合である。

人間がある仕事に本気で取り組むためには、それが本質的にやる価値のあるものだとその人間が思い込むことが必要である。従業員は自分で道を選ぶことができる。だからこそ、彼らは仕事とその成果を自分自身のものと考えるようになるのである。


■基本理念

超優良企業では「一人一人の人を大切にせよ」「人々を勝者にせよ」「目立つ機会を与えよ」「人々を大人として扱え」といった基本理念が、企業の隅々まで行き渡っている。

「個々人の判断力の不足を社規や分掌を作って補おうとすると、必ず自己矛盾に陥る。なぜなら、判断力なるものは、使わないかぎり発達しないものだから」


■価値観に基づく実践

人は企業の衰退と没落の原因に思いをめぐらす。技術革新、嗜好の変化、流行の変化など、いずれもその原因のひとつであろう。どれをとっても重要な原因であることは誰も否定できない。

どのような組織体であろうと、生き延びて成功を収めるには、健全な信条を待たなければならないということである。その信条がすべての方針や行動の前提となる。

次に私が信じるのは、企業が成功するためのもっとも重要な原因のひとつは、その信条を忠実に固定することである。そして、最後に変化してゆく世界の挑戦に立ち向かうためには、組織体はみずからに関するあらゆる事柄を変える用意がなければならないが、企業に生命を与えるそのような信条だけは別だということである。

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エクセレントカンパニーになるためには永遠に変わることのない確固たる信条こそが、その企業に生命を与え、繁栄し続ける。

私は人生においても同じじゃないかと思っている。

個人の信条も大切だが、昔は自分の家の信条、家訓みたいなものがあって代々その教えを親から子へ受け継ぐことでエクセレントファミリーなるものを築いてきたんじゃないだろうか。

今はもう受け継いだ信条なんてものはほとんどないんじゃないだろうか。

皆さんには誰かに受け継いでほしい、信条や思いはありますか?

私は子供に受け継いでほしい様々な思いがある。

また、この思いは子から孫へ受け継いでいってほしい。

子供の幸せを本当に考えるなら、また子供の子供の幸せまでを考えるなら自分にはなにができるのだろうか。

なにをすべきなのか。なにを残すべきなのか。

様々な意見があると思うが、私が子供に受け継いでほしい一つの思いは「自分の子供を幸せにする」ということだ。

私の子供にはその子供の幸せを考えてほしい。

結局のところ人の歴史も、今までを長らく繁栄してきた企業みたいなものだと考えると、その信条というのは「人を幸せにする」ということなんじゃないかと思う。

すべての人がそう考えてるわけではないが、偉大な人達の多くがそう考えていたと思う。

人は「人を幸せにする」ということに幸せを感じるのだろう。

私の情報が少なからず皆さんのお役に立てればと思います。
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