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いつどのタイミングでもできる、人生の方向転換。


ライフピボットとは、過去の経験を土台に新しいキャリアへ移行する考え方である。

今、キャリアに不満がある人や、より望ましいキャリアへの転換のためにライフピボットの考え方が有効になってくる。

人生のというゲームのルールが変わった現在、常に地図は書き換わり、コンパスは正確な方向を差さない。そんな時代に、一歩ずつ踏み出していける力が「ライフピボット」なのだ。

著者[黒田悠介]
東京大学文学部卒。その後2社のベンチャーを経て起業したが、2年弱で代表を交代しスローガン株式会社にジョイン。キャリアカウンセラーとして2年間で数百人の就活生とキャリアについて対話する中で、思考を言語化する面白さや課題解決への効果を実感。その後独立し、ディスカッションパートナーとして支援した企業は約100社。


■人生というゲームのルール変更

社会が成熟した現在の日本では、今までとは別のモノサシで社会の在り方や自身の生き方を個人が考えなければならなくなった。

物質的な豊かさから、精神的な豊かさにシフトしたのだ。

これからの人生は多様な選択肢の中から、自分の好きなものを選び取るように生きていけるのだ。

このように、ゴールの見えないゲームをプレイし続けていくには、老後までキャリアを転換していく必要がある。

まず、ライフスタイルを転換し続ける理由が3つある。

①人生の長期化
「人生100年時代」という言葉を聞いたことがあるかもしれないが、私たちの未来はテクノロジーによって衛生、医療、バイオにおいてイノベーションが起こる。

そうなると、日本では少子高齢化が進み「支える世代」と「支えられる世代」のバランスが崩れ、定年の延長が考えられる。

今後も定年の延長が75歳まで延びていったり、定年がなくなることも考えられる。つまり、私たちは半世紀近く働くことになるのだ。

老後のためにという考え方より、若いうちからキャリアを転換させ続けて、老後も柔軟に新しい可能性を切り開き続ける方が、人生の充実につながるというわけだ。

②ライフスタイルの短期化
これからは、「キャリアプラン」という一直線上のキャリアを進むのではなく、「キャリアドリフト」という将来像を決めてしまうのではなく、状況に身をゆだねて流されてみるという考え方に変化していく。

これは、企業の短命化と仕事のプロジェクト化が進み、常に状況が変化していくからである。さらに、仕事だけではなく、ライフスタイルも短命化していくことになる。

様々な経験を重ねることで、趣味嗜好も変わり、やりたいことも変わっていきライフスタイルや、自分自身も変えていく必要が出てくるのだ。

③世界の変化の加速
変化の速い時代になって、以前のイノベーションが次のイノベーションを支えるようにイノベーションの連鎖が世界の変化を加速させている。

また、グローバル化によって世界中のありとあらゆるモノが連動し続けるのも変化のスピードを後押ししている。

このように変化していく時代の中で1つのライフスタイルだけでは生きていくことは難しい。これからは、ライフスタイルを転換し続けることが当たりまえになってくる。

仕事や人生の「計画」を綿密にするのではなく、どんな変化ににも対応できる「準備」をしておくほうがいい。しかし、やりたいことを後回しにするような準備の仕方ではない。

私たちは100年生きるかもしれないが、明日死ぬかもしれない。だから人生を楽しみながら準備を進めていくことが重要になる。

あなたはキャリアを転換する準備ができているだろうか?



■ライフピボットに必要な3つの蓄積

ライフピボットは経験の「蓄積」と「偶然」がトリガーとなり、起こるものだが「蓄積」とは具体的になにをすればいいのか?

必要な蓄積は3つある。


①価値を提供できるスキルセット

私たちが仕事を通じて蓄積しているスキルセットは、多様なものがあるが自分のスキルセットを思い浮かべた時、思い浮かぶスキルと言うのはごく一部である。

スキルの中にも、業務を実際に行うテクニカルスキル、他人との関係性を作るヒューマンスキル、物事を抽象化したり多面的に見ることができるコンセプチュアリスキルがある。

スキルセットを見つけたり、磨いたりするためには「振り返り」をすることが重要である。

今日、どんなスキルを発揮したのか、何に時間を使ったのか、どんなことで感謝されたのか、人と比べて苦も無くできることは何なのかということを振り返るのだ。


②広く多様な人的ネットワーク

私たちは仕事を通じて様々な人と繋がり人的ネットワークを構築していく。ライフピポッドに必要な情報や機会をくれるのが、この人的ネットワークである。

しかし、人的ネットワークを構築するためには、「信用」と「信頼」が必要になってくる。まず、「信用」とは客観的な情報によっての判断であり、「信頼」とは主観的に判断することである。

分かりやすく言うと、相手に役立ちそうな情報を提供したりすることは「信用」を蓄積し、一緒に仕事をすることで「信頼」を蓄積する。

ライフピボットに必要な人的ネットワークは、価値提供で「信用」を貯め、共同作業によって「信頼関係」を築くということである。


③経験による、よりリアルな自己理解

自己理解とは、自分の嗜好性や価値観を知ることであり、こうした自己理解はライフピボットの道しるべである。

もし、スキルや人的ネットワークによってライフピボットをしたとしても、自分が好きじゃなかったら、それは成功したことになるだろうか?

ライフピボットを成功させるためには、自分のことを良く知っておく必要があるのだ。

自己理解を深めるためには、「感情と思考を観察する」ことである。

例えば、辛くて気が乗らない仕事があるのならば、それは嫌いなのかもしれない。逆に、喜んでやる仕事は好きなのかもしれない。

このように、自分の嫌いな仕事、好きな仕事の共通点を見つけていくと、自分の嗜好性が見えてくる。

あなたが夢中になれるキャリアを見つけたなのなら、よりスキルや人的ネットワークも広がっていき、より良いライフピポッドに近づいていくのだ。



■ライフピボットの阻害要因は3つ

先ほどの3つの蓄積を車に例えるなら、スキルと人的ネットワークはアクセルであり、自己理解がハンドルになるだろう。しかし、アクセルは踏まれているが、ブレーキも踏まれていた場合は前に進むどころか事故につながる。

では、なにがブレーキをかけるのか。具体的な阻害要因を対処していかなければ前には進めないのだ。

大きな阻害要因は3つある。


①お金がない

仕事において「8つの報酬」というものがある。スキルセット、人的ネットワーク、自己理解、ポジティブ感情、達成、没頭、意味、金銭である。

この8つの報酬の中で金銭だけは、絶対になくてはならないものなのだ。言うまでもないが、生活していくために必要である。

一定の収入を超えると幸福度は横ばいに近くなるが、お金で選択肢が増える場合もある。

ライフピボットをする際、一時的に収入が不安定になる場合でも数か月分の生活費があれば思い切った行動もとりやすくなる。

とはいえ、ライフピボットは金銭的なコストをあまりかからないケースがほとんどなので、大金を貯める必要もない。

お金は、少なすぎても選択肢が狭くなるが、貯めすぎても機会損失をする。


②理解がない

「嫁ブロック」という言葉があるが、応援してくれるはずのパートナーがライフピボットを反対するという状況である。これは、ピボットへの不安から生まれる。

しかし、ここでは感情的にならず、「冷静に対話をする」ことが重要である。なぜピボットする必要があるのか、それによってどのような未来が待っているのかを話し合う。

職場での副業に対する理解なども、先ほどことが言えるだろう。この場合も、副業で得られる「3つの蓄積」を説明し、どのように本業に活かせるのかを説明することが必要になる。

仮に、理解してもらうために最大限の努力をしたとしても、理解してもらえない場合もある。このような場合は最終的には「自分で決める」ということも必要である。


③時間がない

時間は誰もが持っている資産であるが、この資産が尽きる時が私たちが死ぬときである。つまり、この時間の使い方が自分の命の使い方と同じ意味になるのだ。

それなのに、時間の使い方の主導権を他人に渡してしまっている人が多い。時間がなければ、ライフピボットに向けたアクションが取れないまま日々を過ごすことになる。

時間の主導権を握るためのテクニックとして、重要な予定は「先にカレンダーに入れてしまう」というものがある。

優先度の高い予定を入れておき、やらないことを決めて断るということが大切だ。

自分の本当にやるべきことに向けてアクションし、成果を出し、時間を作り、ライフピボットに向けた蓄積を実行していくのだ。

もし、逃げなければならないことがあるとしても、それは未来のライフピポッドの可能性を広げるための選択肢の1つだということも忘れてはいけない。



■ピボットを繰り返したその先

人生が長期化していく中で、ライフスタイルは短期化していき、私たちの働き方なども多様になっていく。そんな時代では、ライフピポットという考え方は人生において欠かせないものになる。

働き方が変わる中で、「3つの蓄積」を貯め、「3つの欠如」を解消していきライフピポッドを実行していく。

私たちは、「3つの蓄積」によって自分の可能性を見つけ、この可能性が広がっている状態が理想である。つまり、常に選択肢がある状態にこそ価値があると言える。

それぞれの蓄積によって、4つのタイプに分類される。

①スキルセットを活かした「オクトパス型」
沢山のスキルを活用して様々な仕事を同時にこなす働き方。いろいろなことに好奇心や冒険心を持てる人が向いている。

②人的ネットワークを活かした「オーガナイズ型」
沢山蓄積した人的ネットワークを利用して、人を繋いでいく働き方。生み出した繋がりが有益なほど、信用も深まっていくことで、さらにネットワークを広げていくことができる。

③自己理解を活かした「オプティマイズ型」
蓄積した深い自己理解を活用して、自分に最適な働き方を実現する。スキルセットや人的ネットワークの人は外に向かっていくイメージだが、オプティマイズ型は、内に収束していく。

不要なことを捨て去り、自分の幸福のために必要最低限を残す。必要な分を稼ぎ、一定以上は働く必要もなく、自分の幸福に必要なもののために時間を使っていく。

④3つの蓄積を統合した「オリジナル型」
オリジナル型は3つの蓄積を総動員して実現する、他の人はマネできない自分だけのキャリアである。その人のピボットの軌跡がオリジナルであり、それは多種多様な生き方である。

このようにライフピポットを繰り返した先には、4つのタイプがあるが、そこに行くまでには蓄積が必要である。過去の自分が踏み固めてきた足場を使って、新しい一歩を踏み出していくのだ。


私の要約では伝えきれなかった内容も沢山あるので、この本が気になった方は、実際に読むことをオススメします。私は、たった一冊の本でも「人生は豊かになる」と思っています。

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■ヒトリゴト

人生の長期化とライフスタイルの短期化は、他の様々な本にも出てくる課題である。

人生100年時代の「長生きリスク」の中で、会社の寿命は「30年」みたいなことを言われてたりする。

多くの人が、老後問題を抱えながら、70代まで会社を転々としつつ働くことになるのだろうか。

ベーシックインカムなどの政策で変わるのだろうか。

個人的には、外的要因に期待することはやめたほうがいいと思う。

状況に合わせてピポット出来る人が幸福度が高いのは目に見えているだろうし、未来の選択肢は多い。

今後はますます、有名会社の○○部門で働いています。より、私は○○が好きで、○○の人達と○○ができます。のほうが価値が高くなるとも思う。

好きなことで結果を出せる人は最高だが、能力主義で価値が決められていけば、相対的に能力の低い人達は不利であるのも事実。

もっと言えばこれは、能力が低いのではなく伸ばし方がわからない。だと思う。

これを「自己責任」というのか「格差」というのかは、わからない。

しかし、私たちは幸せになるために経験を蓄積して、ライフピポットし続けなければいけないように感じる。

Adapt or Die (環境に適応するか、さもなくば死滅する)とも言われているが、
未来を明るく出来るのは、自分しかいないのかもしれない。

私は、明るい未来にしていきたい。


私の情報が少なからず皆さんのお役に立てればと思います。

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